業務監査の主な仕事とは?業務監査を行う際の重要なポイントを徹底解説!
業務監査の意味とは、と聞かれるとちょっと嫌ですよね。「えっと…。」ってなってすぐに答えられませんよね。ですがこの記事を読めばドヤ顔できます。業務監査の意味とは?や主な仕事について解説しているので、ササッと読み進めてみてください。
業務監査と会計監査の意味と違い
業務監査と会計監査はどういった違いがあるのか。
それぞれ個別に解説していきます。
業務監査の意味とは
経営者が法令や定款通りに業務を遂行しているかをチェックするのが業務監査です。
監査役が監査を行い、さまざまな権限が与えられており、たとえば、業務監査を行うため計以外の業務活動を監査します。
監査役は業務の適法性を調査し違法行為があれば、会社法に沿って差し止め請求できます。
適法性監査と呼ばれることもある業務監査ですが、取締役の不正を告発する役目もあるため、経営者に忖度しない第三者に依頼する場合も。
会計監査の意味とは
会社の会計を監査するのが会計監査です。
たとえば企業であれば、決算書の記載内容が適切かどうかを監査法人など第三者が監査し結果を報告します。
法令や規則などのルールを逸脱していないか、健全な経営をしているかなどをチェックし株主はじめステークホルダーに保証します。
ステークホルダーとは利害関係者のことで、株主や銀行従業員など会社経営に関わる人を指す言葉です。
会計監査とは会計報告に対する監査を行うことでしたが、公認会計士や監査法人が行う外部監査と組織内の人が行う内部監査の2種類があります。
公認会計士や監査法人
公認会計士や監査法人とは、会社から独立した組織です。
三権分立でいうと、法の番人である司法といったところでしょうか。
4大監査法人というものがあります。
新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、あずさ監査法人、PwCあらた有限責任監査法人の4つです。
海外の大手会計事務所と提携していたり傘下に加わっていたりと、グローバルに活躍しています。
個人会計士事務所とは比べ物にならないほど多くの人材が勤務しています。
内部監査
会社内の人間が行う監査のことを内部監査といいます。
不正の防止や業務の効率化を目指して実施します。
2006年、会社法の改正で内部統制整備が義務化されました。
一般社団法人日本内部監査協会では、内部監査の意義・目的を下記のように定めています。
・経営目標を円滑に達成
・公正かつ客観的な立場
・助言・勧告をする監査業務と経営支援を行うアドバイザー業務
企業が成長する上で重要な役割があるので、義務化の対象外であっても実施する企業が多いです。
業務監査の主な仕事
会社を見張る役目として業務監査があります。
では業務監査にはどういった仕事があるのか。
具体的に説明していきたいと思います。
業務監査の主な仕事①報企業と子会社の業務の監査
業務監査の対象は多岐に渡りますが、あらゆる部署が対象範囲です。
監査役が親会社の場合、子会社の業務も監査することも。
主な仕事のひとつは監査計画で重点項目など目標設定です。
次に整備、運用状況、不正や違法性がないかを調べて監査を実施します。
そして監査報告。
たとえば、監査調書や監査報告書の作成も監査報告です。
改善指導も仕事のひとつで、改善計画書を作成します。
監査役は取締役に事業の報告を請求し、会社の業務と資産を調査できます。
業務監査に必要な費用は、特別な場合を除き会社負担です。
取締役は不正を発見したら、ただちに監査役に報告しなければいけません。
業務監査の主な仕事②内部統制報告制度への対応
内部統制報告制度への対応も、業務監査の仕事です。
内部統制とは経営目標を達成するために全社員が遂行するシステムやルールのことで、その目的は「業務の有効性と効率性」「財務報告の信頼性」「法令の遵守」「資産の保全」の4つです。
「業務の有効性と効率性」とは、業務を効率化することで業績を伸ばすこと。たとえばIT化やペーパーレス化を導入するなどしてコスト削減を目指します。
「財務報告の信頼性」とは、会社の財務報告は正確でなければならないという考えです。もし会社の決算書に不正や虚偽があった場合、出資者や銀行から信用を失ってしまい会社経営が困難に…。そのため財務報告は正確である必要があります。
会社経営において法律を守ることは必須事項です。法令の遵守ができているかをチェックし、違反行為につながる行為を未然に防止
会社の資産には「ヒト・モノ・カネ・情報」があります。会社の資産を管理し守ることが「資産の保全」です。
会社の内部統制がこの4つに適したものかどうかを監査するのも、業務監査に含まれます。
業務監査の主な仕事③取締役の監査
取締役の監査も重要な仕事です。
たとえば取締役が横領していた場合、指摘した後が恐いという理由から、社内の人間が指摘するのはなかなか難しいです。
ですが第三者機関であれば関係ありません。
忖度なしに告発できるというのが、第三者に委託する強みです。
また監査役は取締役会に出席し、意見を求められれば述べます。
不正があれば、株主総会や取締役会で報告しなければなりません。
不正行為を見つけたとき、法律や定款に違反したとき、不当な事実を発見したときは、取締役に取締役会の招集を請求できます。
仮に一定期間過ぎても取締役が通知しないときは、自ら取締役会を招集でき、行為をやめるよう請求できます。
業務監査のポイントとは
業務監査の主な仕事の次は、業務監査のポイントをいくつか紹介したいと思います。
業務監査のポイントとは①運用状況の監査を行う
業務監査のポイントのひとつめは、運用状況の監査を行うという点です。
下記のような注意事項があります。
・業務手順が理解されているか
・関係者が理解しているか
・業務手順通りに運用されているか
・マニュアル通りに業務をこなしているか
作業要領書で決められたルール通りに業務が行われているかをチェックします。
業務監査のポイントとは②整備状況の監査を行う
業務監査のポイントのふたつめは、整備状況の監査を行うという点です。
下記のような項目に注意しましょう。
・業務手順が整備されているか
・作業要領書などが周知されているか
・規程やマニュアルがあるか
ルールが明確で、作業要領書などのマニュアルが認知されているかをチェックします。
業務監査のポイントとは③改善のフォローアップ
業務監査のポイントのみっつめは、改善のフォローアップです。
整備と運用を調べて終わりではありません。
本来のあるべき姿に改善する必要があります。
たとえば監査報告から得た情報が「マニュアル不備」ならマニュアルを作成します。
「マニュアルと違う」ならマニュアルを修正し、「手順書を見ていない」のであれば手順書を見るよう習慣を作る必要があります。
整備と運用で問題を発見したら、改善が必要です。
業務監査はコンサルティングという側面も併せ持っています。
業務監査の意味まとめ
業務監査についてのイメージは湧いてきましたか。
会社が存続しているのは社会貢献するためです。社会に害をなす企業は、社会には必要ありません。
害をなす会社を見つけるために役立つのが業務監査です。
会社が暴走しないように、業務監査の仕組みを早い段階で取り入れておくといいかもしれません。
この記事のライター
松田佳祐
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