社内ベンチャー制度の成功例は?導入する際のメリット・デメリットもご紹介!
企業が自社でベンチャー企業を斡旋する仕組みが社内ベンチャー制度。この制度を利用すると、企業の一社員でありながらも独立起業できる場合があります。社内ベンチャー制度の成功例&導入する際のメリットとデメリットについて解説しているので、軽く目を通してみてください。
社内ベンチャー制度とは?
新しいことにチャレンジして向上心のある企業に入社したいなら、社内ベンチャー制度を導入している企業がおすすめです。
社内ベンチャー制度とは、社内でベンチャー企業を作る試みのことです。
「どういうこと?」って思いますよね。
大丈夫です。パニックにならないで。
そもそもベンチャー企業をご存知ですか?
ベンチャー企業とは、新しい事業で起業する企業のことを言い表します。
固定概念にとらわれない自由な経営が特徴で、たとえばビッグデータやAI技術などのIT革命によって生まれた事業があります。
具体的には、無人コンビニのAmazon Goや配車サービスのUber、 スマホ関連事業など。
新サービスを提供する企業、それがベンチャー企業です。
一般的に経営者が起業することで設立します。
ただ会社の内部からベンチャー企業が誕生することがあります。
その手助けをするのが、社内ベンチャー制度というわけなのです。
社内ベンチャー制度は自社の社員からアイディアを募集して、ベンチャー企業を作ります。
優秀なアイディアは採用され、新規プロジェクトを進めるためのチームが組まれ、子会社として設立されることも。
主に資金面で体力のある大企業が活用している社内ベンチャー制度ですが、中小企業でも新規プロジェクト立ち上げ時に導入しているようです。
社内ベンチャー制度のメリット
社内ベンチャー制度のメリットをご紹介します。
社内ベンチャー制度のメリット①新たな発見が得られる可能性
新たな発見が得られる可能性があります。
現場から吸い上げた意見の方が、何回も会議して決めたことより市場のニーズに適している場合があるからです。
立場が違うと価値観が違います。マクロとミクロの視点も違います。
今まで必要不可欠だと思っていたことが、実はそんなに重要ではなかったなんてことはよく聞く話。
ビジネス拡大に役立つ新たな発見に気づけるところがメリットです。
社内ベンチャー制度のメリット②社員のモチベーションが向上
社員のモチベーションが向上するという点が挙げられます。
人はやらされている状態では、モチベーションが下がり意欲的になれません。
命令されて「はい!喜んで!」という人に対して「マゾ?」と思うのは僕だけでしょうか。
人の行動原理には2種類あります。外発的動機付けと内発的動機付けです。
外発的動機付けは外からの刺激による動機で、たとえばお金や他人の声などがあります。
一方、内発的動機付けとは自分の内からこみ上げてくる動機で、好奇心や楽しいという感情を伴うものです。
どちらがよりモチベーションが高いのか?
当然後者ですよね。
社内ベンチャー制度により「あの事業がやりたいです!」という意識高い系社員が増えると、社内に活気が生まれます。
また新しいことにチャレンジできる環境は、社員の成長のみならず企業全体の能力の底上げに繋がり、いたるところに効果が表れます。
社内ベンチャー制度のメリット③優秀な人材が集まる
社内ベンチャー制度のある企業では、個人では実現できない規模の事業を行うことができます。
企業に就職しつつ、起業だってできます。
企業の一社員の立場にも関わらず、独立起業の道を開拓した「Soup Stock Tokyo」の成功例があります。
詳しくは後述していますが、遠山正道さんは三菱商事の社内ベンチャー制度で「株式会社スープストックトーキョー」を設立しました。
企業には魅力があります。
企業に勤めつつ会社のインフラを使えて事業を展開でき、その上ノーリスクでチャレンジできるという魅力が。
本の売れない時代に大ヒットを生んでいる箕輪厚介さんによると「幻冬舎の給料をゼロ円まで下げられたとしても、僕は幻冬舎に籍を置きたい。いやむしろお金を払ってもいいくらいだ。」と仰っています。
企業には人材と資金とインフラが整っているからとのこと。
もしそれを自由に使える企業があるのなら、独立するよりその企業に就職すると思いませんか。
たとえスティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグのような人材であっても。
社内ベンチャー制度のデメリット
日が当たれば影ができます。
社内ベンチャー制度のデメリットもご紹介します。
社内ベンチャー制度のデメリット①企業の成功事例が少ない
社内ベンチャー制度のデメリットとして、企業の成功事例が少ないというデメリットがあります。
注目ポイントはそもそも社内ベンチャー制度を利用した事業が少ないのか?それとも失敗しているなのか?という点です。
断定はできませんが、おそらく前者ではないでしょうか。
いかに大企業で資金力があるとはいえ、新規事業の立ち上げは頻繁には行えません。
失敗するとそれまで費やしてきた時間と労力が無駄になり、さらにそれが続くと経営困難に陥ってしまうからです。
新規事業には失敗するリスクがあるため、そもそも社内ベンチャー制度で新規プロジェクトを立ち上げないというデメリットがあります。
社内ベンチャー制度のデメリット②責任の所在が不明確
責任の所在が不明確、というデメリットもあります。
企画を採用した企業側が悪いのか、企画を提案した社員が悪いのかという問題です。
子供が悪さしたときに、親が悪いのか子供が悪いのかという問題に似ています。
社内ベンチャー制度で新規事業を立ち上げる際は、問題が起きたときに揉めないために、あらかじめ責任の所在を明確にしておくのがよさそうです。
社内ベンチャー制度のデメリット③柔軟性がない
柔軟性がないというのもデメリットです。
柔軟性がないと聞いて「自由なのがベンチャーの特徴なんじゃないの?」と思ったあなた。
どうか怒りを鎮めてください。
ベンチャー企業の売りは自由な発想なのですが、資金元の意見を尊重しなければならず、自由に行動できないといったケースが考えられます。
政治家と一緒で、資金提供を受けていると行動や発言が制限されます。
もし資金提供者の意に反したことをすると、資金援助してもらえないからです。
新しいことにチャレンジできるのがベンチャー企業の魅力なのに、自由な経営ができないのでは本末転倒です。
社内ベンチャー制度の成功例
スープ専門店として全国展開中の「Soup Stock Tokyo」。
1999年にお台場ヴィーナスフォートに1号店がオープンした、スープやカレーを中心とする食品の製造・販売及び飲食店を経営している会社です。
三菱商事の社内ベンチャー制度で遠山正道さんが手掛けた事業です。
社内ベンチャー制度は、大手企業の一社員の立場でありながら、自分がやりたい事業を実現して独立起業の道を開けます。
社内ベンチャーまとめ
誰もが経営者になれる時代になりました。
社内ベンチャー制度やクラウドファンディングなど、資金調達の仕組みが充実している時代です。
ひと昔前であれば、労働者が経営者になるなんて、夢のまた夢だったのではないでしょうか。
経営者になりたいけどリスクを冒したくないという方は、社内ベンチャー制度を導入している企業へ就職するというのもいいかもしれません。
この記事のライター
松田佳祐
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