最高の経営理念を作る秘訣に迫る！経営理念の構成要素を解説

経営理念とは企業を活動させるにあたり、社内外に共通の価値観や考え方、存在意義を示すためのものです。

企業の意思決定や採用基準、社内文化、雰囲気を作ることで働きがいや誇りの育成、モチベーションの向上などにもつながります。

経営理念によって企業の考え方や価値観を社内外に伝えることができます。

従業員に理解してもらうことで自身の行動に反映してもらい、社外に発信することで社会的責任を果たすとメッセージを伝え、社会的な信頼を得ることができます。

経営理念を作り発信することにはどういったメリットがあるのでしょうか？

くわしくは後述しますが、経営理念を構成する主な要素として「ビジョン」「ミッション」「バリュー」「ウェイ」があります。

これらによって構成された経営理念に照らし合わせることで経営戦略や方向性といった経営判断の基準がはっきりします。

従業員が同じ方向性で行動しパフォーマンスを高めることができます。

これは研究でも実証されており、イノベーションを起こす傾向が高まるとされています。

企業としての理想の姿と将来的な目標を示すことで、自分たちと企業の将来像を共有することができるようになります。

将来像の共有化によって、チームワークが強化され、実現に向けて行動します。

といっても実際のところ経営理念を実現できるかといったら難しく、課題に挙げてる企業も多いようです。

しかし、それが従業員のモチベーション向上になります。

社会的な活動を経営理念に掲げて実践すると社会的な信用を得ることができます。

「自分たちは社会に必要とされている」という認識が従業員の結束力を、「社会から必要とされている」という自覚が企業価値やブランド力を高めます。

経営理念を構成する主な要素として以下の4つがあります。

それぞれについて解説していきます。

志、将来像と言い換えることができます。

「将来はこうなりたい」という理想像と目標を示します。

「理想像」というからには従業員一丸となって、かなり努力しなければ達成できません。

そのためにミッションを実践しなければなりません。

ビジョンを実現するために責任を持って果たさなければならないことがミッション、使命です。

モチベーションを維持向上したまま働くには「自分が働く意味とはなにか」を考えたり「一生かけてでもやり遂げたい」という強い覚悟が必要です。

気持ちが揺るがず行動できるようなミッションにするのが望ましいです。

ここでいう「バリュー」の意味とは「価値」というよりもむしろ「価値観」という意味。

ビジョンとミッションを踏まえてどういった価値観にするのか示します。

価値観が決まると自ずと判断基準も決まるので、ビジョンに向かって経営判断がハッキリして行動しやすくなります。

仕方というよりも「行動指針」という解釈がいいと思います。

ほかの3要素を実現するための方法、行動指針です。

具体的な「ウェイ」を掲げることでどういった活動をするのかしたいのかを社内外に発信します。

周囲からの共感、賛同を得られやすい要素と言えます。

これらの4要素をまとめて経営理念に仕上げるのは大変だと思いますので、作り方を紹介します。

参考になったら幸いです。

経営理念は経営者自身の経験が元になっているものが多いです。

こういったことを振り返り、とりあえず箇条書きでいいのでメモしてみてください。

こういったビジョンを考えてみます。

同業他社や同じくらいの規模の企業、尊敬している経営者が作った経営理念を調べて参考にします。

自分はどんなことを実現したいのか

誰に喜んでもらいたいのかなどのビジョン、ミッション、バリュー、ウェイがイメージしやすくなります。

インターネットで各社のHPを調べてみたり、尊敬している、好きな経営者について書かれた本を読む、直接話を聴いてみるといった方法で経営理念作成のキッカケを掴んでください。

参考までに経営理念が有名な3社を用意させてもらいました。

日本レーザーの経営理念は実にシンプル。

「雇用すること」。

会長の近藤さんが自身の経験を踏まえてこの経営理念を掲げています。

日本電子に入社後、労働組合のトップに就任し、労使関係の民主化をすると、第一次オイルショックによる１/3の従業員をリストラすることに。

会社との交渉を通じで、「雇用を犠牲にする経営をしてはならない」という信念を抱きます。

放漫経営をしていた前経営者の退陣を求め、自主再建と賃金UPを実現したところアメリカ法人のリストラをすることに。

その後、子会社の日本レーザーの経営再建のために社長に就任し、独立。

会社から辞めさせることはしない「雇用する」を経営理念に掲げています。

定年は60年ですが希望すると最大70歳まで働くことができ、その時の雇用契約は本人の希望や能力などから判断するために1年契約になります。

通勤時間がネックの場合は在宅勤務にシフトするなど柔軟な働き方ができるのが特徴です。

トヨタ自動車は環境が大きく変化しているときこそ、信念を持って進むべき道を見極めていくことが大切と認識し、「トヨタ基本理念」として経営理念を策定しました。

京セラの経営理念は「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」。

社是は「敬天愛人」。

町工場から始まった京セラは技術力と仲間だけを信じて精一杯努力する、経営者も命がけで信頼にこたえる、社員が働いてよかったと思えるような素晴らしい会社でありたいとする京セラの想いと原点からこの経営理念を掲げています。

経営理念の作り方と参考までに日本レーザーをはじめとした3社の経営理念を紹介させてもらいました。

「ビジョン」「ミッション」「バリュー」「ウェイ」を意識して経営理念を作成し、、企業が成長できるように願っています。