社訓とは?社是や経営理念とはどう違う?
朝礼時に社訓を読み上げたり、面白くてユニークな社訓を持っている会社があります。有名な会社になると、ユニークでありながら会社の経営を促進させる、そんな力強さがある社訓が設定されています。有名な企業が掲げる社訓を例に、社訓の持つ意味や意図を確認してみましょう。
社訓とは?
社訓の意味は、創業者・経営者が従業員に対して、順守すべき行動のルールなどを定めたものになります。会社の従業員としての心の持ち方や理念について、会社で守るべきことについて記載されています。
英語では、「motto」や「company credo」と言ったりします。
会社の朝礼などで、社訓を唱和することもありますが、「社員として大切にして欲しいことを忘れないで欲しい」や「仕事をしている意味を忘れないようにして欲しい」という会社からの意図があります。会社の中には、社訓を暗記させるということもあるので、会社の従業員として働く上て社訓は重要なことだとわかります。
社訓は創業者や経営者が従業員に与える教訓であり、同じ教訓のもとで仕事を行うことで従業員同士の仲間意識やチーム意識が生まれ、個人としても会社の利益のために頑張りたいという緊張感を持たせることができます。
社是/経営理念とはどう違う?
社是の意味は、会社を経営する上での方針や指針となるものです。社訓との違いは、対象となるものが違います。社訓は社員に対してですが、社是は会社に向けてのものとなっています。
そのため、社是は他の会社にも当てはまることがありますが、社訓は他の会社に当てはまることはあまりないでしょう。
経営理念の意味は、経営を行う上での大切にする根本的な考え方のことをいいます。企業活動をする時の基本的な考え方や価値観のことです。
社訓との違いは、社訓は社員に対しての教訓などですが、経営理念は会社自体の存在する意味・意義を述べています。会社が社会に対してどのような役割や目的を持っているのか、会社が経営する目的や理由について定められているので、社員という個人ではなく、会社全体として大切なことが記載されています。
社訓を浸透させるために行うべきこと
まず社訓を「会社で守るべきだ」「この仕事をしていく上で大切なことだ」と従業員から理解を得られるようなものにしなければならないでしょう。社訓を守ることでの社会での貢献や社会に与える価値、社員として目指す姿や行動していく指針となるものであるべきです。
そして社訓を伝える時に、なぜそのような社訓になったのかなど、自分自身の経験や体験談を通してストーリーとして伝えることも効果的です。このような考えを持って動いたから成長できた、社員1人1人のことを大切に考えていて成長していって欲しいなど伝えることで、従業員の心に届き社訓が社員に浸透していくでしょう。
朝礼の時に唱和するのも一つの浸透させる手段になります。いくら優れた社訓でも見直したりしなければ、いつか忘れられてしまいます。朝礼の時に唱和すれば継続的に社訓のことを思い出し、自然と暗記されることでしょう。社員に暗記させるのもいいかもしれませんが、無理に暗記させるのではなく、社員自身で社訓を覚えてもらえるようにすることが大切です。
参考にしたいユニーク・有名な社訓
例にしたいユニークで有名な社訓を確認していきましょう。
参考にしたい社訓①マクドナルド
レストラン・ビジネスの考え方 クイックサービスレストランとしての最高の店舗体験の提供により、お客様にとって「お気に入りの食事の場とスタイルであり続けること」をミッションとします。そしてQSC&V(Quality品質,Serviceサービス,Cleanliness清潔さ,Value価値)をレストラン・ビジネスの理念としそのミッションを達成します。
例にしたい社訓の1つ目が、 昭和15年にMcDonald’sとして設立し、昭和30年にMcDonald's Corporation として設立されたファストフード店で、世界的に有名なマクドナルドの社訓です。
4つの英語の頭文字で構成され、Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔さ)、Value(価値)と外食産業では大切なことが凝縮された社訓になっています。アルバイトで入社すると初めに覚えるのがこの英語の社訓で、仕事をする上で極めて重要なものを社訓として伝えていることが分かります。
参考にしたい社訓②日清食品グループ
「日清マン10則」 1.顧客の満足のために、本物だけを全力で売れ 2.日清食品のグランド・デザインを描け 3.ブランド・オーナーシップを持て 4.ファーストエントリーを誇りとせよ 5.常にカテゴリーNo1をめざせ 6.実感したことを自分の言葉でしゃべれ 7.逃げるな、立ち向かえ 8.不可能に挑戦し、ブレーク・スルーせよ 9.セクショナリズムと闘え 10.決断なき上司は無能と思え。社長へ直訴せよ
例の2つ目が昭和23年に株式会社中交総社として設立され、平成20年に日清食品となった日清食品株式会社の社訓です。
創業者の安藤百福の創業精神に安藤宏基社長の経営感覚を織り交ぜて作られたものです。どんな時も先駆者でなくてはならないと熱い思いが込められた社訓になっています。社員の行動を積極的にさせるような、駆り立てるような言葉が込められています。
社訓まとめ
社訓の意味や有名企業のユニークな社訓について解説してきましたがいかがでしてたでしょうか。
社訓の中には、英語の頭文字で構成されたものから社員を動かす原動力となる力強さを持った社訓まであります。社訓は、従業員の成長を促進させたり、モチベーションを左右する重要なものです。
社訓を設定するときは、自分の考えをそのまま押し付けることなく、従業員の立場からも考えて、仕事をしていく上での原動力や成長を促進させるようなものにしましょう。昭和時代から成長続けている、有名な企業のユニークな社訓などを例にしながら、自分の会社独自の社訓を生み出せるように試行錯誤していきましょう。
この記事のライター
横山 峻己
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