公開

事前に抑えておきたい株式会社を設立する際にかかる費用とは?

この記事では株式会社を設立するための費用に注目して解説していきます。 規制緩和がされ、株式会社を設立するハードルは下がりましたが、それでも数百万円が必要でなかなか厳しいと言えます。 そうした費用を節約する方法も解説していますので、ぜひご確認ください。

事前に抑えておきたい株式会社を設立する際にかかる費用とは?

目次

  1. そもそも株式会社とは?
  2. 株式会社設立に必要な期間
  3. 株式会社設立にかかる費用とは?
  4. 株式会社設立にかかる資本金や設立登記以外の費用は?
  5. 株式会社を設立する際の費用を安くするための秘訣
  6. 株式会社の設立費用まとめ

そもそも株式会社とは?

そもそも「会社」とは利益を追求した組織を指しますが、そのなかでも「株式会社」はさまざまなメリットを受けることができます。

例えば、株式会社は情報を公開しなければならないので、ステークホルダーからの社会的信用が得られやすく、金融機関からの融資額も個人事業主に比べて増額されます。

また、個人事業主や合名会社の場合は、無限責任のため出資額以上の責任を負うことがありますが、株式会社なら出資額の範囲内で責任は負うことになります。

ほかにも、株主は配当や株価の値上がりを期待して株式を購入するため、自己資本比率が高まり、経営を安定化することが可能です。

これらのメリットがあるので、多くの方が株式会社を設立しようと考えていますが、実はけっこうな費用が必要になってしまいます。

この記事では株式会社設立に必要な費用をメインに解説していき、アナタの事業を陰ながらサポートさせてもらいます。

株式会社設立に必要な期間

株式会社を設立するには事前の準備から設立登記まで2週間程度の期間が必要です。

期間を延ばさないようにするためには十分な事前準備をしておく必要があるので、あらかじめさまざまな情報を集めておいてください。

株式会社設立にかかる費用とは?

以前は株式会社を設立登記するには1,000万円以上が必要でしたが、平成18年に会社法が施行・規制緩和され、今では1円から起業が行えるようになりました。

とはいっても株式会社を設立するためには、設立登記手数料や各種備品や運転資金を確保するなど、ある程度のお金が必要なので注意が必要です。

ここからは株式会社を設立するために必要な費用の解説を行っていきます。

株式会社設立にかかる費用①設立登記

1円あれば起業できるといっても個人事業主ならともかく、株式会社を設立したいなら設立登記にかなりの金額が必要となり、具体的には以下の費用を支払います。

  • 5万円:定款の認証手数料
  • 4万円:定款に貼る収入印紙(電子定款の場合、不要)
  • 約2,000円:定款の謄本代
  • 15万円(もしくは15万円以上):登録免許税

定款を認証してもらうためには公証人に手数料として5万円を支払わなければなりません。

「公証人」とは元々判事や検事を長く経験した方が多く、経験だけでなく、法知識も豊富なため、それだけ手数料も高くなってしまいます。

定款に貼る収入印紙として4万円が必要ですが、電子定款にすることで収入印紙が不要になるので4万円を節約できます。

とはいっても別の手数料がかかる場合もあります。

くわしくは「株式会社を設立する際の費用を安くするための秘訣②手続きを外注する」で後述するのでそちらまで読み進めてください。

謄本は1冊1,000円ほどですが、2冊購入することになるので2,000円を目安に支払うと考えてください。

登録免許税とは、法務局で設立登記を行うために必要な費用のことで、株式会社なら最低金額が15万円からになります。

もしも、資本金額×0.7%の額が15万円以上なら、資本金額に応じて登録免許税を支払わなければならなりません。

ちなみに登録免許税が15万円以上になるのは資本金額が約2,143万円からになるため、よっぽどの資本金が必要な株式会社でない限り、15万円の登録免許税になります。

以上のことから、電子定款で登記を行うなら印紙が不要になるため、20万円ほどで済みますが、それでなくても24万円ほどで多くの株式会社は設立するだけならできると考えてください。 

株式会社設立にかかる費用②資本金

「平成28年経済センサス‐活動調査(確報)産業横断的集計結果の概要」より
「平成28年経済センサス‐活動調査(確報)産業横断的集計結果の概要」より

先程もお伝えしたように、現在では規制緩和が行われ、1円から会社を設立できるようになりましたが、総合的なことを考えると1円では心もとないので、ある程度の資本金を用意しておきましょう。

総務省・経産省によると、株式会社の資本金で一番多いのは1,000万円未満の企業です。

もちろん業種や規模によって異なるので、1,000万円ギリギリの企業もあれば、100万円の企業もあるので、目安として考えてください。

ですが、ある程度の資本金を確保しておいたほうが数カ月分の運転資金として活用できたりするので望ましいと考えられています。

運転資金があると、仮に新型コロナウイルスなどの影響で休業したり売上が少なくても多少持ちこたえることができます。

経営者はその間に融資を受けたり補助金・助成金制度を利用したり、新規の販路を開拓したりして一過性のトラブルをやり過ごすだけの時間を稼ぎます。

設立当初は顧客獲得に苦労するため、資本金は多いほど良いですが、1,000万円以上にすると1期目から消費税を納めなければなりません。

1,000万円以下なら1期2期の消費税は免除される期間が設けられているため、基本的には適度な資本金にしたほうが無難と言えます。

サイトを見に行く

株式会社設立にかかる資本金や設立登記以外の費用は?

設立登記の手数料や資本金だけでもかなりの金額が必要になりますが、家賃や人件費、HPづくり、各種備品などの購入に+150~180万円ほどがさらに必要と考えてください。

株式会社を設立する際の費用を安くするための秘訣

株式会社を設立するにあたり、必要とされるお金はかなりの金額になりますが、これをできるだけ抑えるためにはどういった秘訣があるのでしょうか?

株式会社を設立する際の費用を安くするための秘訣①個人事業からスタートする

個人的には個人事業主として事業をスタートさせると、費用とリスクを抑えることができるのではないかと感じています。

株主会社のメリットはあまり受けられませんが、個人事業主なら設立登記が不要なので20万円~24万円を、一定額までの税率も低いので設立時だけでなく、長期的にも節約できる可能性があります。

小規模な事業を検討しているのであれば、まずは個人事業主から始めて、事業が拡大したり売上が増加してきたら株主会社化してみるのも一つの手だと考えます。

ちなみに個人事業主でも設立登記を行い、信頼性を高めたり、屋号を商業登録できるので柔軟に検討してみてください。

株式会社を設立する際の費用を安くするための秘訣②手続きを外注する

設立登記の手続きを専門家に外注することで費用を抑えることもできます。

例えば、電子定款で提出することで印紙代が不要になるとお伝えしましたが、そのためには「Adobe」ソフトや電子カードリーダーが必要となり、4万円ほどかかります。

これらのツールを設立登記1回でしか使わないなら費用はほぼ変わらないといっていいでしょう。

一方で設立登記に関わる専門家の多くがそれらのツールを保有しており、手数料1万円ほどで代行してくれる場合があります。

節約しつつ時間を有効活用できるので、コスパを重視する方にもおすすめです。

専門家も電子定款の代行をキッカケに顧客を獲得し、顧問契約を結ぶことを視野に入れているため、長い付き合いを始めることになります。

もしもそういったことを煩わしいと感じるのであれば、クラウド会計ソフトの「freee」などのツールで費用をさらに安く抑えることも可能です。

株式会社の設立費用まとめ

平成18年以前と比較すると株式会社を設立するのは比較的簡単になりましたが、それでも運転資金などでかなりの金額が必要になると言われています。

多くの方にとってなかなか大変ですので、できるだけ節約しながら株式会社を設立してみてください。

生産性向上・働き方を変えるためのご相談なら「ビジスタント」

次へ

昨今の日本企業の課題である、生産性向上や働き方を変えるためのご相談は、大手企業を中心にこれまで70年以上サービス提供経験のある、ビジスタントまでご相談ください。

ビジスタントが選ばれる4つの理由

  1. ①大手企業向けに導入経験豊富
  2. ②経験豊富なアシスタントがサポート
  3. ③チームだから幅広い業務が対応可能
  4. ④専用システムで簡単依頼!履歴も残るからチーム内での共有も簡単
U11

この記事のライター

U11

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます

関連記事

英語で請求書を作成!使える英語表現とテンプレートまとめ

ビジネス・マナー

英語で請求書を作成!使える英語表現とテンプレートまとめ

請求書というと、日本語で表記する機会が多いでしょう。しかし、中には英語で表記しなければならないという方もいるはず。英語でなんて書けない!と思う方もいるでしょう。今回は、請求書で使える英語表現や英語で表記された請求書の雛形をご紹介します。

コロナ禍年賀状を出そう~ 年賀状の7つの魅力 ~

ビジネス・マナー

コロナ禍年賀状を出そう~ 年賀状の7つの魅力 ~

皆さん最近年賀状を書いていますか?SNSが発達した現在では一昔前に比べて年賀状を書く人は減ってしまったのではないでしょうか。コロナ禍の今こそ年賀状の魅力を再確認し、年賀状を通して人とのつながりを深めてみてはいかがでしょうか。

失敗しない年賀状の書き方~年賀状の基本ルールとマナー~

ビジネス・マナー

失敗しない年賀状の書き方~年賀状の基本ルールとマナー~

日本で生活をしていると皆さん一度は年賀状を書いたことがあるのではないでしょうか。日本人には馴染みのある年賀状ですが、正しいルールやマナーをご存じでしょうか。ここでは基本的なマナーから喪中の対応など、年賀状を書くうえで押さえておきたいポイントを紹介します。

ワークフローとは?基礎知識とおすすめのワークフローサービス15選

ビジネス・マナー

ワークフローとは?基礎知識とおすすめのワークフローサービス15選

企業によって業務の進め方というのは異なり、どの企業もより効率化を目指し業務を進めているはず。今回は、そんな業務の進め方のひとつであるワークフロー及びそれをシステムとして実現させるワークフローシステムについて詳しく説明していきます。

進捗管理とは?上手く行うためのポイントを徹底解説

ビジネス・マナー

進捗管理とは?上手く行うためのポイントを徹底解説

進捗管理が上手くできない、という方が多いのではないでしょうか? その原因はなにか、上手く管理をする方法、ツール・アプリを紹介していきます。 進捗管理に役立つツール・アプリでは、事例が紹介されているものもあるので、ご自身の会社に近いものが見つかるかも?

IT業界の職種4つとその仕事内容とは?ITエンジニアになる方法まで徹底解説

ビジネス・マナー

IT業界の職種4つとその仕事内容とは?ITエンジニアになる方法まで徹底解説

PCやインターネットを駆使して様々なものを開発しているIT業界ですが、IT業界の主な職種などいまいち理解できてないかと思われます。今回は、そんな世界でもニーズの高いIT業界の職種とその仕事内容について詳しく説明していきます。

 知っておきたい業種と職種の違いとは?それぞれの違いについて徹底解説!

ビジネス・マナー

知っておきたい業種と職種の違いとは?それぞれの違いについて徹底解説!

「業種」と「職種」の違いはご存知でしょうか? これらの違いを知っておくだけで、転職に有利になったり充実した職場を探せるかもしれません。 この記事では「業種」と「職種」の違いの解説とそれぞれの一覧を紹介していきます。

知っておきたい合併の意味と種類!合併をすることで得られるメリットとデメリットは?

ビジネス・マナー

知っておきたい合併の意味と種類!合併をすることで得られるメリットとデメリットは?

「合併」の種類やメリット・デメリットを解説していきます。 「買収」や「経営統合」と同様に企業間の関係性を深める合併ですが、基本的には「吸収合併」が行われます。 合併によって組織自体を大きくできたり、シナジー効果を発生できるので、ぜひ検討してみてください。

顧問契約とは?企業が顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説

ビジネス・マナー

顧問契約とは?企業が顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説

皆さんは顧問契約という言葉を聞いたことはありますか?顧問契約は、より企業を成長させるために重要となる契約でもあり、同時に自社にはない知識やスキルを得ることもできます。今回は、そんな顧問契約の基礎的な内容と契約を結ぶまでの流れについて解説していきます。

 ヘルプデスクって一体何?業務の種類の内容と魅力についてご紹介

ビジネス・マナー

ヘルプデスクって一体何?業務の種類の内容と魅力についてご紹介

ヘルプデスクという業務をご存知ですか?実は、企業の成長はヘルプデスクが握っていると言われているほど重要な仕事なんです。今回は「ヘルプデスクって一体何?業務の種類の内容と魅力についてご紹介」という記事です。3分で読み終わるので、まずはご一読を。

ビジネス・マナーの人気記事

人気記事ランキング

次へ
次へ