メンター制度とは一体どんな制度?より効果を高められるポイントもご紹介!
最近よく聞くようになった「メンター制度」とはどういったものなのでしょうか? 育てたい人員が相談できる先輩・上司といった立ち位置ですが当事者の成長を促すなどのメリットがあります。 デメリットもあるのでメンター制度を導入したいなら慎重に検討してください。
メンター制度とは
「メンター」とは一般的に「経験を積んだ指導者・経験者」として使われていますが、ビジネスにおける「メンター制度」とは教育を行いたい人物と年齢や社歴が近い人が行う教育を指します。
教育したい新入社員や幹部候補生などを「メンティー」、教育する側の先輩や上司を「メンター」といいます。
客観的なアドバイス・指導ができるようにメンターはメンティーとは別の部署から数年先輩が選ばれることが多く、リアルな悩みを相談しやすいように環境に整えます。
この記事ではメンター制度を導入するなら知っておきたい基礎知識と効果を上げるためのポイントを紹介していきます。
メンター制度のメリット
メンター制度を導入することで得られるメリットはどういったものがあるのでしょうか?
メンター制度のメリット①メンティーの離職防止
かなり以前から新卒者の離職率が高く、3年以内に辞める従業員が多いことが日本企業全体の課題として捉えられています。
社会人になったばかりの新入社員や転勤・異動してきた従業員は仕事内容や人間関係が一変しているため、新しい職場・環境に不安を抱えており、業務に集中できなかったり、そのまま辞めてしまうことが珍しくありません。
公私の不安を抱えているメンティーに対して身近に話を聞いてくれたり、相談に乗ってくれるメンターがいると大きな助けになり、職場に馴染みやすくなります。
そんなメンターを見て育つメンティーも今後の自分をイメージしやすくなるため、メンティーの離職防止に繋がります。
メンター制度のメリット②メンターの成長
メンター制度はメンティーだけにメリットが生まれるのではなく、同じようにメンターにもプラスの影響を与えます。
メンターとメンティーが普段から接することでメンターはメンティーから「見られている」「お手本にならなきゃ」という意識が強くなりますので、自身の言動や仕事への取り組みに対してそれまで以上に責任を自覚するようになります。
メンティーに適切なアドバイス・指導を行うためにはそれ相応の知識や経験・スキルが求められるのでメンターの成長にも繋がります。
メンター制度のメリット③コミュニケーションの活発化
「部署外のコミュニケーションは必要最低限」という職場・従業員が多いと思いますが、メンター・メンティー間で部署間の交流が生まれることで
- 特定の部署でしか共有されていなかった知識・情報が社内で共有できるようになる
- 専門用語に頼らないコミュニケーションが意識され、メンティーが疎外感を感じにくくなる
というメリットが生まれ、全社的にコミュニケーションが活発になると予測されます。
メンター制度のデメリット
しかしメンター制度を導入することでメンターの負担が大きくなったり、能力・資質にバラツキがあったりして人材教育の面から見ると不安が残る場合がありますので注意が必要です。
メンター制度のデメリット①メンターの負担が大きい
メンティーと接するメンターも本来の仕事を抱えています。
しかし、メンターとメンティーは部署が違うことが多いため、メンティーにアドバイスや指導をしたからといって、直接メンターの業務が効率化されるわけではありません。
それまでの業務に加えてメンティーと接することになると業務が破綻してしまう可能性があります。
メンター制度は組織全体の改善や向上のために行われるべきなので、上司もメンターへの仕事量を減らしたりして調整しなければなりません。
メンター制度のデメリット②メンターの能力・資質にバラツキがある
メンターとしてメンティーに接するためには、会社全体や仕事に対しての知識だけでなく、プライベートな不安・悩みを解決できるだけの経験・スキルが求められます。
メンターも人間なのである程度、メンターとしての能力・資質にバラツキがあるのは仕方がありませんが、メンターとしての能力・資質が低いと人材教育の面が不安になり、離職の可能性が高まります。
能力・資質が高いメンターと成長が見込めるメンティーを組ませることで成果を出せるようになるでしょうが、もともとメンター制度自体はメンターとメンティー双方の成長を目的にしています。
わざわざメンター制度を導入して業務の負担を増やすだけになることは避けたいので、このバランスが難しく、実際に運用してベターな組み合わせを探していかなければなりません。
メンター制度のデメリット③信頼関係がなければ効果が発揮できない
学生時代、一緒に過ごすクラスメイトの中でもなんとなくキライな人、反りが合わない人がいたのではないでしょうか?
その原因の1つが「信頼関係が構築されていなかったから」。
これと同じようにメンターとメンティーの間に信頼関係がなければメンターの能力・資質以前に表面的な交流しか生まれません。
会社から
- 「今度アナタはAさんのメンターになってネ」
- 「AさんのメンターはBさんです」
と普段の業務で接点のない人を指定されて「仕事のこと、プライベートのこと何でも相談してね」と言われてもメンティーがメンターに相談することはムリだと思います。
メンター制度のメリットを最大にするためには「メンターとメンティーの間で信頼関係を構築することが最優先」と考えなければなりません。
しかし、対策を打たなければ部署外のメンターとメンティーは交流が生まれにくいので時間がかかり、信頼関係を構築できるかどうかも不明です。
メンター制度の効果を高めるポイント
メンター制度には以上のようなデメリットがありますが、メンター制度を導入した目的を果たしたり、メリットを最大にするためのポイントをいくつか紹介させてもらいます。
メンター制度の効果を高めるポイント①信頼関係の構築を最優先
メンター制度をうまく運用するためにはメンターとメンティー間の信頼関係が必須ですが、「通常の業務で接点が少ない」もしくは「接点がない」「メンター制度の開始時点では信頼関係がない」といった状況・状態では難しいです。
本来の業務を回しながら、効率的・効果的な信頼関係を構築するための方法や制度を考えて実行していかなければなりません。
そのための1つの方法として「キックオフミーティング」があります。
「キックオフミーティング」とはプロジェクト開始時に目的や概要などを共有・確認するためのミーティングを指します。
メンターとメンティーを一同に集め、疑問をまとめて解消したり、仲間の存在を確認し、モチベーション向上になるだけでなく、ゲーム・レクリエーションを通じて信頼関係の構築に役立ちます。
信頼関係や結束力を高めるゲーム・レクリエーションについては「社員の結束力アップ!チームビルディングにおすすめのゲーム20選」にまとめていますので、ぜひご確認ください。
メンター制度の効果を高めるポイント②定期的なサポートを行う
信頼関係を構築したとしても全てのペアがうまくいくとは限りませんし、途中からうまくいかなくなることも考えられます。
よって、企業側で定期的にメンターとメンティーの状態をチェックしたり、支援していくことが必要です。
具体的には
- メンター同士が現状を報告・相談するための場を設ける
- 人事部がメンティーにヒアリングを行う
といったことが必要で、問題が発覚したらそれに合わせて修正を行います。
メンター制度まとめ
この記事ではメンター制度の基礎知識を解説してきました。
メンティーだけでなくメンターにも成長を促したりコミュニケーションを活発化させるメリットがありますが、お互いに信頼関係がなければ効果を発揮できないので、導入するかどうかは慎重に検討しなければなりません。
この記事のライター
U11
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