今だからこそ知っておきたいコロナの家賃補助の概要!家賃補助の対象条件や必要となる書類は?
新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化している事業者に家賃補助を給付してくれる「特別家賃支援給付金」について解説していきます。 家賃補助を受けるにはどういった条件・流れがあるのは2020年6月26日時点ではまだ公表されていませんが、受けない手はありません。
目次
家賃補助ってなに?
2020年から全国的に流行した新型コロナウイルスとそれに伴う外出自粛。
これらの影響で売上が大きく落ち込んだ事業主の方も多いのではないでしょうか?
売上が落ちてしまっても人件費や家賃などの固定は支払わなくてはいけないので、倒産・廃業が懸念されている事業主も多いです。
これらを減らすために進められている政府・経済産業省の取り組みが「特別家賃支援給付金」です。
一定の条件を満たした個人事業主および中小企業に対して最大で600万円の家賃補助金が給付されます。
月々の支払いの中で大きなウエイトを占める家賃を補助することで事業主の負担を軽くし、倒産・廃業を減らしていこうという政策です。
この記事ではスムーズな申請ができるように特別家賃支援給付金についてまとめています。
特別家賃支援給付金(家賃補助)の対象条件
特別家賃支援給付金の給付対象となるのは「中小企業もしくは個人事業主のうち、売上が一定以上落ち込んだ事業者」に対してで、業種は制限されない予定です。
まずは自分たちの事業・経営状況がこの特別家賃支援給付金の制度の対象になるかどうかを確認してから、この記事を読み進めるかどうか判断したほうが効率的だと思います。
特別家賃支援給付金(家賃補助)の対象条件①中小企業及び個人事業主
経済産業省の「令和2年第2次補正予算概要」によると特別家賃支援給付金の給付対象になると想定されているのは「中堅企業」「中小企業」「小規模事業者」「個人事業者」等とされています。
上記の事業者をまとめて「中小企業」としますが、明確な基準がまだ公表されていません。
仮に「持続化給付金」と同じだと考えると給付対象になるのは「資本金が10億円未満もしくは常時使用する従業員が2,000人以下」となります。
持続化給付金と同じ事業規模事業者が対象とすると、かなりの数の事業者が補助されると考えられます。
あらかじめ十分な準備をしておき、スムーズに申請することで給付時期を早めることができると予想されます。
以前に比べると新型コロナウイルスの感染状況はかなり落ち着きましたが、第二波第三波が懸念されているので、資金繰りが厳しい事業者ほど検討ください。
特別家賃支援給付金(家賃補助)の対象条件②売上減少幅
特別家賃支援給付金の受給対象になるのは2020年5月~12月の時点で下記のいずれかの条件に当てはまる事業者である必要があります。
- 5月~12月のいずれかの1ヵ月の売上高が前年同月比で50%以上減少している
- 5月~12月のいずれかの3ヵ月の売上高が前年同月比で30%以上減少している
ちなみに持続化給付金とは条件が異なり、持続化給付金では「2020年の1月~12月までの1ヵ月の売上高が前年同月比で50%以上減少している」とされていました。
こうしたことを考えると、持続化給付金の対象外だった事業者も特別家賃支援給付金では給付対象になる可能性があり、それだけ新型コロナウイルスの影響が大きく、長期的なものになると認識されたと考えることができます。
もしも特別家賃支援給付金の対象になるのであれば、この補助制度を利用しない手はありません。
特別家賃支援給付金(家賃補助)の対象条件③業種による制限はなし
特別家賃支援給付金の受給対象になるのは、これらの事業規模と売上減少の条件に合致する全ての事業者になるとされています。
業種に関わらずに制限されない予定ですので安心してください。
ただし、あくまでも2020年6月26日現在の情報であり、今後特別家賃支援給付金の対象事業者に基準が設けられて変更になる可能性もあるので注意してください。
コロナの特別家賃支援給付金額はいくら?
特別家賃支援給付金は最大で600万円給付されますが、より多くの事業者に行き渡らせるために月額の支払家賃額のほかにも、個人事業主か法人(中小企業)か、もしくは複数店舗・物件を賃貸しているかどうかで給付額が変わってきますので、注意してください。
コロナの特別家賃支援給付金額はいくら?①法人(中小企業)
法人(中小企業)の1ヶ月の給付上限額は100万円でそれが6ヶ月分給付されるので、100万円×6ヵ月分、つまり最大で600万円が給付されます。
ただしこれは複数店舗・物件を運営していた場合の特例措置。
1店舗・物件だけを借りている場合、月額の支払家賃額が75万円以下の部分に関しては給付率2/3の50万円が給付され、法人の家賃負担は1/3の25万円で済ませることができます。
もしも複数店舗・物件を運営してる場合、75万円を超えた部分に対しての給付率は1/3になり、給付額が100万円になる月額支払家賃が225万円になるまで給付される特例措置が適用されます。
コロナの特別家賃支援給付金額はいくら?②個人事業主
個人事業主も月額の支払家賃額だけでなく、運営している店舗・物件数に応じて給付額が変わる特例が設けられる予定です。
1ヶ月の給付上限額は50万円でそれが6ヶ月分給付されるので、50万円×6ヵ月分、つまり最大で300万円が給付されます。
ただしこれは複数店舗・物件を運営していた場合の特例措置。
1店舗・物件だけを借りている場合、月額の支払家賃額が37.5万円以下の部分に関しては給付率2/3の25万円が給付され、個人事業主の家賃負担は1/3の12.5万円で済ませることができます。
もしも複数店舗・物件を運営してる場合、25万円を超えた部分に対しての給付率は1/3になり、給付額が50万円になる月額支払家賃が112.5万円になるまで給付される特例措置が適用されます。
家賃補助はいつから申請が可能?
特別家賃支援給付金の補助金制度はまだまだ不確定な部分も多く、ハッキリとした特別家賃支援給付金の申請時期および給付時期が判明しているわけではありません。
各種報道や各自治体のHPの情報によると、どんなに早くても特別家賃支援給付金のオンライン申請は6月末~7月に入ってからで、給付自体は7月以降になると言われています。
家賃補助の特別家賃支援給付金の申請で必要な書類
特別家賃支援給付金制度が確定し、実際の給付を受けるためには特別家賃支援給付金の対象となることを証明するための申請手続きをしなければなりません。
事業者が手続きをしなければならないので、5月6月の時点ですでに1ヶ月の売上が50%以上落ち込んでいる中小企業および個人事業主は今のうちから準備しておいたほうがスムーズな申請・受給ができると思われます。
必要とされる書類は中小企業と個人事業主とに分けてまとめましたので注意してください。
家賃補助の特別家賃支援給付金の申請で必要な書類①中小企業
- 確定申告書別表一(ただし、収受印があるもの、e-Tax等の場合は「受信通知」を添付しなければならない)
- 対象月の売上台帳
- 通帳の写し
- 直近の月額家賃額を証明できる賃貸借契約書や家賃の支払い・引き落としを証明できる資料
- 法人事業概況説明書
家賃補助の特別家賃支援給付金の申請で必要な書類②個人事業主
- 確定申告書別表一(ただし、収受印があるもの、e-Tax等の場合は「受信通知」を添付しなければならない)
- 対象月の売上台帳
- 通帳の写し
- 直近の月額家賃額を証明できる賃貸借契約書や家賃の支払い・引き落としを証明できる資料
- 青色申告をしている個人事業主は青色申告決算書(青色申告をしていないなら不要)
売上台帳を作成するのは簡単です。
持続化補助金のときは指定されたフォーマットがなかったので、会計ソフトで作成したもの、エクセルで作成したもの以外にも、手書きで作成したものでも問題ありませんでした。
普段自分たちが作成している帳簿と同じように売上高が減少した月と前年同月を比較できるように売上高をまとめます。
持続化補助金ではデータはPDFかJPG、PNGでなければならなかったので、あらかじめ変換したものを用意しておいてもいいかもしれません。
家賃補助の申請方法
特別家賃支援給付金の申請は原則オンラインでのみ行われるとされています。
すでに持続化給付金を申請したことがある方はそれと同じように申請することになると予想されますが、はじめてオンライン申請をされる事業者の方はスムーズに申請ができないかもしれません。
原則オンラインのみですが、持続化給付金のように近くに「申請サポート会場」が設置される可能性もあります。
特別家賃支援給付金申請に向けて準備しておきたいこと
特別家賃支援給付金申請に向けて準備しておきたいこと①必要書類の準備
緊急事態宣言に伴う休業要請および緊急事態宣言解除後の外出自粛が続くなかの5月6月の売上高が大きく減少している事業者は多いと思われます。
スムーズに申請と受給ができるようにまずは昨年の5月6月の売上高と今年の売上高を比較してみてはどうでしょうか?
2020年6月26日現在の時点では6月の売上高を確定させることはできませんが、5月の売上減少額が50%以上なら受給対象になり、そうでなくても6月の売上高を可能な限り集計して7月に入ってすぐに6月の売上高を確定できるようにしておきます。
特別家賃支援給付金の詳しい申請要項および必要申請書類はまだ公表されていませんが、「対象月の売上台帳」と「青色申告決算書」もしくは「法人事業概況説明書」で前年同月比の売上高を確認します。
ほかにも賃貸借契約書をはじめとした直近の月額家賃額を証明できる書類、支払い・引き落としを証明できる資料が求められるのであらかじめ用意しておきます。
特別家賃支援給付金申請に向けて準備しておきたいこと②ほかの補助金・助成金制度および融資の検討・手続きをすすめる
特別家賃支援給付金の申請開始はオンラインが7月になる見込みですが、不正受給を防ぐために賃貸契約や事業の実態を調査・確認するとされています。
申請から特別家賃支援給付金が給付されるまで2週間程度かかるとされており、申請が開始されてすぐは申請数が多いと予想されているので、2週間以上かかる可能性も高いです。
都市部を中心に家賃の支払い負担は大きいため、あらかじめほかの補助金制度・助成金制度を活用したり、金融機関からの融資を利用して資金不足にならないような資金計画を立てなければなりません。
独自の家賃対策政策を行う自治体も?
政府・経済産業省が行う特別家賃支援給付金だけでなく、新宿区や文京区といった各自治体が独自で家賃対策政策を行っている場合もあります。
地方自治体でも熊本市が独自に1ヶ月分の家賃の80%(最大35万円)を補助する支援策を発表しています。
詳しくは各自治体の短頭窓口に確認しなければならないですが、特別家賃支援給付金の対象外となった事業者であっても支援を受けることができる可能性があり、固定費としての家賃の負担がかなり軽減されると予想されます。
家賃補助まとめ
この記事では新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化している事業者に対して救済を行う「特別家賃支援給付金」について解説してきました。
新型コロナウイルスの影響はまだまだ長引くと予想されていますので、条件に合致しているのであれば、給付を受けて資金繰りを改善させる必要があります。
特別家賃支援給付金の対象にならない事業者でも自治体独自の支援対策が設けられていることもあるので調べてみてください。
この記事のライター
U11
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