固定資産管理で節税効果も?業務内容やメリットを解説
資産管理は適切に行なっていますか? 適切に固定資産を管理しないと、紛失したり適切な減価償却が行えず法人税にも影響する可能性があるため、大きな問題になります。 この記事では適切な資産管理を行うための基礎知識について解説していきます。
固定資産管理とは?
もしも固定資産の管理を怠ると、従業員によって私物化されたり、資産サイクルがわからなくなったり、減価償却処理が適切に行うことができなくなるなどの問題が起きます。
企業が保有する固定資産の管理体勢を強化することで企業の資産を守ったり、コンプライアンスの遵守ができるようになるので、必ず行うようにしてください。
この記事では固定資産を管理するメリットから固定資産を管理する業務内容とそれをサポートしてくれる管理システム・ツールを紹介していきます。
固定資産管理を怠ることで発生する問題
企業が保有する固定資産としては以下のものがあります。
- 建物
- 構築物
- 機械装置
- 土地
- 一括償却資産
- 車両運搬具
- 工具器具備品
- 減価償却累計額
- 特許権
- 実用新案権
- 意匠権
- 商標権
- ソフトウェア
- 営業権
- 敷金・保証金
もしもこれらの固定資産を怠った場合、どういった問題が発生するのでしょうか?
固定資産管理を怠ることで発生する問題①固定資産の私物化・紛失
工場の生産設備や社用車といった大型の固定資産はともかく、パソコンなど備品は従業員が比較的簡単に私物化することができます。
企業は利益を生み出してもらうための手段として固定資産や備品を「貸し出している」のであって、本来の業務に使用されなければ企業の利益が減ってしまうことにもなりかねません。
また、従業員による固定資産の私物化は固定資産の紛失につながることもあります。
仮に企業が把握している最後に使用した従業員に確認したとしても「返却した」と言われてしまってはそれまでです。
もしくは、従業員が使用して破損させてしまったときに、ミスを隠すためだったり、自己判断で使えないと判断して企業に報告しないまま廃棄しているかもしれません。
このように必ずしも私物化されているとは限りませんが、十分な体制のもとで固定資産を管理しなければ、生産設備や社用車といったものも紛失してしまう可能性があります。
固定資産管理を怠ることで発生する問題②減価償却が適切に行えない
減価償却とは固定資産を購入した全額を一度の会計処理でするのではなく、耐用年数に合わせて数年~数十年かけて会計処理を行っていく手続きです。
もしも高額な固定資産を一度で経費に計上した場合、その年の利益が極端に減少して所得税や法人税にも大きく影響しまうので、このような処理を行います。
減価償却の方法については、その固定資産や償却方法によっても異なるので省略しますが、管理が不十分では減価償却処理を適切に行うことができず、監査による是正勧告を受けることがあります。
固定資産管理を怠ることで発生する問題③固定資産サイクルが把握できない
建物や車などの有形固定資産のほかにも、サーバーやパソコン、端末にインストールされたソフトウェアなどのIT資産にも「寿命」があります。
どんなに高性能なIT機器・システム・ツールであっても将来的にはサポートを受けることができなくなり、買い替えやバージョンアップをしなければなりません。
もしも固定資産が管理されていなければ、いつ購入したものか把握できないため、買い替えが必要になる時期やサイクルがわかりません。
固定資産管理を行うメリット
しかし、固定資産管理を適切に行うことでこうした問題を減らしていくことができます。
固定資産管理を行うメリット①私物化・紛失を防ぐ
例えば誰が、いつ、どんな理由でどういった固定資産を利用して、いつ返却したのか把握することで私物化や紛失を減らしていくことができます。
固定資産管理を行うメリット②減価償却処理を適切に行える
減価償却はその会計処理の方法が法令で定められていますので、適切に処理しコンプライアンスを遵守します。
なお、中小企業であれば「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置」が利用できるので、令和3年度末まで30万円未満の少額減価償却資産を全額損金処理できるので、節税を図ることができます。
固定資産管理を行うメリット③固定資産サイクルが把握できる
どの固定資産が、いつ、買い替え・バージョンアップが必要なのか把握できるようになるので、計画的な固定資産の運用を行え、コストも最小限に抑えることができます。
もしも古い固定資産を使い続けると、生産性が低下するだけでなく、修理やオプションのサポート延長が必要になるので、コストがかかる可能性があります。
固定資産管理の業務内容
では固定資産管理をしていくために具体的にどういった業務が必要でしょうか?
固定資産管理の業務内容①固定資産取得の判断
固定資産は最低でも10万円以上の高額なものであり、ランニングコストも考えると企業にとっては大きな負担となります。
その固定資産は購入するべきか、他の備品や固定資産で代用できないか、リース契約との比較なども検討して慎重に固定資産を取得するべきか判断しなければなりません。
固定資産管理の業務内容②固定資産管理台帳の作成・記帳
企業が保有する固定資産を管理するための台帳を作成します。
管理する固定資産の「名称」や「取得年月日」「取得価額」「耐用年数」は必ず把握できるようにし、減価償却の処理についてもまとめておくとわかりやすいです。
リース契約もしているのであれば、別にリース専門の台帳を作成します。
固定資産管理の業務内容③固定資産の定期的なチェック
固定資産は一般的に高額で、場合によっては数十年単位で利用していくものがあるため、定期的に固定資産の確認をして、異常がないか現物を確認しなければなりません。
定期的に確認することで紛失や盗難などがないか気づきやすく、今後も利用できるか確かめることができます。
チャックした固定資産に破損や紛失などの異常が判明したときは、固定資産台帳に記録していきます。
大企業になるほど保有する固定資産は増える傾向にありますが、あらかじめ管理ラベルを貼り付けておくことでスムーズに確認できます。
固定資産管理におすすめのシステム
しかし、固定資産の数が多いほど、管理が大変になるので固定資産管理システム・ツールを導入してはどうでしょうか?
これによって、固定資産の一元管理やさまざまな減価償却に対応できるようになリ、とても便利です。
固定資産管理におすすめのシステム①固定資産管理パッケージ
減価償却、減損処理、法人税申告などの固定資産管理に必要な機能も網羅し、システム運用の負担を大幅に軽減するクラウドサービスです。
他の製品と連携することで資産ライフサイクルまでの一括管理が可能になります。
固定資産管理におすすめのシステム②コンビベース
ICタグやバーコードを活用した管理ラベル作成ができ、それらを読み取ることでさまざまな管理業務を柔軟で強力なデータベースで一元化できるクラウド型のサービスです。
固定資産管理におすすめのシステム③固定資産奉行i11
2020年3月にリリースされた最新型のオンプレミス(自社内で完結するシステム・ツール)型の固定資産管理システムです。
画像や設置場所、購入先などの資産情報管理を強化でき、取得から売却、除却までの一連のサイクルを管理できます。
固定資産管理まとめ
この記事では固定資産管理について解説していきました。
適切に固定資産を管理しなければ、法人税にも影響してくるため税務署からの監督で罰金を支払わなければならないこともあります。
不要なコストを抑えるためにも、専用のシステム・ツールを活用しながら定期的に固定資産を確認していかなければなりません。
この記事のライター
U11
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