公開

今さら聞けない中小企業の定義とは?抑えておきたい法律上の中小企業の分類もご紹介!

中小企業の定義はご存知ですか? 一言で「中小企業」と言っても法律ごとに範囲が異なっており、共通の「中小企業像」を共有することは難しいと言えます。 この記事では今さら聞けない中小企業の定義と法律上の分類を紹介していきます。

今さら聞けない中小企業の定義とは?抑えておきたい法律上の中小企業の分類もご紹介!

目次

  1. 中小企業とは?
  2. 中小企業の定義
  3. 法律上の中小企業の分類
  4. 大企業の定義とみなし大企業の定義
  5. 中小企業独自の強みとは?
  6. 中小企業の定義まとめ

中小企業とは?

2018年の統計調査によると日本企業のうち99.7%が中小企業で、労働者の68.8%が中小企業で働いています。

それだけ中小企業向けの商品・サービスの市場規模が大きいと考えることができ、そうしたものを開発・販売したことがある方も多いのではないでしょうか?

しかし、「うちの商品は中小企業向けだけど、実際のところどのくらいの規模までが中小企業なんだろう?」と思われるかもしれません。

また「中小企業」というとひとによって 「従業員〇〇人くらいまでは中小企業だろう」「いやいや〇〇人以下で資本金が〇〇くらいまでは中小企業でしょう」と人によってイメージする中小企業像が異なることも多いです。

この記事では中小企業の定義と分類、中小企業ならではの強みといった内容について解説していきたいと思います。

せっかく中小企業向けに商品・サービスを開発したのに、想定していたターゲット層とずれていた、もっとターゲット層を広くできたのに・・・ということを減らしていきたいと思います。

中小企業の定義

中小企業の定義は定められていますが、法律や制度によってバラバラといっていいでしょう。

例えば、中小企業基本法では資本金(資本金の額または出資の総額)と従業員数(常時使用する従業員の数)で「中小企業」を次のように定めています。

業種分類

中小企業基本法による中小企業の定義

サービス業

資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社
または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人

小売業

資本金の額または出資の総額が5,000万円以下の会社
または常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人

卸売業

資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社
または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人 

製造業その他

資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人 

他にも「独立行政法人中小企業基盤整備機構法」の中小企業の定義では、中小企業基本法の定義に加えて次のものなども含まれます。

  • 企業組合
  • 協同組合
  • 事業協同組合
  • 事業協同小組合
  • 商工組合
  • 共同組合連合会

また、法人税法では業種に関係なく、資本金が1億円以下なら「中小企業者」と定義されています。

さらに「ゴム製品製造業」や「旅館業」「ソフトウエア・情報処理サービス業」は政令で別途定義されることもあります。

このように「中小企業」といっても法律でさまざまな定義がされているため、自分たちや相手が中小企業に該当するかどうか調べていかなければなりません。

法律上の中小企業の分類

中小企業基本法の定義を基準に中小企業かどうかを判定するとしますが、そのためには「サービス業」「小売業」「卸売業」「製造業その他」のうち、どの業種に該当するのか確認しなければなりません。

中小企業庁に業種の調べ方について記載されているので解説していきます。

法律上の中小企業の分類の調べ方①日本標準産業分類からどの分類に当てはまるのか調べる

総務省で作成している日本標準産業分類で分類されるであろう、おおよその項目名から説明及び内容例示をチェックして、どの分類に該当するのか確認します。

項目は以下のとおりです。

  • 農業、林業
  • 漁業
  • 鉱業、採石業、砂利採取業
  • 建設業
  • 製造業
  • 電気・ガス・熱供給・水道業
  • 情報通信業
  • 運輸業・郵便業
  • 卸売業、小売業
  • 金融業、保険業
  • 不動産業、物品賃貸業
  • 学術研究、専門・技術サービス業
  • 宿泊業、飲食サービス業
  • 生活関連サービス業、娯楽業
  • 教育、学習支援業
  • 医療、福祉
  • 複合サービス事業
  • サービス業(他に分類されないもの)
  • 公務(他に分類されるものを除く)
  • 分類不能の産業
サイトを見に行く

法律上の中小企業の分類の調べ方②対応表からどの業種に該当するのか確認する

分類から項目を把握したら、下記からどの業種に該当するのか確認していきます。

法律上の中小企業の分類①サービス業

サービス業に該当するのは以下のとおりです。

情報通信業のうち

 放送業

 情報サービス業

 映像情報制作・配給業

 音声情報制作業

 広告制作業

 映像・音声・文字情報制作に付帯するサービス業

不動産業、物品賃貸業のうち

 駐車場業

 物品賃貸業

学術研究、専門・技術サービス業

宿泊業、飲食サービス業のうち

 宿泊業

生活関連サービス業、娯楽業(ただし、旅行業は除く)

教育学習支援業

医療、福祉

複合サービス事業

サービス業(他に分類されないもの)

法律上の中小企業の分類②卸売業

卸売業、小売業のうち

 各種商品卸売業

 繊維・衣服等卸売業

 飲食料品卸売業

 建築材料、鉱物・金属材料等卸売業

 機械器具卸売業

 その他の卸売業

法律上の中小企業の分類③小売業

卸売業、小売業のうち

 各種商品小売業

 織物・衣服・身の回り品小売業

 飲食料品小売業

 機械器具小売業

 その他の小売業

 無店舗小売業

宿泊業、飲食サービス業のうち

 飲食店

 持ち帰り・配達飲食サービス業

法律上の中小企業の分類④製造業その他

上記以外の全て

これで中小企業基本法における業種が判明したので資本金と従業員数から中小企業かどうかを判定できます。

大企業の定義とみなし大企業の定義

ちなみに大企業やみなし大企業は中小企業基本法をはじめとした法律では定義されていませんので、各種法律の中小企業の定義に当てはまらない企業や個人が大企業やみなし大企業として考えられることが多いです。

中小企業独自の強みとは?

中小企業は大企業と比較して人員や資本などの経営資源に限界がありますが、中小企業だからこその強みもあります。

一番の強みは「意思決定のスピードが早く、フットワークが軽い」ことが挙げられます。

所有と経営の分離がされていることが多い大企業では、企業の今後を決める経営方針に関して株主の意向を無視できませんので、調整と意思決定、実行に時間がかかってしまいます。
しかし、中小企業はオーナーが経営者であるパターンが大半で経営判断を素早く下すことができます。
つまり、それだけ不測の事態が起きても対応しやすくなり生産性も向上します。

また、中小企業は従業員が少なく、市場規模が小さかったり、縮小しても事業に参入・継続することができるため、小回りがききます。
大企業は数千人、数万人の従業員や大規模な設備・施設を抱えていることも珍しくなく、それだけの費用を賄うだけの売上を継続的にあげていかなければなりません。
これでは簡単に経営方針を変更したりすることが難しく、大きなチャレンジが嫌煙されてしまいます。
市場の変化が年々早まっている現代だからこそ、中小企業の身軽さは大きな強みと言えます。

中小企業の定義まとめ

中小企業の定義についてまとめてきました。

一言で「中小企業」といっても、日本企業の大半が中小企業で、70%近くの人が中小企業で働いています。

それだけ中小企業向けの商品・サービスの市場規模が大きいと考えることができるので、そうした市場を相手に仕事をしていく方もいるかと思います。

しかし、イメージする人によって企業規模は異なることが多いですし、法律による定義もさまざまです。

まずは自分たちやターゲット層にしたい企業が中小企業かどうか調べなければなりませんので、総務省などのサイトから業種ごとに確認していきます。

なお、大企業に比べて経営資源に限界がある中小企業だからこそ、フットワークが軽いという強みもあるので、小規模な市場での活動や市場環境の変化にも対応しやすいと言えます。

生産性向上・働き方を変えるためのご相談なら「ビジスタント」

次へ

昨今の日本企業の課題である、生産性向上や働き方を変えるためのご相談は、大手企業を中心にこれまで70年以上サービス提供経験のある、ビジスタントまでご相談ください。

ビジスタントが選ばれる4つの理由

  1. ①大手企業向けに導入経験豊富
  2. ②経験豊富なアシスタントがサポート
  3. ③チームだから幅広い業務が対応可能
  4. ④専用システムで簡単依頼!履歴も残るからチーム内での共有も簡単
U11

この記事のライター

U11

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます

関連記事

英語で請求書を作成!使える英語表現とテンプレートまとめ

ビジネス・マナー

英語で請求書を作成!使える英語表現とテンプレートまとめ

請求書というと、日本語で表記する機会が多いでしょう。しかし、中には英語で表記しなければならないという方もいるはず。英語でなんて書けない!と思う方もいるでしょう。今回は、請求書で使える英語表現や英語で表記された請求書の雛形をご紹介します。

コロナ禍年賀状を出そう~ 年賀状の7つの魅力 ~

ビジネス・マナー

コロナ禍年賀状を出そう~ 年賀状の7つの魅力 ~

皆さん最近年賀状を書いていますか?SNSが発達した現在では一昔前に比べて年賀状を書く人は減ってしまったのではないでしょうか。コロナ禍の今こそ年賀状の魅力を再確認し、年賀状を通して人とのつながりを深めてみてはいかがでしょうか。

失敗しない年賀状の書き方~年賀状の基本ルールとマナー~

ビジネス・マナー

失敗しない年賀状の書き方~年賀状の基本ルールとマナー~

日本で生活をしていると皆さん一度は年賀状を書いたことがあるのではないでしょうか。日本人には馴染みのある年賀状ですが、正しいルールやマナーをご存じでしょうか。ここでは基本的なマナーから喪中の対応など、年賀状を書くうえで押さえておきたいポイントを紹介します。

ワークフローとは?基礎知識とおすすめのワークフローサービス15選

ビジネス・マナー

ワークフローとは?基礎知識とおすすめのワークフローサービス15選

企業によって業務の進め方というのは異なり、どの企業もより効率化を目指し業務を進めているはず。今回は、そんな業務の進め方のひとつであるワークフロー及びそれをシステムとして実現させるワークフローシステムについて詳しく説明していきます。

進捗管理とは?上手く行うためのポイントを徹底解説

ビジネス・マナー

進捗管理とは?上手く行うためのポイントを徹底解説

進捗管理が上手くできない、という方が多いのではないでしょうか? その原因はなにか、上手く管理をする方法、ツール・アプリを紹介していきます。 進捗管理に役立つツール・アプリでは、事例が紹介されているものもあるので、ご自身の会社に近いものが見つかるかも?

IT業界の職種4つとその仕事内容とは?ITエンジニアになる方法まで徹底解説

ビジネス・マナー

IT業界の職種4つとその仕事内容とは?ITエンジニアになる方法まで徹底解説

PCやインターネットを駆使して様々なものを開発しているIT業界ですが、IT業界の主な職種などいまいち理解できてないかと思われます。今回は、そんな世界でもニーズの高いIT業界の職種とその仕事内容について詳しく説明していきます。

 知っておきたい業種と職種の違いとは?それぞれの違いについて徹底解説!

ビジネス・マナー

知っておきたい業種と職種の違いとは?それぞれの違いについて徹底解説!

「業種」と「職種」の違いはご存知でしょうか? これらの違いを知っておくだけで、転職に有利になったり充実した職場を探せるかもしれません。 この記事では「業種」と「職種」の違いの解説とそれぞれの一覧を紹介していきます。

知っておきたい合併の意味と種類!合併をすることで得られるメリットとデメリットは?

ビジネス・マナー

知っておきたい合併の意味と種類!合併をすることで得られるメリットとデメリットは?

「合併」の種類やメリット・デメリットを解説していきます。 「買収」や「経営統合」と同様に企業間の関係性を深める合併ですが、基本的には「吸収合併」が行われます。 合併によって組織自体を大きくできたり、シナジー効果を発生できるので、ぜひ検討してみてください。

事前に抑えておきたい株式会社を設立する際にかかる費用とは?

ビジネス・マナー

事前に抑えておきたい株式会社を設立する際にかかる費用とは?

この記事では株式会社を設立するための費用に注目して解説していきます。 規制緩和がされ、株式会社を設立するハードルは下がりましたが、それでも数百万円が必要でなかなか厳しいと言えます。 そうした費用を節約する方法も解説していますので、ぜひご確認ください。

顧問契約とは?企業が顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説

ビジネス・マナー

顧問契約とは?企業が顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説

皆さんは顧問契約という言葉を聞いたことはありますか?顧問契約は、より企業を成長させるために重要となる契約でもあり、同時に自社にはない知識やスキルを得ることもできます。今回は、そんな顧問契約の基礎的な内容と契約を結ぶまでの流れについて解説していきます。

ビジネス・マナーの人気記事

人気記事ランキング

次へ
次へ