トップダウンとボトムアップってなに?特徴からみたそれぞれの違いを徹底解説!
トップダウンとボトムアップの良さは?実は、トップダウンとボトムアップ両方ともにメリットとデメリットがあります。この記事では、トップダウンとボトムアップについて詳細に解説しているので「トップダウンとボトムアップが気になる」という方は読んでみてください。
目次
トップダウンとボトムアップの意味とは?
トップダウンとボトムアップの意味とは、意思決定のスタイルと言っても過言ではありません。
社長やCEOなどのトップが決めるのがトップダウン。
トップで決めた意思決定が、上層部から現場に浸透していくスタイルです。
一方、現場の意見をトップが吸い上げるスタイルがボトムアップ。
現場の意見や提案が、現場から上層部に伝わる仕組みが整っている必要があります。
トップダウンを活用する意味、ボトムアップを導入する意味は、それぞれのメリットとデメリットがわかれば見えてきます。
トップダウンのメリット・デメリット
トップダウンの分かりやすい例は独裁国家です。
「上司の命令は絶対」というイメージ。
独裁国家と聞くと悪いイメージを思い浮かべてしまいますが、意思決定が早いなどのメリットがあるので、「ワントップ=悪」とは一概には言えません。
トップダウンのメリット①スピーディーな意思決定
トップダウンのメリットのひとつめは、意思決定が早いという点が挙げられます。
自由な思考で新しいビジネスモデルや働き方を開発するベンチャー企業は、柔軟な思考を持って事業展開できるので、大企業に比べイノベーションを起こしやすいと言われています。
歴史を振り返っても、今までの固定概念を壊したときにイノベーションが起きています。
ちょっと想像してみてください。
もし明治維新の文明開化が起きなかったら?
今日も帯刀してちょんまげをつけていたかもしれません。
みんなが「え?」と思うようなことからイノベーションは起きます。
みんなが「え?」と思うようなことなので、当然反対する人が多数います。
誰もが反対するようなことを民主主義でやっていたら、いつまで経っても話が先に進みません。
新しい風を起こすには、トップダウンで発揮できるスピードが必要不可欠です。
トップダウンのメリット②爆発的に成長できる可能性がある
トップダウンには、爆発的に成長できるという可能性があります。
舵を切る船長が優秀であれば、どこへでも行けます。
指示を出すトップが、先見の明があるとか人本質を見抜ける人であれば、ビジネスで大成功する見込みが高いです。
そういった経営者は、的確で具体的な指示を出せるからなのかもしれません。
トップダウン体制では、指導者次第で大きく飛躍することがあります。
トップダウンのメリット③一体感が生まれる
一体感が生まれるというメリットがあります。
意思決定者が一人なので揉めないからです。
たとえば部署間で意見が分かれるといったことは起こりません。
ある経営陣は「新規事業に参入するべきだ」と言い、ある役員は「このまま事業拡大路線だ」と言っていてはまとまれません。
まとまれないと勝てるビジネスも勝てません。
なぜ今川義元が織田信長に負けたのか。
2万5千人の今川軍が、たかだか3千人の織田軍に負けた理由は、戦力が分散したからです。
ひとつの目標に向かって一丸となって向かうことのできるチームは、恐ろしく強いです。
トップダウンのデメリット①自立性のある社員が育ちにくい
トップダウンのメリットは、主体的に動ける人材が育たないという点です。
指示がないと動けない人ばかりになるという可能性があります。
今まで指示どおりに動くことが正解だと言われてきた組織の中で、独自で判断して動ける人材は育ちません。
自分で考えて行動できない、現場で臨機応変に対応できないといったデメリットが考えられます。
トップダウンのデメリット②トップの政策が失敗
トップダウン体制で、進めている事業が失敗したら大変なことになります。
アメリカとロシアの冷戦時代、中国に毛沢東という国家主席がいました。
その当時の中国は、マルクスの資本論のもと社会主義国としてトップダウン体制でした。
みんな一緒、みんな平等で政策を進めていた中国。
ところが毛沢東の行った大躍進政策で、農機具を鉄にかえてしまったため大飢饉が起きてしまいました。
判断ひとつで国さえも傾くのがトップダウンのデメリットです。
企業で失敗すれば、倒産して会社がなくなってしまいます。
トップダウンのデメリット③現場の意見が届きにくい
トップの判断で経営するのがトップダウン、現場の意見を参考に経営するのがボトムアップです。
トップダウン体制では、現場の意見を聞かないので、消費者の声が届きにくく顧客の不満が増えます。
トップの思考によっては、クレーム処理がずさんになってしまいます。
ボトムアップのメリット・デメリット
ボトムアップのメリット・デメリットを考えてみます。
ボトムアップのメリット①自立性のある社員が育ちやすい
現場に裁量権があるので、仕事に対し責任感を感じる人、主体的に行動する人、自分で考えて行動できる人が育ちやすいです。
もし毛沢東がボトムアップを採用していたら、農機具を鉄に変えることに意義を唱える人も現れたはず。
ボトムアップのメリット②モチベーションが向上しやすい
主体的に行動するとモチベーションが向上します。
責任を持って仕事に取り組むようになるからです。
やらされている仕事はモチベーションが上がりませんが、自ら主体的に動く仕事はモチベーションが上がります。
ボトムアップのメリット③現場の意見が届きやすい
現場の意見が届きやすいというメリットもあります。
顧客の意見や不満など現場の声を経営陣が吸い上げるため、現場で起きている問題が共有されやすいです。
市場の動きがわかる、クレームが減るといった効果が得られます。
ボトムアップのデメリット①意思決定までの時間が余計にかかる
意思決定に時間がかかります。
みんなで話し合うと会議が増え、決定して実行するまでに日数がかかります。
たとえば文化祭の出し物をクラスごとに話し合って決める場合。
みんなで意見を出し合って、多数決で決めたりしませんでしたか。
みんなで話し合うと時間がかかる出し物ですが、先生が決めると即決です。
ボトムアップのデメリット②マネジメントが必要
指示に従うのは抵抗があっても、指示どおり行動するのは簡単です。
指示がなく考えて行動するには、軸となく思考が必要だからです。
ボトムアップ体制では「顧客が誰なのか」「会社の方針」「仕事で求められていること」などを理解させ、従業員のマネジメントを行う必要があります。
ボトムアップのデメリット③一体感が薄れる
一体感が薄れ揉めごとが増えます。
たとえば会社全体のメリットより、部門ごとのメリットに目がいきがちに…。
意見が割れ対立するため、チームとしてまとまりがなくなります。
結局のところトップダウンとボトムアップどちらが企業の成長力を高めるの?
一長一短あるトップダウンとボトムアップですが、歴史を紐解けばどちらが企業の成長力を高めるのかがわかります。
どの時代どの国をみてもスタートアップは、トップダウンです。
仕組みが整えっていないうちから、ボトムアップを導入しても何も決まらないからです。
最初はトップダウンで始め、体制&仕組みが落ち着いたらボトムアップがよさそうです。
とはいえ、専門性の高い仕事はボトムアップという意見もありますが、仕組み化できていない状態でのボトムアップはおすすめしません。
大企業のように成長するには、仕組み化が必要です。
トップダウンとボトムアップまとめ
「トップダウンとボトムアップどっちがいいの?」という問いの答えは両方です。
両方を使い分け事業展開していくことで、事業を拡大していくことができます。
迅速な意思決定で限りある社内資源をスピーディーにかき集め、一点集中できるトップダウン。
モチベーション高く主体性を持って仕事に臨め、現場の意見を吸い上げることのできるボトムアップ。
新規プロジェクト立ち上げの際は、両方のメリットとデメリットを理解し使い分けてみてください。
この記事のライター
松田佳祐
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