事業ドメインって一体なに?今更聞けない設定方法や成功する事業ドメインの決め方の秘訣もご紹介!
セブンイレブンは事業ドメイン設定による成功例の1つです。その他にも多くの事例がありますが、この記事ではいくつかをご紹介しています。事業ドメインについての網羅的な情報を企業の事例とともに解説しているので、気軽に読んでみてください。
事業ドメインってそもそもなに?
事業ドメイン…?
独自ドメインなら知ってるよ。ブログとかホームページ作るときに取得するやつでしょ?
こう連想しがちですが、事業ドメインは企業のホームページのアドレスのことではありません。
事業ドメインとは、企業が事業領域を決めるということを指します。
「誰に何を行うか」とか「どんなビジネスを行うか」という軸を決めることです。
中小企業や個人事業主は重要視していない傾向がありますが、事業ドメインは非常に重要な概念です。
大手自動車メーカーの日産がホンダに負けてしまったのは、トヨタの真似をして疲弊してしまったからです。
もし事業ドメインが明確なら、独自の強みを活かして市場のシェアを獲得できたかもしれません。
ビルゲイツと孫正義さんの愛読書「孫子の兵法」によると、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」だとか。
コンセプトを定義していると、「人」「物」「金」という資源を分散したり、複数の事業に手を出さなくなります。
事業ドメインが明確であれば、顧客にするペルソナ像や参入すべき市場が見えてくるので、進むべき方向性がクリアになります。
事業ドメイン設定のメリットとは
事業ドメインを設定すると、選択&集中ができ複数の事業に参入することができます。
芯がしっかりしているので、向かうべき道に迷わず進めるためです。
事業ドメインのメリットとは①選択&集中できる
事業ドメインを設けると選択&集中することができます。
強みや弱み、コンセプト、売る商品、顧客となる人物像が明確に言語化されていれば、「やる or やらない」「勝てる or 負ける」などの意思決定に役立ちます。
「どうなるかわからない」では選択できず、「とりあえずやる」という考えでは集中できません。
選択&集中ができると、強者にさえ勝つことができます。
2万5千人率いる今川義元に対して、3千人で戦った桶狭間の戦い。
圧倒的兵力にもかかわらず勝ったのは織田信長です。
どうしてかてたのか。
それは今川義元の本陣300人を2千人で奇襲したからです。
会社の資源を重点的に集めることで、圧倒的な差のある市場であってもシェアを獲得することができます。
事業ドメインのメリットとは②複数の事業に参入できる
選択と集中する一方で、企業の成長に繋がる複数の事業に参入することができます。
無駄な資源を投入したり勝てない領域に参入しないからです。
人や資金などの資源を有効に使うことができるからです。
そのため新しい顧客の獲得や市場の開拓が可能で、企業の成長を促進する事業へと進出できます。
事業ドメインは必要に応じて再定義します。
市場は時代と共に変化するからです。
産業革命が起きてるのに、いつまでも手作業していては仕方がありません。
変化に対応するためには、限られた資源を有効的に運用し、会社の発展に貢献する多角化を実行できるかどうかにかかっています。
事業ドメインを再定義できるよう、時代の流れを把握しておきましょう。
事業ドメインの事例
皆さんは、事業ドメインによる成功例をご存知でしょうか。
事業ドメイン発祥のアメリカでは、スターバックスなど事業ドメイン設定による成功事例は多いですが、事業ドメインを導入して成功した日本企業も少なくありません。
日本の企業がどのような事業ドメインに設定したのか、代表的な事例をご紹介します。
事業ドメインの事例①セブンイレブン
ひとつ目の成功例は何でも売りそうなコンビニからです。
コンビニ業界で50%のシェアを誇るのはセブンイレブン。
コンビニを基軸に多種多様なサービスを展開しています。
たとえば、本&DVDの取り寄せや雑誌の取り置きサービス、セブン銀行の設立、宅配弁当サービスなどがあります。
そんなセブンイレブンの事業ドメインは「近くて便利」です。
「コンビニなのに?」という既成概念にとらわれなかったのは、「近くて便利」という事業ドメインがあったからと言えます。
事業ドメインの事例②モスフードサービス
ふたつ目の成功例は、モスフードサービスです。
「安心安全で高品質な商品を提供する」という理念で事業ドメインを決めサービスを提供してきました。
利益の追求ではなく、消費者のニーズを満たすことを第一に考えた結果です。
なので当然、「品質が落ちるなら、低コストで販売しない」という姿勢で営業しています。
そのためマクドナルドなどのファーストフード店と価格競争をしていません。
もし事業ドメインを忘れ価格競争したら、マクドナルドやモスバーガーのない未来がくるかも…。
事業ドメインの事例③NEC
パソコンで有名なNECは、事業ドメインを「C&C(コンピューター&コミュニケーション)」と再定義しました。
メイン業務の通信事業の他に、コンピューターや半導体事業に参入していなかったら現在のNECではなかったかもしれません。
それもこれもメイン業務に固執せず、世の中の変化や自社の強みを冷静に分析し、柔軟に事業ドメインを定義できたからです。
成功する事業ドメインの決め方の秘訣とその事例
事業ドメインの決め方は、事業ではなく顧客のニーズで決めます。
もし事業で決めた場合、限定的になってしまうからです。
たとえば、ディズニーは東京ディズニーランドというテーマパーク事業を展開しています。
映画製作やグッズ販売もしています。
事業では事業ドメインは決めることができません。
ディズニーの事業ドメインは、「夢の国」というエンターテインメントの提供であり、夢のような時間を楽しみたいというニーズに応えたものとなっています。
事業ドメインの設定方法
事業ドメインは企業イメージにも影響を与えます。
良いブランドを築くためにも、事業ドメインの設定方法をおさえておきましょう。
事業ドメインの設定方法①意識改革を行う
意識改革を行う必要があります。
事業ドメインの重要性を認識して、再定義する意思を持つことが大切です。
黒船来航後の明治政府が、今までの日本を捨て外国の技術を取り入れたのは「このままではいかんぜよ!」という意識改革を行ったからではないでしょうか。
なんとなく決めても、なんとなく行動するのが一般的。
何よりもまず「変えるんだ!」という強い意志を持ちましょう。
事業ドメインの設定方法②現在の事業と将来の方向性を考慮して決定
現時点での事業内容を書き出し、今後進出する事業を検討して決めましょう。
たとえば、僕が現在行っている事業はライター。
ライターは書籍やWebで記事を書きます。
なので事業ドメインは「記事を書いて読者に価値を提供」。
もしくは、Web制作やWebコンサルをメイン事業にするなら「インターネットを活用して価値を創造」とするのがいいかもしれません。
事業ドメインの事例まとめ
事業ドメインを設定することは、企業の個性を定義することです。
アイデンティティの確立とも言えます。
物が普及しきってしまった現在の市場では、万人受けする商品は売れません。
そんな状況で売るためには差別化が必要です。
差別化するには、自分と相手のことを詳しく知っておく必要があります。
ライバルと差をつけ強みを活かすためにも、ピッタリな事業ドメインを設定してみてください。
この記事のライター
松田佳祐
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