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ストックオプションとは?仕組みやメリットやデメリットを徹底解説

現在、今後成長が期待できるベンチャー企業などもストックオプション制度を導入している企業があります。ただ、そのメリットやデメリット、仕組みが分からないという方もいると思うので、今回はストックオプションのメリットデメリット、仕組みについて解説していきます。

ストックオプションとは?仕組みやメリットやデメリットを徹底解説

目次

  1. ストックオプションとは?
  2. ストックオプションの仕組み3種
  3. ストックオプションを導入する前にそのメリットやデメリットを確認しよう!
  4. ストックオプションのメリット5つ
  5. ストックオプションのデメリット5つ
  6. ストックオプションで得た利益に対する税金の種類と仕組み
  7. ストックオプションのメリットデメリットや仕組みまとめ

ストックオプションとは?

それでは、まずストックオプションとは一体どのような制度なのかをざっくりと説明していきます。ストックオプションとは、簡単に言えば企業で働いている従業員に対し、一定期間の間定められた株価で今後株を取得することができるという権利を付与する制度のことを言います。

そんなストックオプションですが、中でも上場している企業もしくは、これからサービスや新商品といった新事業を計画しているベンチャー企業でよく定められており、権利を付与された後、一定期間までに株価が見事上昇すれば、その時点でも事前に定められた価格で株価が取得できるため、上昇したところで売却すれば従業員は給料に加え株式による報酬も得られるのです。

ストックオプションの仕組み3種

ストックオプションの仕組み①権利付与

ストックオプションの仕組みとしては、大きく分けて権利付与、株式売却、権利行使の3つから構成されております。そんな中の一つである権利付与とは、会社が自社で働いているアルバイトや正社員、パート、派遣社員など全ての従業員に対して、定められた期間が経過した後に、自社の株を一定の金額で購入することができる権利のことをいいます。

基本的には、この一定金額は権利付与がされた時点での自社の株価で設定されることが大半ですので、仮に3年後の自社の株価が上昇すれば、権利付与された従業員は自然と株によって利益を上げることができるシステムとなっているのです。

ストックオプションの仕組み②権利行使

一方、ストックオプションの仕組みである権利行使とは、一定期間の間にのみ会社が定めた価格で購入することのできる権利のことをいいます。ただ、権利を行使する場合特定の条件が課せられ、会社の株式が上場した場合を条件として取り上げる企業がほとんどです。

会社の株式が見事上場すれば、従業員は自社の株を約束価額で購入することができ、先ほども述べたように、株式売却による差額によって利益を得ることができるのです。

もちろん、会社の株が上場しなければ従業員はそもそも約束価額で購入することができないので、条件は最低限クリアする必要があります。

ストックオプションの仕組み③株式売却

ストックオプションの最後の仕組みである株式売却ですが、こちらは従業員が権利行使によって得た株式を実際に売却することをいいます。通常であれば購入した株式はどのタイミングでも売却は可能とされていますが、会社の株が上場され、株式の売買が可能とならない限り株式の売買はできません。

株式を実際に購入した後はいつ株式を売却するかは個人の判断に委ねられますので、経済が不景気となり売り上げが落ちた際には今後株価が暴落することが予想されるので、いつまでも株を保有するのではなく、できるだけ早くに売却することをおすすめします。

ストックオプションを導入する前にそのメリットやデメリットを確認しよう!

今までストックオプションを導入していなかった企業や新たな事業を立てると共に制度を見直したいという方は、ストックオプションの意味わ仕組みだけでなく、メリットデメリットといったストックオプションの特徴を理解しておく必要があります。

ストックオプションには、様々なメリットがあり、企業だけでなく従業員にとっても喜ばれる特徴を持っていますが、それとは別でストックオプションのデメリットもいくつか挙げられます。これから、そんなストックオプションのメリットデメリットについて詳しく説明していきますので、これを機にストックオプションに関する知識を深めてみてください。

ストックオプションのメリット5つ

ストックオプションのメリット①優れた人材の獲得可能

ストックオプション制度を導入することで、今後業績によっては会社の株価は跳ね上がり、それと同時に多大なる利益を生むことが可能となるので、ストックオプションは1つのアピールポイントともなり、より優秀な人材を確保しやすくなります。

また、ストックオプション制度があれば、株価を得て実際に報酬を得る前に離職してしまうと従業員にとってはその分従業員にとって損となってしまいますので、優秀な人材を確実に確保し、さらに他企業などへの流出も防止することができるのです。

ストックオプションのメリット②株価向上の目的を社員間で統一できる

ストックオプション制度を導入し、従業員に自社の株価が上昇すれば自動的に給料とは別で報酬を与える仕組みを設けることによって、自然と企業で働いている従業員の目標は自社の株価を上げることに定まり、より一層社員間の統一を強化することができます。

当然、ストックオプションによって自社の株式を一定期間の間のみ定められた株価で取得することができるという権利付与がされた際は社員のモチベーションも高まりますので、多少の波はあるものの、業績は右肩上がりとなりやすいので、会社と従業員でWIN-WINの関係を築くことも可能です。

ストックオプションのメリット③投資リスクの抑止

通常の株式投資であれば、株を購入した後、自社の株価が暴落してしまうとその分損失となってしまうので、資金が減ってしまうというリスクが付いてきてしまいます。

しかし、ストックオプションであれば、自社株価が暴落してしまっても、その際に権利行使をしない限り損失は発生しないので、実際に従業員がプライベートで株式投資を行うよりもかなりリスクを抑えて投資をすることができるのです。

ストックオプションのメリット④外部の方と繋がれる

ストックオプションを付与する対象は内部の従業員だけではなく、外部のアドバイザーなどにも付与されるケースがありますので、外部の方とも長期的に繋がることができることもメリットとして挙げられます。

このようにストックオプションにて外部の方と繋がることで、自社の商品やサービスアピールにも繋がりますし、実際に株価が上昇させることができれば力のある会社として外部から評価されるます。

ストックオプションのメリット⑤場合によっては短期間で権利行使が可能

ストックオプションを導入するメリットとして最後に挙げられるメリットは、場合によっては短期間で権利行使が可能となることです。通常であれば、権利行使を実際に行うまでに最低2年はかかります。

しかし、従業員が行使価額を支払い、権利行使を行う有償ストックオプションの場合であれば最短1年経過したのちに権利行使を行うことができるのです。ただ、権利行使の期間が短くなってしまうので、場合によってはデメリットとしても捉えられるかもしれません。

ストックオプションのデメリット5つ

ストックオプションのデメリット①社員のモチベーションが低下

先ほど、ストックオプションのメリットとして株価を上げるという共通の目標を持たせることによって社員間の統一性を高め、一人一人のモチベーションを上げることが可能と述べました。

しかし、社員のモチベーションが高まるのは一時的なもので、自社の株価を一定の期間内で決められた株価で購入できる権利が付与された直後や自社の株価が実際に上昇している時のみモチベーションは高まるので、仮に何らかの原因で自社の株価が下がってしまえば社員のモチベーションは低くなり兼ねませんし、それによって業績が下がるという負の連鎖が起きてしまうリスクもあるので、永続的にモチベーションを高められるとは断定できないのです。

ストックオプションのデメリット②株価上昇による退職のリスク

さらに、企業が人材を採用する際に、ストックオプションを重点的に説明してしまった場合、新入社員は企業で働くことに関する達成意欲ではなく、企業の株価を上昇させて自分の利益を多く得るという達成動機に繋がってしまうので、ある程度多大な利益を得ることができたら離職するという社員が増えてしまいます。

当然、社員の予期せぬ離職は企業にとっては大損害に繋がってしまい、株価もそれに伴って暴落してしまう可能性もあるので、企業説明をする際などはストックオプションに重きを置くのではなく、あくまで企業で行っている事業や仕事の内容等を重点的に説明すると良いでしょう。

ストックオプションのデメリット③得た利益に対して課税が生じる

課税に関しては後ほど詳しく説明しますが、ストックオプションで得た利益はそのままの額で得ることはできず、必ず課税によって得た利益から差し引かれるので、実際の利益よりもやや少ない額が総利益額となるのです。

ストックオプションで得た利益に対しては大きく分けて2つの課税が課せられ、それぞれ違った項目に対する課税となっているので、後ほどの見出しにてしっかりと課税に対して把握しておきましょう。

ストックオプションのデメリット④従業員の努力はそのまま業績には反映されない

ストックオプション制度を導入すれば、付与された従業員のモチベーションを高め、業績向上に向けて努力してくれる従業員が増えますが、その努力がそっくりそのまま業績に反映されるというわけではありません。

というのも、会社の業績というのはあくまで従業員の努力に加えて経済的要因も関わってくるので、経済的要因が業績に対してマイナスに作用すれば従業員の努力は反映されない可能性があるのです。

ストックオプションのデメリット⑤付与される対象と対象外の人との関係性が悪化

ストックオプションを導入する最後デメリットとして挙げられらのが、付与される側と付与されない側との関係性の悪化です。ストックオプションの対象者は場合によっては特定の人にしか付与されない場合もあり、その場合付与される方と付与されない方との間で嫉妬などにより関係性が悪化してしまう可能性があるので、一概にストックオプションが会社に適切とは言えないのです。

ストックオプションで得た利益に対する税金の種類と仕組み

ストックオプションで得た利益に対する税金の種類と仕組み①経済利益に対する税金

ストックオプションで株価の差額による利益を得たとしても、すべての利益をそっくりそのまま得ることができるというわけではありません。というのも、ストックオプションで得た利益には2つの課税が生じるので、最終的な利益は税金額を差し引いた金額となるのです。

その中の一つが経済利益に対する課税です。具体的な経済利益に対する課税は所得税と住民税が給与所得として課税しなければならないので、実際の株式売却による利益から大きく差し引かれることになります。当然、課税をしなければ法律違反となりますが、ほとんどの場合は自動的に支払うこととなります。

ストックオプションで得た利益に対する税金の種類と仕組み②自社株を売却した際にかかる税金

ストックオプションで得た利益に対する課税のうち、経済利益に対する課税の他に自社株を売却した時のみに生じる課税というものがあります。ちなみに、この際に生じる課税は譲渡益課税と呼ばれており、具体的な内容としては先ほどもご紹介した所得税と住民税に加え、法人税が含まれています。これら3つの税率は合わせて20%で、課税譲渡所得額と3つの税金を合わせた税率20%の積を求めることによって、実際の所得金額を決めているのです。

このように、税金と一概に言っても様々な税金が株式売却で得た利益に対して課せられるので、ストックオプション制度を導入している企業へ勤める場合には事前に抑えておくことをおすすめします。

ストックオプションのメリットデメリットや仕組みまとめ

さて、今回はストックオプションに関する特徴やその仕組みに関して徹底解説しましたが、全ての特徴やその仕組みを理解することは難しいので、まずはストックオプションの基本となるメリットデメリットや基本的な仕組みに関する知識を深めておきましょう。

ストックオプションとは、自社の株価を一定期間内で決められた価格で社員が購入できる権利を付与する制度のことで、それにより社員の目標を株価上昇に統一させ、業績を向上させることが可能です。しかし、逆に株価上昇だけを目標にしている社員は離職のリスクが付いてしまうので、企業説明をする場合にはストックオプションに重きを置かないよう注意してください。

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鈴木健太

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