SES契約ってどんな契約形態?派遣契約との違いまで徹底解説!
SES契約って何?派遣契約とどこが違うの?という疑問をお持ちではありませんか。他社で働くとかなり不安になります。そこでこの記事ではSES契約のメリット&デメリットなどをご紹介しています。3分でイメージが湧くと思うので、気軽に目を通してみてください。
SES契約とはどんな契約?
SES(システムエンジニアリングサービス)契約とは、アプリやシステム開発のためにエンジニアの技術力を提供するサービスのことです。
エンジニアといえば、請負契約を連想する方が多いのではないでしょうか。
たとえばWeb制作会社は、HPを作成し納品することで代金を受け取りますよね。
成果物で報酬を得るのが請負契約です。
一方、SES契約は時給労働です。仮に成果物ゼロでも働いた時間に応じて報酬を受け取ることができます。
またSES契約と派遣契約は似ていて、就業場所は派遣先の企業です。
SES契約と派遣契約の違い
SES契約と派遣契約は似ているというお話をしました。
ではSES契約と派遣契約の違いはどこにあるのでしょうか。
それは以下の2つです。
・指揮命令権
・他企業への移動の有無
SES契約と派遣契約の違い①指揮命令権
指揮命令権の所在が違います。
派遣契約だと指揮命令権がクライアントにありますが、SES契約だとクライアントにはありません。
たとえば休日や残業について、クライアントだけの意志で決めることができません。
派遣先に労務管理する権利がない、とはいえ「先方に合わせるように」という指示があるようですが。
SES契約と派遣契約の違い②他企業への移動の有無
SES契約は派遣先に常駐して、エンジニア業務を提供する働き方です。企業を移動するということはほとんどありません。
「このプロジェクトが済んだら自社に戻っていいよ」とはなりません。
一方、派遣契約はあるプロジェクト完了によって終了するケースが多いです。一般的にプロジェクト完了を目的に企業に派遣されるからです。
エンジニアにとってのSES契約のメリット
派遣と聞くと悪いイメージを思い浮かべる人も多いはず。そんな派遣に似た労働形態のSES契約。ここでは3つのメリットをご紹介したいと思います。
エンジニアにとってのSES契約のメリット①スキルアップがより可能となる
SES契約の一番のメリットはスキルアップできる、というところにあります。
プログラミングの技術力が足りていなくても、エンジニアとして勤務でき、お金を貰いながらエンジニアとしてのノウハウを身に付けることが可能です。
たとえばアプリ構築の経験や新しいプログラミング言語の習得などです。
また得意な分野を専門的に扱い実績を積み上げることで、就職活動せずとも仕事の依頼が殺到するという状況を作り出すことができます。
エンジニアにとってのSES契約のメリット②他企業の文化に触れられる
井の中の蛙大海を知らず、ということわざがあります。
会社の中にいては、そこが井戸の中なのか、海なのかがわかりません。
様々な企業文化に触れることで、自身の市場での価値を知ることができます。
たとえば、手取り30万から1億プレイヤーになった幻冬舎の箕輪厚介さんによると、市場に出て初めて自分の価値を知ったのだとか。
他企業に触れることで、自分の力不足や自分の実力を知ることができます。
また派遣契約だとプロジェクト完了やスキル不足が原因で打ち切りがありますが、SES契約は受注側の正社員という身分があり、安心して働くことができます。
エンジニアにとってのSES契約のメリット③残業が少ない
残業少なめです。というのは、SES契約だと労務管理の権限がクライアント側にないからです。
さらに成果物ではなく、労働時間に応じて報酬を払わなくてはいけないSES契約では、残業させるとコストがかかります。
なのでSES契約時は残業が少ないです。
ただし派遣先がブラック企業で、自社から「派遣先に合わせるように」と指示されないとは限りませんが。
発注側にとってのSES契約のメリット
エンジニアにとってのメリットをご紹介しましたが、発注側にもメリットがあります。ここからは発注側からみたSES契約のメリットを3つご紹介します。
発注側にとってのSES契約のメリット①人材育成の時間やコストを削減できる
IT業界は常に人手不足が続いています。
経済産業省が発表したデータによると2030年には約80万人ものエンジニアが不足するそうです。
またスマホや新しいプログラミング言語の登場などで、目まぐるしく変化しています。
そのためエンジニアを確保するのが難しく、人材育成も上手く行えない状況です。
また新しいシステムを構築するときは多くのエンジニアが必要ですが、完成後は一部のエンジニアで運営可能なため、正社員として雇用する必要がないです。
必要なときに必要なエンジニアを借りたいという発注側の事情があり、そこにSES契約の需要が伸びています。
発注側にとってのSES契約のメリット②業務をさらに効率よく進められる
派遣契約とは違い、労務管理する手間がかかりません。
労務管理に費やしていた時間を作業にあてることができるため、作業の効率化となります。
またSES契約の報酬は時間給です。仕事が終わらず残業させると、余分にコストが発生します。
そうなると時間内で作業を終わらせるために、作業手順や作業内容が見直され、仕事がより効率化されます。
発注側にとってのSES契約のメリット③参入しやすい
参入しやすいというメリットがあります。
SES契約は、エンジニアとしての経験を積んで独立したいという方に、ピッタリな仕組みです。
需要&供給が高いため、非常に多くの企業がSES事業に参入しています。
自社で育成した優秀なエンジニアが多いほど、会社の売り上げを伸ばすことができます。
エンジニアにとってのSESで働くデメリット
エンジニアにとってのメリットと発注側のメリットをご紹介しました。
「SES契約のデメリットも知りたい!」という方のために、エンジニアがSES契約で働く場合のデメリットを2つご紹介します。
エンジニアにとってのSESで働くデメリット①疎外感を感じる
派遣先で常駐を強いられるSES契約では、派遣先はアウェーです。
ホームのほうが落ち着けます。
派遣先で上手く馴染めない、なんて人もいるくらいです。
周りはみんな仲良しだけど自分は孤独、という状況は心身がボロボロになります。
孤独な状況になるケースは稀なのかもしれませんが、とはいえ疎外感を感じやすい雇用形態です。
エンジニアにとってのSESで働くデメリット②しっかりプロジェクトに関われない
定時で帰宅できると聞くと響きはいいですが、派遣先の従業員は定時後もプロジェクトを進める場合があります。
派遣先の従業員は納期があるからです。
「残業代払えないから帰って」と言われ、次の日出勤してみたら自分の仕事が終わっていてちょっと寂しくなった、なんてことがあるかもしれません。
参加したいのに参加できない、というジレンマを持ってしまうかもしれません。
SES契約まとめ
SES契約についてのイメージは湧きましたか。
「プログラミング未経験者でどこにも採用されなかった。だけど…どうしてもエンジニアになりたい!」という方は、SES契約で働きつつ勉強するという方法がいいのかもしれません。
賛否両論の働き方ですが、エンジニアになる方法の一つであることは、間違いなさそうです。
この記事のライター
松田佳祐
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