3分でわかる!補助金と助成金の違いと利用する際の注意点まとめ
「補助金と助成金の違いは何?」って言われたらね、全員白目むいて寝ますね「もう嫌です…」ってね。実はNPO法人でも助成金の受給が可能だったりします。この記事では、補助金と助成金の違いとは?についてご紹介します。3分でわかるので、気軽に読んでみてください。
そもそも補助金/助成金とは?
補助金/助成金とは、返済不要の資金が貰える制度です。
研究開発のための資金を国から貰う科研費がそうです。
科研費とは科学研究費補助金と学術研究助成基金助成金のことで、科研費のおかげで新しい技術開発に専念できます。
もし科研費がなければ利益が発生しない期間、資金調達に苦しむことになります。
補助金/助成金は、国や地方公共団体などの行政が提供しているプランで、条件を満たした特定の個人や法人に支給されます。
似たような制度で「持続化給付金」があります。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けてできた給付金制度です。
新型コロナの蔓延により飲食店は営業できず、ライブツアーなど人が集まる事業も中止せざるをえなくなりました。
そこで事業者に「去年と比べて収入減った人には、最大200万円の支給ますよ」という給付金制度が登場しました。
補助金とは?
補助金とは企業が行う取り組みを支援する制度で、たとえば企業が太陽光発電システムを新規事業で立ち上げたときに貰えるお金です。
返済義務はありませんが、 予算が限られていたり審査が厳しかったりと 、申請したら受け取れるというものではありません。
補助金は課税対象で、基本「後払い」です。
そのため経営者は資金繰りを考慮して、先に資金調達する必要があります。
太陽光発電システム導入による補助金の受け取りはシステム導入後で、受け取った補助金に法人税が発生するからです。
また太陽光発電の補助金制度や持続化給付金のように、一定期間の制度という点も大きな特徴です。
助成金とは?
雇用を安定させるために、国から貰えるお金が助成金です。
条件を満たせば誰でも受け取ることができるお金で、補助金と同様に返済義務がありません。
大きく分けると、雇用関係の助成金と研究開発型の助成金に分けることができ、条件さえ満たせば複数の助成金を利用することが可能です。
またNPO法人でも貰える助成金があります。
NPO法人とは特定非営利活動法人のことで、利益追求を目的としない団体のことです。
福祉に関する活動をしているNPO法人は福祉に関する助成金を貰うことができます。
補助金と助成金の違い
明確な違いはないと言われている補助金と助成金ですが、いくつか違いがあるのでご紹介します。
助成金に比べると補助金の方が種類が多いと言われています。
支給額も補助金のほうが高い傾向にあります。
補助金は審査があり助成金には審査がありません。条件を満たしても貰えない補助金、条件を満たせば貰える助成金と覚えておきましょう。
補助金は助成金に比べ受給日までが長いです。資金のショートに注意しましょう。
申請期間ですが補助金は年に数回しか申請できないのに対して、助成金はいつでも申請可能という特徴があります。
また補助金という言葉は経済産業省や地方公共団体で使われ、助成金という言葉は厚生労働省で使われています。行政機関により呼び方が違います。
補助金 | 助成金 | |
種類 | 多い | 少ない |
支給額 | 多い | 少ない |
審査 | あり | なし |
給付受取までの時間 | 遅い | 早い |
申請期間 | 制限あり | 制限なし |
負担金・交付金・奨励金の違い
「補助金と助成金についてはなんとなくわかったけど…似たような負担金・交付金・奨励金についても知りたい!」という方のために違いを簡単にご紹介します。
負担金との違い
負担金とは、公共事業に対して国や地方公共団体に払うお金のことです。
たとえば水道水を使うとき。食器洗いやお風呂、洗濯のとき使いますよね。
使ったら当然水道代を払います。この水道代が負担金です。
水道局に払うお金のことを水道負担金とも言います。
交付金との違い
交付金とは国または地方公共団体が特定の目的で支払うお金のことを指します。
地方交付税交付金という交付金なら知ってるという人も多いと思います。
地方の格差を是正するために、国が使用を制限せずに地方に支給するお金のことです。
補助金/助成金が個人や企業へ給するのに対して、交付金は主に地方公共団体に支給するお金です。
奨励金との違い
特定の事業を保護したり奨励したりするために、国や地方公共団体が支給するお金のことをいいます。
補助金や助成金などをまとめて奨励金といいます。
冒頭で触れた太陽光発電の補助金や持続化給付金も奨励金の一種です。
補助金と助成金の利用で注意する点
経営者であればキャッシュの流れには敏感ですよね。
銀行の融資や出資者を探すとなると、本来の業務と関係ない資金繰りに時間を割かなければいけないからです。
そこで資金がショートしないために、補助金と助成金の利用で注意する点を3つご紹介します。
補助金と助成金の注意点①審査がある
助成金に審査はないですが、補助金には審査があります。
「後でお金返ってくるし使っちゃえ」とあまり調べないと後で大変な目にあうかもしれません。
条件さえそろえばいいのか、審査に通らなければいけないのか、について十分に調べて利用しましょう。
補助金と助成金の注意点②支給までに時間がかかる
ふたつめの注意点は、補助金と助成金の受け取りは、どちらも支払った後となります。
自己資金で支払った後に、助成金や補助金が支給されます。
なのでその資金を自力で確保しておかなければいけません。 また請求してから数か月後に支払われるということがほとんどです。
資金繰りの計画をしっかり練ってから申請をしないと「会社のキャッシュがぎりぎりでヤバイ…」なんてことにもなりかねないので気を付けてください。
補助金と助成金の注意点③地方自治体の場合
雇用を安定させるためのお金が助成金、公益となる事業を生むためのお金は補助金というお話をしましたが、必ずしもそうとは限らない場合があります。
それが地方公共団体の場合の補助金と助成金です。
上記の定義で言うなら助成金として扱われるべき項目が、「補助金」として扱われている事例もあります。
地方自治体の補助金と助成金の呼び方はあいまい、と覚えておきましょう。
補助金や助成金交付される仕組みと流れ
国や地方公共団体などの行政機関の補助金の財源は税金です。
なので未納や滞納のある事業者は、補助金の申請ができません。
また事業完了後の受給となるため、資金がショートしないようにしっかりと計画しましょう。
〇補助金受給までの流れ
実施計画の申請 → 審査 → 交付決定 → 事業実施 → 事業完了 → 完了報告 → 入金
〇助成金受給までの流れ
実施計画の申請 → 計画の実施 → 支給申請 → 受給
補助金と助成金の違いまとめ
最後にまとめます。経済産業省の補助金は企業の新規事業の斡旋が目的で、審査があり受給のハードルが高めです。公募期間短めです。
一方、厚生労働省の助成金は雇用の安定が目的で、条件さえ満たせばほぼ受給でき公募期間長めです。給付の手続きや内容は給付元の行政機関や種類で違うので、専門家に相談してみてもいいかもしれません。
この記事のライター
松田佳祐
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。