雇用形態とは?種類やメリット・デメリットを徹底解説
そもそも雇用形態って何のこと?就職先や転職先を選ぶときに雇用形態を確認していますか?就業するには雇用形態はつきものです。種類と内容を知っておくことで就業先の選び方やしぼりかたが変わってきます。雇用形態の内容を徹底解説します。
雇用形態とは?
雇用形態とは雇用される側の職位のことを言います。職位といっても役職とは違い、主に「正社員」「契約社員」「嘱託社員」「パートタイマー」「アルバイト」「派遣社員」がありますが、それぞれ雇用形態によって待遇や給与規定などが違ってきます。
雇用形態の種類
雇用形態 | 雇用区分 |
---|---|
正社員 | 正規雇用 |
派遣社員/嘱託社員 | 非正規雇用 |
パートタイマー | 非正規雇用 |
アルバイト | 非正規雇用 |
派遣社員 | 非正規雇用 |
上記の表の様に、雇用形態の種類によって正規雇用・非正規雇用と分けられます。上記以外にはフリーランス(自営業)や業務委託契約などの特定の業務に対して契約を行う働き方も存在します。
雇用形態の種類①正社員
正社員とは、長期雇用を前提とした雇用形態で、企業で定められた就業規則で決められて所定時間で直接雇用の社員です。
- 労働契約に期間の定めがない
- 所定労働時間がフルタイムである
- 直接雇用
上記の3つの要件を満たしたものを「正社員」とし、正社員以外は「非正規社員」として定めていることが一般的です。昨今では、働き方改革の推進により時短勤務で働く「時短正社員」という種類があり、正社員ではあるが時短勤務で就労する種類の雇用形態もあります。
雇用形態の種類②契約社員/嘱託社員
契約社員とは、企業と雇用期間や勤務時間、賃金などを個別に労働者単位で決める雇用形態です。原則、3年以上の雇用契約を結ぶことはできませんが、双方合意のうえで期間の延長や契約変更などを行い、雇用形態の変更を元に再契約が行われるケースもあります。
嘱託社員とは、定年退職後の再雇用契約を結んだ労働者を嘱託社員とすることが多く、期間の定めがある雇用契約を結びます。
契約社員も嘱託社員も雇用形態の種類が違いますが、どちらも「期間の定めがある」というところが同一です。専門性をもっていることが正社員に準じた働き方をします。
雇用形態の種類③パートタイマー
パートタイマーとは、主に短時間勤務且つ業務内容を限定して雇用契約を結ぶことが多くあります。正社員以外の雇用形態としては、契約社員同様に企業が多く採用している種類の雇用形態と言えるでしょう。
パートタイマーで能力の高い社員やフルタイム可能の社員は、雇用形態を変更し、正社員登用や正社員以外では契約社員登用されるケースも多く見受けられます。
雇用形態の種類④アルバイト
アルバイトとは「短期間」「短時間」での勤務の雇用形態です。基本的には前述のパートタイマーとの差はありませんが、イメージとしてパートタイマーは主婦で日中の勤務時間、アルバイトは学生で夕方以降の勤務時間で就労しているイメージが強いでしょう。
雇用形態の種類⑤派遣社員
派遣社員とは、勤務する企業との契約ではなく、人材派遣会社(派遣元企業)と直接契約を結び派遣先企業で就労する雇用形態です。業務内容や範囲が同じでも、給与や労働条件は人材派遣会社(派遣元企業)によって異なります。
雇用形態によるメリット・デメリット
雇用形態の種類は多種多様になってきています。前述の種類の他にはフリーランス(自営業)としての働き方が昨今、注目を集めています。正社員で安定して働きたいという時代から、正社員でも安定しないのではないか。正社員以外のフリーランス(自営業)の方が安定するのではないか?また、兼業で業務委託での契約をするなど意見は様々です。
一方で、正社員以外の働き方よりも、やはり正社員の方がメリットが多いとの意見もあります。正社員と正社員以外の雇用形態のメリット・デメリットをみていきましょう。
正社員のメリット・デメリット
正社員のメリットを一覧にすると、下記の様なメリットが多く見受けられます。
正社員のメリット
- 雇用期間の定めがないため、原則として定年まで働くことができる
- 実績や業務変更などで昇給・昇格の可能性が見込める
- 賞与・退職金の制度がある
- 充実した福利厚生がある
- 充実した研修制度がある
- 社会保険の加入によりフリーランス(自営業)よりは安定する
- 役職手当・赴任手当・住宅手当などの充実した手当があることが多い
上記がよく聞く正社員のメリットの一覧です。文章だけで見ても安定性という意味や成長というところでは、恵まれているような内容ではあります。一方で正社員のデメリットは何でしょうか。こちらも一覧で見てみましょう。
正社員のデメリット
- フルタイムでの勤務になる
- 残業が発生することが大いにある
- 部署異動や業務変更・転勤がある
- 業務変更などで既婚者は単身赴任になる可能性がある
- 会社の評価方針の変更などで降格・減給がある
- 業務に関係しない任務を任命されることがある(労働安全衛生など)
- 副業がしにくい(時間的拘束があるため)
以上が正社員のデメリットの一覧です。大きくは「時間的拘束」による自由度の違いがデメリットとして意見が多いのではないでしょうか。
残業過多や業務方、長期の休暇が取りにくいなどの意見もありますが、今はブラック企業と呼ばれてしまい、働き方改革の推進で規制も強くなっているため、そういった企業は存続が厳しくなるでしょう。
非正社員のメリット・デメリット
それでは、非正社員(契約社員やパート嘱託社員など)のメリット・デメリットはいかがでしょうか。
非正社員のメリット
- 働き方の調整・融通が利きやすい
- 転勤や教務変更による部署異動がない
- 副業がしやすい(時間的余裕)
- 業務範囲が決まっているため、業務が一定である
上記が非正社員のメリットの一覧ですが「時間的余裕」「転勤なし」などのメリットが多く、融通が利く分、個人の趣味や副業又は兼業というかたちで働き方を確立している人が多いように思います。一方でデメリットはいかがでしょうか。
非正社員のデメリット
- 不安定な雇用である(期間の定めがある)
- 給与が不安定(融通が利く分、休暇などが多いことによる)
- 企業の研修などを受ける機会が少ない
- 退職金や賞与がない(あったとしても正規社員より劣る)
- 昇格の概念がない
- 昇給がしにくい
- 福利厚生が正社員に比べ劣る
いかがでしょうか。上記一覧ではやはり正社員よ劣る部分が多く見受けられます。時間的余裕や融通が利く分、正社員のように充実した制度や恩恵を受けられない傾向があります。あなたにとって何が優先度が高いのか、優先順位に応じて雇用を選択する必要があります。
雇用形態による待遇の違い <表で解説>
雇用形態 | 給与形態 | 雇用保険 | 健康保険 | 厚生年金 | 労災保険 |
---|---|---|---|---|---|
正社員 | 月給 | ○ | ○ | ○ | ○ |
契約社員/嘱託社員 | 月給or日給 | ○ | ○ | ○ | ○ |
パートタイマー | 時給 | △ | △ | × | ○ |
アルバイト | 時給 | △ | △ | × | ○ |
派遣社員 | 時給 | ○ | ○ | ○ | ○ |
上記が雇用形態ごとの待遇の違いです。ここで見ると「正社員」「契約社員/嘱託社員」「派遣社員」についての待遇の違いは大きくは見受けられません。雇用保険は週20時間以上の労働、社会保険全ては週30時間以上の労働時間を超える場合、加入必須になりますので、労働時間によって違いがあります。
また、フリーランス(自営業)や業務委託契約で就業している人もこの限りです。社会保険関係は加入の規定がありますので、フリーランス(自営業)業務委託者とはいえ、就業実績に応じて加入対象となるのは知っておく必要があります。
雇用形態まとめ
雇用形態には正規雇用・非正規雇用の区分があり、それぞれに待遇や時間的格差や待遇格差、違いがあります。働き方改革の推進によって今後様々な働き方が出てくると予測される中で、自身のライフスタイルや生活の収支に合った働き方を選択していくことをおすすめします。
この記事のライター
Ryokin
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