人件費って一体何?意外と知られていない人件費の勘定項目とは?!
会社を経営する上でとても重要な人件費。そもそも論ですが、人件費って何?ということで解説してみたいと思います。この記事では「人件費って一体何?意外と知られていない人件費の勘定項目とは?!」について紹介しているので、経営について興味のある方は読んでみてください。
そもそも人件費とは?
人件費とは、従業員に支払われる給料やボーナス、各種手当などのことです。
毎月もらえる給与や半年に一回もらえる賞与はイメージしやすいですが、実は給与以外にも人件費があります。
たとえば、退職金や社会保険料の企業負担分、慶弔金などの福利厚生費などがそうです。
社宅費など雇用によって発生する費用も人件費です。
健全な経営を行うには、人件費の知識が必要になってきます。
社会保険料などの福利厚生費は絶対に外せないので、人件費の仕組を把握しておかないと経営が傾くかもしれません。
人件費の勘定項目
人件費について自信あるって人は少ないと思います。
誰かに「給与手当と役員報酬の違いは?」と聞いてみてください。
「え?聞かないで聞かないで。給与手当と役員報酬の違い?待って待って、昼飯行こうぜ!」ってなりますから。
「いいから、いいからそんな硬い話すんなよ。どうした?」ってなると思います。
そんな人件費の勘定項目について、簡単にご紹介したいと思います。
人件費の勘定項目①給与手当
人件費の勘定項目には給与手当があり、毎月支払う給与と各種手当が該当します。
具体的には基本給をはじめ残業手当や家族手当、ボーナス、通勤手当、もしくは社宅費です。
パートやアルバイトの給与は「雑給」として処理される場合もありますが、基本的には給与手当に含まれます。
人件費の勘定項目②役員報酬
役員や監査役に支払われる報酬が役員報酬です。
特定の役職者に支払われる賃金で、従業員の給与手当とは区別されます。
役員報酬を決める際は、定款の規定もしくは株主総会の承認が必要です。
役員には各種手当金はありません。
役員は労働契約ではなく、委任契約だからです。
もちろん役員であっても各種手当金をもらっているケースがあります。
取締役営業部長であっても、営業部長としても勤務する場合は人件費として扱うからです。
人件費の勘定項目③福利厚生費
福利厚生費とは、福利厚生を目的として会社が支払う経費のことです。
・社員旅行
・結婚、出産祝い金
・弔慶金
・冠婚葬祭費
・社宅費etc…
上記の福利厚生費は、会社の裁量で支給したり支給しなかったり、自由にコントロールすることができます。
反対に福利厚生費の中には、コントロールできない法定福利費というものがあります。
・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険
・社会保険費用
法律で「労災保険などの費用を、一部または全部払いなさい」と会社に義務付けられているからです。
法律で決められた料率に乗じた金額を支払う義務があるので、会社は保険料率を削減したりなどのコントロールはできません。
人件費の勘定項目④退職金
退職金とは、退職時に支払われる賃金のことです。
退職金制度には法的拘束力はありません。
なので経営不振など会社存続の危機であれば、退職金が削減されるということも考えられます。
そうじゃんければどの会社も退職金制度があるはず。
退職金については、会社の就業規則で決まっている場合が多いです。
人件費の種類
人件費の種類は下記の2種類に分けることができます。
・現物給与総額
・現物給与以外
人件費の種類①現物給与総額
毎月支払われている給与や賞与を合計しとものです。
所定内賃金や所定外賃金、賞与・一時金があります。
所定内賃金と所定外賃金
所定内賃金とは基本給のことです。
一方、所定外賃金とは残業や休日出勤したときに支払われる賃金です。
所定外賃金は所定内賃金をもとに計算するため、所定内賃金と連動して変化します。
たとえば昇給で所定内賃金を上げると、同じように所定外賃金も上がります。
どんどん昇給させていると「新規採用してないのに、人件費がすごい高くなってる!」となりかねないので、慎重に昇給を考えましょう。
賞与・一時金
賞与や一時金も所定外賃金と同様に、所定内賃金と連動しています。
基本給の2か月分がボーナスと言われるように。
所定内賃金が上がると賞与も上がります。
毎月の給与と賞与の合計金額が現物給与総額でした。
次は現物給与以外の人件費をみていきます。
人件費の種類②現物給与以外
現物給与以外の人件費は以下です。
・退職金費用
・法定福利費
・法定外福利費
・人材採用費&教育研修費
退職金費用
退職金の算出方法は、就業規則や退職金規程で決定められています。
会社の経営者や人事担当者もしくは予算管理者は、これから高齢化社会で退職者が増えるので、自社の退職金規程や退職金制度を確認しておくのがよさそうです。
法定福利費
人件費の中で大きな割合を占めているのが法定福利費です。
健康保険や厚生年金保険、介護保険のような社会保険料と、労災保険や雇用保険などの労働保険に対する事業主負担分が法律で決まっています。
これらの保険料の一部または全額を、会社が負担しなければいけません。
法定外福利費
法定福利費に対して法定外福利費と呼ばれている人件費があります。
会社が任意で支払っている賃金で、多種多様な種類があります。
・社員旅行
・冠婚葬祭費
・社宅費
・社員食堂
人材採用費&教育研修費
人材採用費&教育研修費も人件費として扱うことができます。
人件費で計上しない企業もあるかもしれませんが、広く解釈すれば人材採用費&教育研修費は人件費です。
経費の使用目的を把握し、経費になるかならないかを見極めましょう。
人件費率の改善方法
もし経営不振に陥ったら?きっと不安で夜も眠れません。
新型コロナの影響で莫大な損失を出した会社も多いですよね…。
そんなとき真っ先に目がいくのが支出です。
支出のうちかなりの割合を人件費が占めていた場合の改善方法をご紹介します。
人件費率の改善方法①売上高を上げる
単純に収入を増やすという方法です。
支出が多いのであれば、それ以上に収入を増やそう!という考え。
業績を伸ばすために事業を拡大するために海外進出するとか、社内ベンチャー制度で新規事業を立ち上げるなどが具体的な改善方法になってくるかと思います。
新しいことにチャレンジというと聞こえはいいですが、失敗するリスクが付きまとうのであらゆる可能性を考慮しておくと安心です。
人件費率の改善方法②早期退職者を募る
早期退職者を募って人件費を抑えましょう。
トヨタ社長の発言によると「終身雇用難しい…。」とのこと。
早期退職者を募るのが当然の時代がやってくるのかもしれません。
日本の借金は1100兆円あります。
2050年には3人に1人が65歳以上です。
医療費増加、年金財政圧迫。
近い将来、社会保険料が上がる未来が見えてきませんか。
法律で定められている法定福利費は減らせません。
なので「早期退職者を募集」「法定外福利費を削減」「人材採用数を抑える」「賃上げや賞与を抑える」「昇給を抑える」というのが人件費を抑える現実的な方法になりそうです。
人件費まとめ
人件費について網羅的に説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これからの日本は借金がある状態で、働き手が少なくなります。
現在のGDPは2位ですが、もしかしたら給料削減の嵐で貧しい国になるのかもしれません…。
ですがもしかしたら、安宅和人さんが書いた書籍「シン・二ホン」にあるように、産業革命後のような爆発的な成長を遂げるのかもしれません。
この記事のライター
松田佳祐
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