今さら聞けない!コンプライアンスの意味とその違反事例とは?実際のコンプライアンス違反に対する対策・対処法も公開!
「コンプライアンス」とは不正会計や個人情報流出などさまざまな意味で使われるため、それぞれの事例に対処することはかなり難しいと言えます。 この記事では実際のコンプライアンス違反の事例を交えてコンプライアンス違反の対応策・対処作を解説していきます。
コンプライアンスの意味とは?
コンプライアンスとは「法令遵守」を意味します。
大企業はもちろん、中小企業であっても社会の一員なので法令を遵守するのが大前提です。
しかし、ビジネスにおける「コンプライアンス」の意味はもっと広く、企業モラルや倫理観、社内ルールなどの意味も含まれています。
「コンプライアンス違反」とはそれらに違反した行動に対して使いますが、具体的には不正会計や顧客の個人情報流出、労働環境などの労使問題といったものがあります。
この記事ではコンプライアンス違反の事例を交えながら、コンプライアンスの意味と対応・対処方法を解説していきます。
コンプライアンス違反の事例
以下では実際に起きたコンプライアンス違反の企業の事例を交えて解説していきます。
共通して言えることは不正や企業モラルに反した行動をして利益やメリットを受けたとしても、それらはあくまでも一時的なものであるということです。
一度発覚してしまうと、消費者や株主、行政、マスコミなどから徹底的に追求・バッシングされたり企業イメージの悪化、企業価値の低下といったデメリットによる反動が大きすぎます。
よってコンプライアンスはしないほうが良いと言えるでしょう。
コンプライアンス違反の事例①不正会計
バブル崩壊から続く不況は「失われた30年」とも呼ばれていますが、今後もこの不況が続くと予測されています。
不況が長引くにつれて増えたのが不正会計。
企業価値を維持したり高めたように見せかけるため、損失を隠したり、粉飾決算を行い黒字であるかのように情報を公開します。
最近では東芝の組織手な不正会計が話題になりました。
東芝は2015年に2,250億円以上の利益水増しをしていたことが、2016年にはアメリカでの原発事業に巨額の損失があったことが、2020年には子会社の架空請求が発覚しています。
不正会計が判明してから内部統制を強化していますが、完全に不正会計を排除するには時間がかかるようです。
コンプライアンス違反の事例②個人情報の流出
情報化社会に突入し、さまざまなサービスに個人情報を登録することが多くなりました。
企業にとっても顧客の個人情報は資産になるため守ろうとしますが、一度流出すると信用問題に発展します。
2014年に発覚したベネッセの顧客情報流出事件では業務委託先として働いていた派遣社員がデータを社外に持ち出し売却しました。
ベネッセは被害者ともいえる立場でしたが、顧客に対して見舞金を支払ったりと多額の損失が発生しました。
コンプライアンス違反の事例③労働問題
いまや「ブラック企業」「ブラックバイト」といった言葉がすっかり市民権を得てしまいました。
本来であればそういった企業・職場は淘汰されるべきですが、長時間労働やハラスメント、不正解雇があとを絶ちません。
記憶に新しいのは、電通の女性新入社員の過労による自殺問題。
企業としては業績アップ、コストカットのために長時間労働、不当解雇を行うようになりましたが、その結果業績やイメージの悪化につながります。
労働問題は従業員だけでなく、就活生の間でも注目されています。
誰だって「ブラックな職場で働きたくない!!」というのが本音でしょう。
労働者側と企業側でトラブルが起きているなら優秀な人材は確保できないと考えておいたほうが良いでしょう。
コンプライアンス違反の事例④食品問題
生きていく上で欠かすことのできない「食」。
だからこそ世間の注目度は高いです。
食品に関するコンプライアンス違反といえば、主に「偽装問題」と「食品衛生管理問題」があります。
産地や消費期限・賞味期限を偽装すると食の安全性やブランド、信頼性を一気に落としかねません。
産地偽装と原材料偽装、賞味期限の偽装を行った船場吉兆は倒産に追い込まれましたし、必要な作業をしていなかったことで、5人の死者と100人以上の被害者を出した食中毒事件を起こしたフーズ・フォーラスは廃業になりました。
コンプライアンス違反を起こさない対策法とは?
コンプライアンスを遵守させ、コンプライアンス違反を起こさないためには以下の対策が必要になります。
コンプライアンス違反を起こさない対策法とは?①社内ルールの共有
あらかじめコンプライアンス違反になりうる不正や企業モラル違反などを各事業所・各部署ごとに洗い出し、明文化された社内ルールを策定します。
社内ルールを全従業員に共有・周知させ、本当にコンプライアンス違反がされていないか専門部署・チームがチェックもしていきます。
コンプライアンス違反を起こさない対策法とは?②コンプライアンス違反に対するチェック体制
社内のコンプライアンス案件を一括で担当する専門部署・チームをトップ直属の位置づけで立ち上げます。
一度コンプライアンス違反が発覚すると、損害、損失がかなり大きなものになりますし、他部署からの影響力を最小限にするためです。
専門チームは社内ルールの策定や更新、コンプライアンス関連の各種書類の管理、コンプライアンス教育の実施を行いますが、従業員からの相談や報告窓口として部署外からのチェック・監視が必要です。
コンプライアンス違反をしないように伝えても、従業員個人個人の判断と倫理観に依存されるからです。
コンプライアンス違反を起こしてしまった際の対処法とは?
予防策としてコンプライアンス対策を行いますが、完全に防ぎ切ることは難しいです。
以下では起きてしまったコンプライアンス違反に対して実際にどのようにして対処していくのか解説していきます。
コンプライアンス違反を起こさない対策法とは?①スピーディーに対応して被害者を減らす
コンプライアンス違反が判明したときは解決に向けていち早く行動することが最優先です。
コンプライアンス問題が外部に漏れておらず、社内の一部の人間だけが把握しているなら、情報をコントロール・調査し、自分たちで第一報を発信していきます。
もしも記者会見などの情報発信よりも早く社外に漏れたときは、たとえ調査中であっても隠蔽を疑われます。
よって、社内でのみ判明したときはいち早く行動して公表するのがベストです。
コンプライアンス違反の内容によっては被害者がドンドン増えていくことも考えられます。
マスコミに公表されてからコンプライアンス違反に対応するよりも早く行動することで被害者の増加を抑えていきます。
コンプライアンス違反を起こさない対策法とは?②慎重な関係者の処分
コンプライアンス違反に問われた人物に対して適切な処分を行います。
法令に違反していないからという理由だけで、処分なしにするのは社会的なけじめを果たしていないと思われても仕方がありません。
注意していただきたいのは、「当事者だったから」といって早々に処分してしまうこと。
さらに上の人間を守るためにトカゲの尻尾切りにされたと世間は判断します。
これでは社内の士気にも関わり、企業イメージもダウンします。
調査委員会を設置し、外部の弁護士といった第三者に慎重で公正な判断をしてもらわなければなりません。
コンプライアンス違反事例まとめ
この記事ではコンプライアンスについて解説してきました。
一言でコンプライアンスと言ってもさまざまな意味・使い方があり、問題も多岐にわたります。
専門チーム・部署が一括で担当してコンプライアンス違反を防いだり対策にあたるようにします。
この記事のライター
U11
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