インセンティブ制度の特徴と具体的な例とは?社員のモチベーションが下がるリスクもある?!
社員のやる気を上げ、企業の生産性を高めることで知られているインセンティブ制度ですが、皆さんはその特徴や導入する際の注意点などは理解できていますか?今回は、あまり理解できていないという方のために、インセンティブ制度の具体的な特徴を中心に徹底解説していきます。
インセンティブ制度とは?
企業で働いている方であれば一度は耳にしたことがあるであろうインセンティブ制度ですが、この制度は、導入することで社員のモチベーションを上げ、企業の生産量や業績を上げるための重要な制度のひとつです。
後ほど説明しますが、インセンティブ制度と言っても、その具体例は様々で、企業によって実施する内容は異なります。ただ、高い成果に対して従業員にとって報酬となるものを企業が与えると言う面では、実施内容が違えど目的は同じと言えます。
インセンティブ制度導入の具体的な例
それでは早速、インセンティブ制度として導入される具体的な内容の例についてみていきましょう。先ほども説明しましたが、それぞれ実施する内容は異なりますが、社員のモチベーションを上げ、企業の生産量を高めるため、社員の高い成果に対して報酬を与えることに関してはどれも共通しているので、その大枠の目的を頭に入れつつ、それぞれ比較してみてください。
インセンティブ制度導入の具体的な例① 企業に対して好業績を収めた社員に対する特別休暇
インセンティブ制度の具体的な例として最初に挙げられるのが、好業績を収めた社員に対する特別休暇です。中には、最長で1年間の休暇を与える企業もあり、当然社員はその休暇を得ようと、今までよりもさらに積極的に業務に取り組んでくれます。
ただ、企業にとって無理のある休暇期間を与えてしまうと、企業が損をしてしまうことになってしまうので、企業にとって負担とならない程度で社員に対して特別休暇を与えると良いでしょう。
インセンティブ制度の具体的な例②賞与の変動
インセンティブ制度を導入していない企業の場合、賞与は事前に決められており、賞与が変動するということはあまりありません。ですが、この制度を導入して成果に応じて賞与を変動させるスタイルで実施すれば、賞与は個々の成果に適した金額で与えられるので、社員間の格差はできてしまうものの、社員に対して正当な評価をくだすことが可能となります。
もし、完全に成果に応じて金額が変動するのが合わなければ、賞与の一部を成果によって変動させるなど、部分的なインセンティブ制度もできますので、完全実力主義は導入したくないという方は、このようなやり方がおすすめです。
インセンティブ制度の具体的な例③社内表彰制度
インセンティブ制度による報酬は、金銭や休日だけではありません。企業によっては、社内表彰式を好業績を収めた社員に対して行うという企業もあります。一見、あまり社員にとって報酬とはならないようにも思えますが、社内全体で式を行うので、周囲からの賞賛などで自尊心を高めさせ、さらなるモチベーション向上へと繋がることができるのです。
ただ、あまり賞賛されない社員が後々出てきてしまい、徐々にモチベーションが低下してしまう可能性もあるので、その都度対策を早急に行うと良いでしょう。
インセンティブ制度のメリット
このように、インセンティブ制度には様々な実施スタイルがあり、どれも高い業績を収めた社員に対する報酬を与える、いわば実力主義の制度とも言えます。ここからは、そんなインセンティブ制度を導入するメリットについて解説していきます。
インセンティブ制度のメリット①偏りのない実力に対する正当な評価
通常であれば、業績を上げたとしてもこれといって特別な報酬等は得られておらず、成果を上げている社員に対して正当な評価をしているとは言えません。そこで、このインセンティブ制度を導入することによって、実際に成果を上げた社員に対して特別な報酬を与えることになるので、正当に評価することができるのです。
このように、偏りのない評価をすることによって、社員が評価に対して不満を持つこともなく、評価面では平等な環境を社員に提供することができます。今まで実力に対してこれといって特別な報酬等は与えていなかったという企業は、一度インセンティブ制度の導入を検討してみてはいかがでしょう。
インセンティブ制度のメリット②社員のモチベーション向上
先ほど、インセンティブ制度を導入することによって正当な評価ができると述べましたが、この制度で報酬を与えられた社員のモチベーションは向上し、より成果を上げるため業務に対する意欲も高まります。
さらに、成果があげられていない社員でも、成果を上げれば特別な報酬が与えられますので、全ての社員が一時的ではありますが、モチベーションを高め、業務をより積極的にこなすようになるので、企業にとっても、社員にとっても嬉しい制度とも言えますね。インセンティブ制度はこのようなメリット以外にもまだまだ利点はありますし、制度の使いようによってはさらなる業績向上が期待できるので、ぜひこのインセンティブ制度を導入してみてください。
インセンティブ制度のデメリット
インセンティブ制度を導入することで、ここまで述べたようなメリットが得られますが、当然メリットしかない制度というのは存在しません。インセンティブ制度にも、「悪い面」というものもありますので、実際に導入する前にこの悪い面を確認していきましょう。
インセンティブ制度のデメリット①人間関係の崩れ
インセンティブ制度は、いわば実力主義の制度でもあるので、どうしても個人個人で格差というものが表れてきてしまいます。これにより、インセンティブ制度を導入する以前は仲睦まじい親密なグループだったにも関わらず、互いをライバルとして見てしまうので、人間関係が特にぎくしゃくしてしまうのです。
このようなリスクを避けるためには、日頃から互いの成果を尊重し合い、あくまで企業の生産量を高めるという共通した目標を持っている仲間であるということを自覚させることが必要となります。もし、人間関係でトラブルが生じてしまった際は、今一度仲間意識を社員全員に持たせると良いでしょう。
インセンティブ制度のデメリット②社員のモチベーション低下のリスク
インセンティブ制度のメリットとしてモチベーションの向上を挙げましたが、これとは逆に、モチベーションが低下してしまうリスクがあることもデメリットとして挙げられます。
というのも、インセンティブ制度は、成果そのものに焦点を当てて報酬を与えるためのものですので、社員の努力に対しては報酬は与えられません。ですので、努力すれば必ず報酬が得られるというわけでもなく、成果があってこその報酬ですので、いつまで経っても成果が上がらずに報酬が与えられないと、いくら最初にやる気があったとしても、社員のモチベーションは徐々に下がっていってしまうのです。
インセンティブ制度まとめ
ここまで、インセンティブ制度の具体的な実施内容やメリット及びデメリットといった特徴について解説していきましたが、ある程度はこの制度に関して理解できましたか?インセンティブ制度は、社員のモチベーションを高めると共に、企業の生産量を高めるために、社員の高い成果に対して正当な報酬を与えるといういわゆる実力・成果主義的な制度ですが、企業が得られるものや社員が得られるものはより大きなものとなります。
もちろん、インセンティブ制度は全く悪い面がないというわけではなく、社員間の格差などが生じてしまうリスクもあるので、それぞれの問題点に対する適切な対策を事前に練っておくと良いでしょう。
この記事のライター
鈴木健太
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