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スキルマップとは?目的と活用するメリット・デメリットを解説

スキルマップという言葉は聞いたことがあるでしょうか?スキルマップとは、各部門での項目別にスキルを可視化するためのものです。 スキルを可視化することで、どんな役割を果たしているのか、作成するときにどのような手順を踏めばいいのかを理解していきましょう。

スキルマップとは?目的と活用するメリット・デメリットを解説

目次

  1. スキルマップとは?
  2. スキルマップを活用する目的
  3. スキルマップを活用するメリット
  4. スキルマップを活用するデメリット
  5. スキルマップの作成手順
  6. スキルマップの作成に使えるテンプレート
  7. スキルマップまとめ

スキルマップとは?

スキルマップとは、従業員の各個人のスキルを可視化して、一覧表やリスト化したものです。

従業員の名前を縦軸にスキルを横軸にするなど、各従業員のスキルを一目で分かる様にすることで、仕事の担当を誰に任せるかを適切に判断できるようになります。

また、足りない能力を把握することで、足りない能力を育成させるための研修を受けさせるなどの対応もできます。

スキルマップを作ることで、従業員の能力を確認することができ、足りない能力を伸ばしたり、任せたい業務を遂行するのに、誰が適した能力を持っているかを適切・素早く判断することができます。

スキルマップを活用する目的

スキルマップを活用する目的は、以下の3つがあります。

  1. 各従業員のスキルの可視化
  2. 人材の採用や育成を適切に行うことが可能
  3. 従業員自身足りない能力の把握・改善ができる

各項目について詳しく見ていきましょう。

スキルマップの目的①各従業員のスキルの可視化・グラフ化

縦軸に従業員の名前、横軸にスキルなどを羅列すれば各従業員のスキルが可視化できます。

接客業であれば、「接客」「商品知識」「クレーム対応」。

営業であれば、「顧客獲得能力」「目標達成力」「企画力」などのスキルを数字化することで誰がどのような能力を持っているのかが分かるようになります。

グラフ化することで、さらに簡単に把握できるようになるでしょう。

個人個人の力量に合わせて、チームを作成する場合であっても、チームごとの力量の差が大きくならずにバランスよく作成することも可能です。高難度の仕事であった場合、それを達成するための特化したチームを作成することも可能です。

スキルを可視化・グラフ化することで、各個人の力量を把握することも可能で、それによって任せる仕事であったり、仕事のチームを構成するにしても迷わずに行えるようになります。

スキルマップの目的②人材の採用や育成を適切に行うことが可能

スキルマップを作成することで、従業員の能力やスキルが確認できますので、足りない能力を育成したり、その足りない能力を持った人材を採用することで、会社全体の業務効率の向上や業績アップが望めます。

「接客」が弱いと思えば、新卒や中途採用をするときに明るく話しやすい、コミュニケーション能力が高い人を採用する。

「商品知識」が乏しいと思えば、接客や営業を行なっている人に、商品を製造している工場やメーカーに行って情報を収集してもらう。

このように、個人の弱い能力を改善したり、会社全体として足りていない戦力を採用で補うことができます。

スキルマップの目的③従業員自身足りない能力の把握・改善ができる

スキルマップを従業員に見せたり、公表したりすることで、従業員自身が自分の能力の強み・弱みに気づくことができます。

その結果強みを生かしたり、弱みを改善する様に仕向けることができます。

足りないとわかった従業員は自ら、その能力の高い人に教えてもらうこともできますし、逆に能力の高い人が能力の低い人にレクチャーしてあげることも可能です。

また悪い部分にしか目に行かなかった人にも、「この様な能力を持っているんだ。」と自分で自信を持つことや他の人からの評価も得ることができるので、仕事へのモチベーションも向上することでしょう。

スキルマップは、上司や経営者が個人能力を把握するためのものだけでなく、自分自身の能力に気づくキッカケとすることもできます。

スキルマップを活用するメリット

スキルマップを活用するメリット①企業の強い弱いところがわかる

従業員のスキルが一つ一つ分かるので、企業全体の強みや弱みを把握することができます。

ITのエンジニアでも「開発」や「企画」などバランスの取れた従業員もいれば、「戦略」などの分析思考に特化したITエンジニアがいます。そういった物を全て集約したものがスキルマップになるので、企業全体のスキルの偏りやバランスを知ることができます。

スキルマップを活用することで、従業員個人個人のスキルや特性を把握できるだけでなく、結果として企業全体のスキルや不足している箇所を発見できます。

スキルマップを活用するメリット②従業員の効率的なマネジメントができる

従業員個人の「営業力」や「開発」などに向いているという判断が可能なので、従業員を営業やITエンジニアなど適性がある場所にマネジメントがすることが可能です。

「〇〇さんの持ってくるデータをグラフ化したシートやシートの作り方が分かりやすいな」と気づいて、スキルマップを確認したら「分析力」や「問題解決能力」が高いことが分かったとします。

そうした場合、仮にITエンジニアの△△さんのシートの作り方やグラフ化したシートの作り方が好ましくなかった場合、〇〇さんにレクチャーしてもらって、その点を改善することが可能です。

スキルマップは、会社の業績を向上させるための改善や強みを生かした戦略を経営するためにも役に立ちます。

スキルマップを活用するメリット③社員を正確にシステムの中に導入できる

あるプロジェクトやシステムを構築しようとなったときに、チームを構築したり、リーダーを決めたりすると思います。

仮にITエンジニアでシステム構築のプロジェクトチームを構築するとなったとしたら、そのプロジェクトに適したチームの構築やリーダーを選ぶ必要があります。

そうした時に、「統率力」や「管理能力」などを見て、プロジェクトに適任の人物を選択することができます。

新たなシステムを構築するときに、どの人をリーダにするか、どのITエンジニアを選択するべきかなど悩むことがあると思いますが、スキルマップがあればシステムに適した人物を正確に導入することができます。

スキルマップを活用するデメリット

スキルマップを活用するデメリット①スキル項目や内容の設定に時間がかかる

スキルマップの作り方として、デメリットになってくるのがスキル項目や内容の設定に時間がかかってしまうことです。

スキル項目や内容は、大まかなテンプレートはありますが、自社独自のスキルなどはありません。そのため自社で測定したいスキル項目がある場合は、その項目を考えシート上に記載していかなければなりません。

自社独自の新たな項目を作成するとなると業務内容などからしっかりと把握しなくてはならず、リサーチや発想に多くの時間がとられてしまうというデメリットがあります。

スキルマップを活用するデメリット②従業員の個人のレベルや能力を把握する必要がある

従業員個人のスキルを判定して、グラフ化したり、シート作成をするには、一人一人の能力やスキルをしっかりと見定めなければなりません。

そのため、スキルマップを作成する人がその人のことを判定し理解したり、そのために上司や同僚などに評価を聞いて回ったりする必要があります。大人数になればなるほど、その時間が多くかかってしまうのが大きなデメリットの一つといえます。

ただ、これはスキルマップを自分自身で作成してもらうなどの作り方を行えば、緩和することができます。

従業員それぞれのスキルをグラフ化やシートとして可視化できるものではありますが、そのスキルを判定するのが、人ということで大きな時間がかかってしまうのはデメリットになります。

スキルマップを活用するデメリット③スキルマップの管理が難しい

スキルマップを作成し終えた後も、従業員が新たに能力を身につけたり、「営業」で新たに「IT商品」を販売することになったりしたら、スキル項目に新たに「IT知識」などを入れ込んだり、従業員に対する評価を改めなければなりません。

また評価する人を変えてしまうと評価の軸が大きく変わってしまうことになりますので、評価する人を固定したり、評価する基準を定めたマニュアルなどを完備したりすることが必要となってきます。

その都度、新たなスキルを設定したり、従業員のことを見ていかなければならないので、管理するのが難しいというデメリットがあります。

スキルマップの作成手順

スキルマップの作成手順①自社の業務内容のスキル項目を設定する

スキルマップの作り方として、自社の業務内容にあったスキル項目を設定する必要があります。

「エンジニア」や「営業」など大まかなテンプレートはありますが、自社に適したスキル項目を設定しなければ、効力を発揮しません。

業務内容をごとに分類して、その中の作業項目を作成していくことが必要です。どれくらいの細かさで分類していくのか、内容をどうするのかを考えていかなければなりません。

スキルマップで自社の従業員の能力を適正に判断するためにも、独自のスキルマップを設定していくことが大切です。

スキルマップの作成手順②スキルの評価方法を決める

スキルの評価方法を数字にするか英語表記にするか、○×などの図形などで評価するかを決めなくてはなりません。

基本的に数字表記を行なっている場合が多いです。数字でどれだけのスキルを持っているのかを分かりやすくするだけだなく、そのまま合計値を出したりなどの計算も可能だからです。

どのように従業員のスキルを表示するかをスキルの合計の算出なども考えて行なっていく必要があるでしょう。

スキルマップの作成手順③スキルマップを作成・管理する人を決める

スキルマップの作成・管理する人を決めなくてはなりません。

直属の上司に作成や評価をしてもらうことが多いですが、従業員自身でスキルマップを作成することもあります。

ただ、客観的な視点があって、スキルは正当に評価されます。従業員自身に評価をしてもらったとしても、第三者(上司)などが再度確認し、評価を訂正するなどの行動が必要となってくるでしょう。

上司にスキルマップを作成・管理してもらう、従業員自身にスキルを評価してもらうにしても正当な評価をできるような仕組みを作ることが大切になってきます。

スキルマップの作成に使えるテンプレート

スキルマップの作成に使えるテンプレートは、厚生労働省の「キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード」で職種や種業別にダウンロードできます。

厚生労働省「キャリアマップ、職業能力評価シート及び導入・活用マニュアルのダウンロード」

スキルマップのテンプレート①IT関連テンプレート

氏名

システム管理

企画

Webサイト制作・管理

システム企画

〇〇〇〇

2/5

3/5

〇〇〇〇

4/5

5/5

〇〇〇〇

3/5

4/5

〇〇〇〇

2/5

2/5

スキルマップのテンプレート②エンジニアのテンプレート

氏名

設計

問題解決能力

アプリケーション開発

バグ対処

〇〇〇〇

×

〇〇〇〇

×

〇〇〇〇

×

〇〇〇〇

スキルマップのテンプレート③営業のテンプレート

氏名

顧客対応力

知識

クレーム対応

商品知識

〇〇〇〇

A

C

〇〇〇〇

C

B

〇〇〇〇

B

A

〇〇〇〇

D

D

スキルマップまとめ

スキルマップの作り方やグラフ化することでの、メリットなどが分かったのではないでしょうか。「営業」などの部門別のスキルマップの作り方をどのようにするのか?など疑問点はあると思います。

ただ、作成には時間がかかるかもしれませんが、作成することで従業員の能力を把握でき、会社全体の力量を知ることもできます。力量を活かしたり、改善することも可能になります。また、作成したスキルマップをグラフ化したりするなどの工夫を行えば分かりやすくなるでしょう。

スキルマップは、自社の業績や能力を向上させていくときにも必ず役に立ちます。ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

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横山 峻己

この記事のライター

横山 峻己

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