契約書における印鑑の押印位置や注意点を徹底解説
契約書では、様々な種類の印鑑が必要とされ、それぞれの用途などを十分に理解していなければなりません。本記事では、そんな契約書で必要とされるそれぞれの印鑑の用途や押印する位置及び押印する際の具体的な注意点についてご説明していきます。
契約書に押す印鑑は何がいい?
契約書に認印やシャチハタは使えるのか?
さて、まずは法人と法人もしくは個人と法人との間で用いられる契約書に押す印鑑についてご説明します。印鑑は大きく分けて実印、銀行印、認印の3種類に分けられます。基本的には、契約書に押印する際この中の実印を使用します。ただ、契約書によっては実印ではなく、朱肉を使用する認印でも問題なく使用できる場合があります。しかし、朱肉を使用しないシャチハタは使用はなしとされるケースがほとんどです。
どうしてもシャチハタを使用したいという方は、実際に押印する前に、一度シャチハタが使用できるかどうかを確認すると良いでしょう。
契約書に押す印鑑の種類
契約書に押す印鑑①割印
契約書に必要となる印鑑のひとつである割印。割印とは、契約書が1枚ではなく、2枚必要となる際に、その2枚の契約書が関連あるものであることを示すものです。契約書が1枚のみもしくは、関連性のない契約書には割印は必要ありません。
これからご紹介する「契印」と似た内容かつ押印位置も間違ってしまうケースが多々あるので、割印と契印の内容及び押印位置はしっかりと理解しておいてください。
契約書に押す印鑑②契印
一方、契印とは1つの内容の契約書が複数枚になる際に、内容が連続していることを証明するものです。先程説明した割印と少々似たような内容ですが、契約書に関連性を示すものと1枚の契約書がページをまたいでいることを示すもので、やや用途が異なります。
契約の「契」という文字があるため、契約書の署名のようなものだろうと勘違いしてしまう方も中にはいますが、繋がりがあるという意味がこの字に込められているので、用途を間違わないよう十分注意してください。
契約書に押す印鑑③訂正印
おそらく他の書類でも用いられることが多いであろう訂正印。この訂正印とは、契約書の文に誤字がある際、それを訂正したということを証明したものです。また、他者ではなく作成者自らが契約書を訂正したということを同時に証明する役割もあります。文中で誤字や脱字等を見つけた場合は、この訂正印を正しく使用しましょう。
契約書に押す印鑑④捨印
捨印とは、契約書に誤字があった時のために、事前に訂正印として押印するものです。用途としては訂正印と変わりませんが、訂正箇所が最終的になかった際、ただ見栄えを悪くしてしまったり、他者に悪用されてしまったりしてしまうのであまり捨印の使用はお勧めしません。
なお、押印位置はこれからご紹介しますが、余白部分に押印するため、全体的に圧迫感のある契約書となってしまうので、読みづらい書類に仕上がってしまいます。
契約書に押す印鑑⑤消印
消印とは、収入印紙など金額の書かれた紙が使用済みであることを証明するものです。これにより、その書類などの再使用を未然に防ぐことができるので、収入印紙や切手などを貼る際は、この消印を使用してください。
なお、この収入印紙などを貼り忘れてしまうと、最悪の場合罰金刑となってしまうので、必ず印紙税を収めたことを示すこの収入印紙を貼ってください。
契約書に押す印鑑の押印位置
契約書に押す印鑑の押印位置①割印
契約書の関連性を示す割印ですが、押印する位置は特に決まっておりません。基本的には、2枚の契約書に丁度印鑑が分かれるように押印します。そのため、明らかに片方の契約書にだけ偏っていたりすると、その関連性が証明しづらくなってしまうので、実際に押印する際は偏りなくしっかりと押印してください。
契約書に押す印鑑の押印位置②契印
割印は特に押印位置は決められていませんが、契印は1枚目と2枚目の契約書の境目に押印します。これにより、1枚目と2枚目の契約書が連続した契約書であることを示してくれます。
なお、割印同様にどちらかに偏って押印してしまうとその契約書が連続したものという証明がされない可能性があるので、どちらかに偏ったり印鑑が薄くならないよう注意してください。
契約書に押す印鑑の押印位置③訂正印
割印同様、誤字のある箇所を訂正したということを証明する訂正印の押印箇所は特に決められていません。当然ながら訂正する箇所は作成する前から分かっているわけでもありませんし、訂正印用の枠などは契約書には設けられていません。そのため、押印する際は、誤字を訂正した箇所にだけ押印してください。
契約書に押す印鑑の押印位置④捨印
最終的な役割は訂正印と同様の捨印ですが、こちらも特に押印位置は定められていません。基本的には、余白の多い契約書の右上部分に押印しますが、捨印ありの契約書よりかは、捨印なしの契約書の方が見栄えもよく、リスクも抑えられるので、極力捨印は使用しないようにしましょう。
契約書に押す印鑑の押印位置⑤消印
収入印紙や切手が使用済みであることを示す消印ですが、こちらも特に正式な押印位置は決められていません。ただ、実際に押印する際は、印鑑が収入印紙と契約書に分かれるように押印します。この消印を押し忘れてしまうと、収入印紙や切手を他者に再利用されてしまう可能性があるので、押印し忘れないよう十分注意してください。
契約書に印鑑を押す際の注意点
契約書に押印する際に注意してほしいのが、契約書の誤字脱字です。誤字脱字があったとしても特に問題なしと考えてしまう方もいるでしょう。しかし、契約書というのは法律に直接関わるような重要な書類です。相手が契約の内容に反した行為を行った場合、法的処置が下されてしまいます。
そのため、契約内容自体が間違っていた場合、あらゆるトラブルが起きてしまうので、実際に押印する前に必ず誤字脱字を確認しましょう。
契約書に必要な印鑑まとめ
ここまで契約書に押す印鑑の種類や実印及び認印を押印するについて説明しました。印鑑の種類の中でも、割印と契印が特に間違いやすいので、法人個人どちらもそれぞれの用途をしっかりと確認してください。また、捨印を使用してしまうと全体の見栄えも悪くなり、悪用されるリスクもあるので、捨印なしの契約書に仕上げると良いでしょう。
それでは、それぞれの用途に合った印鑑を活用し、より良い契約書に仕上げてみてください!
この記事のライター
鈴木健太
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