エクセルでの出納帳の書き方とは?出納張の基本的な知識を徹底解説
出納帳とはお金の出入りを記録するための書類です。 会計・経理と言うと難しいように感じますが、エクセルなら簡単に作成、管理することができます。 この記事ではエクセルでの出納帳の書き方と出納帳の基本的な知識を徹底的に解説していきます。
そもそも出納帳ってなに?
出納帳とはお金の出入りを記録した帳簿のことで、その取引のお金はいつ、どこで、なぜ、いくら入出金したのか可視化された書類のこと。
会社でも個人事業主でも、事業を行う上でお金の流れを把握することは必須なので、ぜひとも書き方をマスターしていただきたいと思います。
この記事では、出納帳の書き方はもちろんですが、主にエクセルでの出納帳の作成方法について紹介していきます。
紙で出納帳を作成すると、記入漏れや入力ミスがあったときに、紙ではスペースが足りなくなってしまったり、見栄えが悪くなったりしますし、何より計算ミスが起きることがあります。
「シャープペンシルで書いて消せばいいじゃん」と思われるかもしれませんが、証拠能力を高めるために、消せないボールペンで出納帳を作成することが望ましいと言われています。
話は戻り、出納帳はお金の流れを記録する書類なので、正確性が求められ、計算ミスは避けたいところ。
エクセルなら、行を追加したりと自由に編集ができ、電子的に入力するので計算ミスも減らすことができます。
はじめて出納帳を作成する方にこそ、エクセルで作成していただきたいと思います。
出納帳の種類
一言で「出納帳」といっても、どういったお金を記録していくかで「現金出納帳」と「預金出納帳」に分けることができます。
分けることで、作成の手間はかかりますが、それぞれのお金の流れがより明確に可視化できるようになります。
出納帳の記載項目
出納帳に記載する項目としては以下のものがあります。
出納帳の記載項目①摘要
「なぜ」や「いつの分の」お金が移動したのかを示すための項目です。
例えば、電気代を支払ったとしたら摘要は「東京電力 電気代 4月分」といったものにすることができます。
「なぜ」お金が出入りしたのかわからないのであれば、お金の流れのどこにムダがわからなくなるので、必須です。
私の場合、昨年は県外に行くことが多く、移動費だけで30万円ほどかかってしまったので、2020年は自粛しています。
また、「いつの分の」については電気代は地域によっては前月分を支払ったり、前々月分を支払ったりしますし、月末の曜日の関係で翌月の直近の平日に引き落としがされることもあります。
自分しか見ないのであればそれほど問題はないかもしれませんが、従業員や税務署などに見せるときには「いつの分の電気代」かわかりやすくしたほうが便利です。
また、毎年の同じ月の電気代を比較するときに摘要にも「月」があると比較しやすくなります。
出納帳の記載項目②日付
「いつ」といっても、摘要の「いつの分」とは違い、「いつお金の出入りがあったのか」を記録します。
例えば、5月30日に売上1万円入金した、5月31日に電気代5,000円支払った、といったものです。
出納帳の記載項目③差引き残高
差引き残高とは、入金と出金、もしくは収入と支出などの金額的な差を表す表現です。
注意していただきたいのは基本的に出納帳はお金の流れを継続して把握するためのものなので、前日の分のお金の流れも考慮しなければなりません。
よって、出納帳における差引き残高の計算式は「前日の差引き残高+当日の入金額-当日の出金額」になります。
支払額や入金額といった取引内容に間違いがなければ、最終的に手元に残るお金と出納帳の残高が一致するはず。
そうでなければ、どこかにミスがあるので確認してみてください。
出納帳の記載項目④入金額
その名の通り、入ってきたお金の金額を記入します。
具体的には売上金などが含まれます。
出納帳の記載項目⑤出金額
同じように電気代や人件費、家賃など支出額を記入します。
出納帳の記載項目⑥勘定科目
大まかなお金の流れの分類を示します。
例えば、商品を買ってもらったのであれば、売上、電気代を支払ったのであれば水道光熱費、といった勘定科目にそれぞれ振り分けます。
これによって具体的にどういった支払いがあるのか、どういった収入が多いのかといった分析ができるようになります。
出納帳の記載項目⑦前月繰越金額
お金の流れは継続して記録するからこそ、役に立ちます。
よって、前の月末日時点での残高を当月の初日、それも一番最初に持ってきます。
例えば、前月の末日時点で10万円の残高なら、前月繰越金額として10万を追加し、1日のお金の流れが売上金1万円だけなら1日時点での最終的な残高は11万円になります。
出納帳の記載項目⑧翌月繰越金額
同様に当月月末時点での残高を翌月に繰り越します。
先程の月末の例でいうと、繰越した10万円が翌月繰越金額になります。
エクセルでの出納帳の書き方
エクセルでの出納帳の書き方①出納帳の形式を作成
出納帳をエクセルで記録していくには、まず出納帳の元になる表を作成しなければなりません。
まずは一行目に「日付」「勘定科目」「摘要」「入金額」「出金額」「差引き残高」の欄を入力します。
2行目の差引き残高には前月繰越金額を入力しますので、それを示すために左の出金額のセルにそれとわかるような注意を書いておいたり、線を引いておくと見やすくなるでしょう。
エクセルでの出納帳の書き方②出納帳に取引を入力する
3行目以降は取引について入力していきますので、取引ごとに日付と勘定科目、摘要、入出金額を記載します。
このとき、差引き残高は手計算して入力するのではなく、数式を入力することでエクセルで自動で計算してくれるので便利です。
数式は計算したいセルに「=前日の最終的な差引残高のセル+同じ行の入金額セル-同じ行の出金額セル」を入力します。
画像の5月1日の売上高の行で言うと差引き残高のセルに「=F2+D3-E3」になります。
これを以降の差引き残高にコピーすると同じ様に計算されます。
セルが狭いと見えにくくなるので、随時広げたりして見やすくしていきます。
こうしてエクセルで出納帳を作成していきます。
エクセルで出納張を書く際の注意点
エクセルで出納張を書く際の注意点①毎日記入する
基本的にはお金の出入りがあった日は毎日、取引の内容を出納帳に入力してください。
たしかに毎日入力することは面倒ではありますが、まとめて入力しようとすると、ついつい数カ月分、最悪、1年分をまとめて入力することになってしまいます。
それでは作業量も多くなり、本来の仕事に支障がでたり急いで作成することでミスも起こりやすくなってしまいます。
そうしたことを考えると、毎日出納帳に入力したほうが正確な出納帳を作成できます。
エクセルで出納張を書く際の注意点②残高不一致の対応
出納帳を作成していると出納帳上の残高と実際の残高が一致しないときがあります。
これらの多くの原因は入力ミスや入力漏れなので、すぐに修正できますが、なかには調べても残高が一致しない場合がでてきます。
こんなときは不足している分を自分で出したり、多い分を自分の財布に入れたりしないでください。
たとえば、どんなに調べても出納帳の残高が50円少ない場合を仮定します。
つい自分の財布から50円を出して終わらせたいと考えると思いますが、さらに調べると3,000円の入金と3,050円の支出があったことが判明しました。
この場合、単に50円が不足しているわけではなく、6,050円分の取引を出納帳に入力しないことになりかねません。
残高が一致しなかった場合、いちど「過不足金」として扱い、調べても不明なら最終的に「雑損失」や「雑収入」として計上します。
エクセルの出納帳まとめ
この記事ではエクセルで出納帳を作成するための基礎知識と実際の作成方法を解説してきました。
意外なほど簡単にお金を管理できるのでぜひチャレンジしてみてください。
この記事のライター
U11
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