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今さら聞けない!手順書の実際の書き方って?読まれる手順書を作成するポイント

「手順書は読まれてます?」 手順書の目的は作業内容などを記載して従業員に作業内容を伝え、誰でも同じ作業することで同じ成果を出せるようにすること。 そのためにはわかりやすい手順書を作成しなければなりません。 この記事ではそうしたポイントを解説しています。

今さら聞けない!手順書の実際の書き方って?読まれる手順書を作成するポイント

目次

  1. 手順書とは?
  2. 手順書とチェックリストの違い
  3. 手順書の作り方・書き方手順
  4. 手順書を作成するメリット
  5. 手順書を作成する際のポイント
  6. 従業員の行動力upを目指す秘訣
  7. 手順書まとめ

手順書とは?

手順書とは作業の工程や進め方をまとめ、業務を行う上で細かい作業手順をチェックするための文書を指し、作業の再現性を高めることを目指します。

主に

  • 作業内容や作業の目的
  • 作業に必要な考え方
  • 作業に必要なもの
  • 作業時間や合格基準
  • 手順の解説やポイント
  • 作業のゴールに対してのプロセス
  • その他注意事項

などによって構成されています。

手順書をチェックすることで、誰でも同じ成果を出せるようにすることが理想的で、それが実現すると、生産性が向上します。

手順書とチェックリストの違い

手順書と同じようなものに「チェックリスト」がありますが、これらはまったくの別物なので注意してください。

チェックリストは必要最低限の品質を保証するためだったり、致命的なミスを防ぐために利用されます。

例えば、外出するときのチェックリストとして

  • ガスの元栓を締めた
  • 電気を消した
  • 窓を施錠した
  • テレビの予約をした
  • 玄関を施錠した
  • 外出先で必要なものを持った

といったチェック項目が必要になってくると思いますが、これらは必要最低限のポイントに絞って作成されています。

これで泥棒にはいられる可能性は低くなり、外出先でもトラブルにはならないでしょう。

しかし、手順書とは違い、手順が書かれていないため、窓や玄関にツーロックがされなかった場合、いつもよりセキュリティが低くなります。

チェックリストはベテランが作成するのが望ましく、必要最低限のポイントに絞って作成していかなければなりません。

しかし、手順書ではまったく同じ環境でなければ同じ成果を出せなくなります。

例えば、自宅でカレーを作るときの手順書として「カレー粉は〇〇グラム使用する」、「豚バラブロック肉を3センチ角に切る」・・・(以下略)・・・と作成していたとします。

しかし、知り合いの家でカレーを作ろうとしたところ、「カレー粉がなく、スパイスで味付けしなければならない」「鳥ひき肉しかない」場合、手順書は無意味になり、同じクオリティのカレーは作れません。

一方のチェックリストなら必要最低限の項目なので「カレー味にする」「肉を入れる」といった項目でチェックすることができるので、手順書に比べて柔軟性があるといえるでしょう。

しかもあとからチェックを入れていくことでプロセスの漏れをなくすことができます。

手順書の作り方・書き方手順

実際に手順書を作成するにあたり、以下のような手順書の作り方・書き方を採用することで品質を高めることができます。

手順書の作り方・書き方手順①書く範囲を決定

まずはどんな手順書にしたいのかイメージをした上で各種情報の記載範囲を決めていきますが、どのタイミングで利用する手順書にするか考えます。

例えばカレーで例えると

  • カレーを作る前の手順書
  • カレーを作るときの手順書
  • カレーを作り終わったあとの手順書

というようにカレーを作る前、最中、後のタイミングに分けて手順書を作成します。

それぞれの手順書を1つの手順書にまとめて書こうとすると、作成するのも読むのも大変になるからです。

なので手順書を書く範囲をあらかじめ決めておいて、1つの手順書が書き終わったら次の手順書に移る手順書の作り方・書き方が望ましいです。

大切なのは優先度が高いものから作成すること。

このとき、カレーのレシピが含まれている手順書を先に作成して、優先度が低いと思われるカレーを作った後の手順書は後回しにします。

手順書の作り方・書き方手順②デザインと構成を考える

書く範囲が決まったら、構成内容やデザインを考えていきます。

すっきりしたデザイン構成なら理解しやすいですし、あらかじめ構成案を書いておくと記載漏れも少ない手順書を作成できます。

構成を考える

手順書を全体の構成を考えないまま作成しようとしても、時間がかかってしまったり、内容がずれてしまったり、無関係なことを書いてしまったりします。

意外に思われるかもしれませんが、文書を作成するときはあらかじめ構成案を考えて、ノートなどに下書きをしたほうが内容がまとまり、完成速度も早くなります。

なので、構成案を次に考えていきます

カレーのレシピについての手順書なら

  • 野菜を炒める
  • カレー皿にライスとカレーを盛り付ける
  • 材料を切る
  • 水を入れて煮込む
  • 肉を炒める
  • カレールーを入れて煮込む

というようにカレーを作るために必要な手順を思いつくまま列挙していきます。

このとき、順番は後からまとめるので、実際の手順と同じ順番でレシピを書く必要やムリにすべての手順を書く必要もなく、思いつくものを思いついた順番に書くだけで大丈夫です。

デザインを考える

構成案を考えたらデザインを考えていきます。

手順書は誰かに作業内容・手順を伝えるためにあるので、一種の「コミュニケーション手段」であり、デザインに配慮しなければなりません。

というのも、手順書において大切なことは「相手が理解しやすいように伝える」ことだから。

具体的にはフォントの種類やサイズ、配置、画像の有無などのデザインが情報の伝わりやすさを左右します。

フォントカラーを多くしすぎたり、情報を詰め込むためにフォントサイズを小さくしたデザインでは内容が頭に入りにくいです。

フォントカラーを絞ったり、適度に画像を入れたシンプルなデザインにまとめると伝えやすいだけでなく、編集や修正も楽になるのでおすすめの作り方・書き方です。

手順書の作り方・書き方手順③記載内容の並び替えと担当者の決定

構成案として列挙した記載手順を理解しやすい、本来の順番に並び替えます。

このとき誰が、どの作業を行うのかも決定していきます。

  1. 材料を切る 担当:A
  2. 肉を炒める 担当:B
  3. 野菜を炒める 担当:A
  4. 水を入れて煮込む 担当:B
  5. カレールーを入れて煮込む 担当:B
  6. カレー皿にライスとカレーを盛り付ける 担当:A

手順書の作り方・書き方手順④トライアンドエラーで手順書を修正する

作成した手順書はひとまず試してみます。

実際にカレーを作るなら上記だけでは足りませんが、手順書を作成したら、試す→問題発覚→修正→再度試す→再度問題発覚→再度修正→再々度試す→再々度問題発覚→再々度修正・・・といったことの繰り返しで、クオリティの高い手順書を作成していきます。

初めから時間をかけてクオリティの高い手順書を作成する作り方・書き方もありますが、それでは途中でモチベーションが下がり、挫折してしまうことも。

また、どんなに時間をかけたとしても予期しないトラブル、不備が発覚するものです。

それならある程度の手順書が作成できたら、トライアンドエラーで修正したり思いついたアイディアをドンドン試す作り方・書き方のほうが効率的と言えます。

もしも他の人に試してもらうなら、必ずフィードバックをもらって修正していってください。

手順書の作り方・書き方手順⑤手順書を修正する

手順書を試してはじめてわかったことは修正していきます。

初めのうちは必ずといっていいほどトラブルが発生します。

  • 豚バラブロック肉がなかった
  • カレールーが売り切れていた
  • ライスを炊き忘れていた

そういったトラブルを防ぐための対応を手順書に追加していきます。

例えば、ライスを炊き忘れていたなら、ストックしていた冷凍米やレトルトパックのライスを使うことで対処できます。

しかし、カレールーが売り切れていた場合、スパイスで代用する、離れた店舗まで探しに行くといった方法では時間やコストがかかることがあります。

なので、実現できる範囲で解決できるような方法を考えていきます。

手順書を作成するメリット

手順書を作成することで生産性を高めることができます。

例えば部下からの質問に毎日答えるとします。

そのためには

  • 質問をする時間
  • 質問に答える時間
  • メモする時間

ざっと考えただけでもこれだけの時間が毎日必要になります。

しかも、多くの方が経験していると思いますが、一度質問したことであっても忘れてしまったり、追加で疑問が出たりすると、もう一度同じ作業に対して質問がされるため、1回で済む保証はありません。

しかし、手順書があれば、「手順書を見てわからなければ質問して」と伝えることができるので、生産性を高めることができます。

そのためにも誰もがわかりやすい手順書を作成していかなければなりません。

手順書を作成する際のポイント

再現性が高い手順書を作成しても、「読みにくい」という理由が原因で読まれなければ意味がありません。

読んでもらえる手順書の作り方・書き方のポイントを紹介していきます。

手順書を作成する際のポイント①フローチャートを導入

文章だけの手順書は頭に入りにくいため、図表も適度に挿入します。

とくに図としてのフローチャートを載せることで瞬間的に流れを把握できます。

フローチャートを作成するコツとしては

  • 時系列がわかるように上から下に向かって作成する
  • 文章量を減らす
  • YES NOといった判断が必要なら、ひし形にする

これだけおさえるだけでもグッと理解しやすいフローチャートを作成できます。

手順書を作成する際のポイント②考え方と行動を分ける

電話対応の手順書には「営業マンとして振る舞うこと」と記載されているとします。

このとき手順書を作成した人は「営業マン(のように相手の悩みを聞き出すもの)として振る舞うこと」を想定して作成しました。

しかし、この手順書を読んだ担当者は「営業マン(のように明るく積極的に話をする、もしくは低姿勢で話すもの)として振る舞うこと」と解釈するかもしれません。

解釈の仕方はそれぞれで異なるので、全員が同じ解釈を手順書を作成するのは難しいです。

しかし、考え方と行動を分け、具体的な行動を記載することで、解釈で同じものにしていくことができます。

考え方(作業時の姿勢・スタンス)

電話対応時は営業マンとして振る舞うこと

行動(具体的な作業内容)

電話対応

 ・自分の所属と名前を名乗る

 ・相手の所属と名前を確認する

 ・相手の悩みを聞き出す

 ・(以下略)

しかし、自社のサービスに対してクレームが入ったときのように、手順書では想定していないトラブルが起きることがあります。

そうしたときは、まず最終的な目標として「相手の不満を解決する」を設定します。

そのためには「相手の不満を聞き出し、自分たちで対処できることは対処し、対処できない部分については対処できる人を紹介する」といった内容をできるだけ具体的に記載していきます。

このように、手順書にはできる限り行動を中心に書いていきますが、具体的な行動を書くことができない場合は、考え方・スタンスで代用して手順書を作成していきます。

このとき考え方・スタンスは具体例があるとイメージしやすいです。

従業員の行動力upを目指す秘訣

ここまで手順書の作り方・書き方について解説してきましたが

ぶっちゃけ、手順書を読んだとしても従業員は行動しません。

「近いうちにやる」と言っておきながら、なんだかんだと理由をつけて行動しなかったり、その作業を行う意味がわからなかったりするからです。

従業員の行動力upを目指したいなら、作業内容を明確にしたり、作業を行うメリットと作業を行わないデメリットなどを伝えるといいです。

例えば「業務報告する」という手順書では具体的な作業内容がわかりませんし、メリットデメリットも伝えられません。

業務報告をしてもらうためには「月曜日と木曜日に上司に業務報告をしなければならない。怠った場合、始末書の提出が必要。」と手順書を作成すると具体的な業務もわかりますし、重要性も伝えることができます。

具体的なイメージをもたせることを意識しながら手順書を作成することで、従業員も前向きに作業をすることができます。

手順書まとめ

この記事では手順書の書き方・作り方についてまとめてきました。

手順書の目的は作業の内容を伝えること、誰でも再現できるようにすることなので、わかりやすいものしなければなりません。

トライアンドエラーですこしずつ改良していくことが望ましいです。

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