分かりやすい公正証書の簡単作成7ステップ!離婚や金銭を貸す場合の合意項目とは?
今回は公正証書の書き方&作り方の話です。公正証書が実は、物凄く強い効力を持っているっていう話なんです。どのくらい凄い効力なのか?裁判の勝訴と同じくらいの効力です。この記事では公正証書の書き方&作り方の話をしているので、ぜひ読んでください。
公正証書とはどんな書類?
公正証書とは、公証人が法律に沿って作成する公文書のことで、裁判所の判決を待たずに強制執行手続きできるほど高い効力があります。
渡証書、金銭消費貸借契約証書、贈与証書、土地交換契約証書といった公正証書があり、記載事項を証明する証書です。
公正証書には証明力&執行力があり、安全性や信頼性が非常に優れています。
公正証書の効力2つ
親が残した自筆遺言書であれば検認手続きが必要ですが、公債証書遺言であればすぐに遺産相続の手続きに入れます。
そんな証明力&執行力のある公正証書の効力を、2つご紹介します。
公正証書の効力2つ①証拠としての効力
証拠としての効力があります。
たとえば金銭のやり取りでの裁判で効力を発揮します。
裁判では金銭を貸した人が、貸した事実を証明する必要があります。
もし証拠がなければ裁判所は支払い命令できません。
そこで証拠として契約書がよく使われますが、偽造された文書ではないと証明しなければいけません。
契約書だと信憑性を問われることがあります。
一方、公正証書は証拠として強い効力を持っており、信憑性が高い書類です。
公正証書の効力2つ②債務名義としての効力
裁判をするまでもなく、事実を証明しているのが公正証書。
もしお金を貸したのに返してもらえない場合、強制執行すればお金を取り戻すことができます。
強制執行とは強制的に財産を回収することです。
その際、裁判で勝訴して得る債務名義が必要ですが、条件を満たした公正証書があれば強制執行の手続きをすぐに行えます。
つまり公正証書には、裁判の判決と同程度の効力があります。
公正証書作成にあたり必要となる書類
公正証書は公証人が作成する公文書なので、作成時は公証人に依頼する必要があります。
作成する公文書によって、必要となる書類は異なりますが、基本的には下記のような書類が必要です。
公正証書作成にあたり必要となる書類①本人確認書類
当事者全員の本人確認書類できるものを準備しましょう。
たとえば、運転免許証、認印、パスポート、実印、印鑑証明書などです。
印鑑証明書は、発行日から3ヶ月以内のものが必要になります。
公正証書作成にあたり必要となる書類②住民票
公正証書作成にあたり必要となる書類は住民票です。
公正証書は本人が作成依頼しますが、代理人でもすることができます。
ただしその場合は委任状が必要です。
委任状は本人が作成します。
また身分証明書や印鑑が必要になるので、事前に確認しておくのがいいかもしれません。
公正証書作成にあたり必要となる書類③その他
公正証書作成にあたり必要となる書類は、以下のようなものもあります。
・戸籍謄本
・不動産登記簿謄本
・固定資産税評価証明書
・車検証
・保険証券
・商業登記簿謄本
・契約書
・各種資格証明書etc…
公証役場とは?
よく耳にするのが「市役所で公正証書の作成できますよね?」です。
実は違います。
市区役所は地方自治体です。
一方、公証役場は法務省の管轄です。
同じ「役所」でも、組織上は市区役所と公証役場は関係ありません。
近くにある公証役場を探すときは「都道府県+公証役場」とネット検索してみてください。
公正証書の書き方、作り方手順
公正証書の種類によって必要な書類が異なるように、公正証書の書き方や作り方も公正証書の種類によって違います。
ですが大まかな流れは一緒なので、公正証書の書き方や作り方の手順についてご紹介します。
公正証書の書き方、作り方手順①相互に合意を得る
お互いの合意を得て作成します。
公正証書の内容については、しっかり考え検討したうえで作成しましょう。
具体的かつ正確な内容を、公証役場の公証人へ伝えることにより、目的に合った公正証書を作成することができます。
繰り返しになりますが、申し込み前の段階でお互いの合意を得ておきましょう。
もし相互間に認識のズレがあったり事実と食い違っていたりすると、後でトラブルになる可能性があります。
また法律上で無効な内容は、公正証書に記載することが認められていません。
作成時は「お互いに納得していること」かつ「法律で有効な内容であること」が前提条件となります。
公正証書の書き方、作り方手順②必要な資料を集める
必要な資料は、公証役場への申し込みまでに揃えておくのが賢明です。
必要な資料が分からないときは、電話などで公証役場に問い合わせをしておくと安心です。
資料の種類によっては取得までに時間がかかるものがあるので、その点も踏まえて資料を集めましょう。
公正証書の書き方、作り方手順③公証役場へ申し込む
資料が揃ったら、公証役場へ作成を申し込みます。
申し込み方法についても、あらかじめ確認しておくと効率よく作成することができます。
申し込みをする際に、公正証書の完成日を予約できる公証役場もあるので、あらかじめ都合のいい日程を聞いておくといいかもしれません。
公正証書の書き方、作り方手順④公証人が用意する
申し込み内容の確認処理が終わると、公正証書作成の準備がなされます。
ここからの手続は公証役場が行なうので、申し込み後はしばらく待機しましょう。
期間は公証役場ごとで違いますが、早ければ1週間くらいです。
内容が簡単であれば早く終わりますが、複雑だったり修正が必要だったりすると、長くかかるケースもあります。
一般的に、作成の準備が終わると、記載内容や項目に間違いがないかなど確認の連絡があります。
公正証書の書き方、作り方手順⑤完成予定日に公証役場へ行く
完成予定日に公証役場へ向かいます。
公証役場の利用時間は、平日の日中に限られるので忘れず覚えておきましょう。
関係者全員で公証役場へ出向き、そこで公正証書による契約や遺言の手続きを行います。
もし本人が公証役場へ行けず代理人を指定したときは、本人の委任状と印鑑証明書を持った代理人が契約手続を行なうことも可能です。
公正証書の書き方、作り方手順⑥公正証書を完成させる
公証人は、本人(又は代理人本人)であることを確認します。
本人(又は代理人本人)も公正証書の内容を最終確認してから、公正証書の原本に署名と押印します。
そして最後に、公証人が署名と押印することで公正証書は完成となります。
公正証書の書き方、作り方手順⑦公正証書を受け取る
公正証書の原本は、法令に定められている期間中は公証役場にて保管されます。
なので公正証書の正本、または謄本を公証役場から受け取りましょう。
その際に、公証人手数料が発生します。
ちなみに公正証書の正本を紛失したとしても、再度請求すれば交付してもらえます。
公正証書の書き方、作り方まとめ
必要な書類を揃えるのに手間がかかり、手続きに時間がかかる公正証書ですが、強い効力があります。
その効力は、裁判で勝訴を勝ち取ったのと同じ効力です。
トラブルだけは勘弁という方は、作成しておきましょう。
「うん…、だけど時間がない…」という方は委任状でも作成することができます。
公証役場に問い合わせれば丁寧に説明してもらえるので、わからないことがあっても大丈夫です。
諦めず頑張って作成してみてください。
この記事のライター
松田佳祐
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