「様」?「御中」?どう違う?正しい請求書の宛名の書き方
日頃よく目にする請求書。 しかし、請求書のマナーについて十分に理解している人は、そう多くはないのではないでしょうか?例えば、正しい宛名の書き方ってご存じですか? 今回は請求書の宛名の書き方について、ご紹介をしていきます!
請求書の宛名が重要な理由
請求書は、お金に関わる重要な書類です。請求書なしでは円滑な取引も出来ないという企業や団体も多いのではないでしょうか?
そのため、記載内容の間違いや違う宛名の記載等のミスにより支払いの遅れ等が生じてしまった場合、せっかく築き上げてきたそれまでの信頼関係が崩れてしまう恐れも考えられます。
請求書の発行にあたっては正しいルールの他に、請求書の発送を伝える確認メールを合わせて送るなどの気遣いやマナーも求められます。
誰に対しての請求書なのかを示すために重要な宛名について、詳しく見ていきましょう。
請求書の宛名が必要な理由① 請求の相手先を間違いなく特定するため
そもそも請求書を発行する目的は、取引の内容やお金の支払いの必要性を書面で示し、取引先からの支払いを確実に受け取ることです。
請求書に記載すべき事項については明確にすべてが規定されているわけはなく、会社によってその記載事項やフォーマットは違う部分もありますが、法律と慣習によって概ね共通の内容が記載されています。
請求書に記載すべき事項を、消費税法では次のように規定しています。
・書類作成者の氏名または名称
- ・取引年月日
- ・取引内容
- ・税込みの取引金額
- ・書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
確実な代金の支払いや円滑な取引を行うために、実務上では次の事項も合わせて記載することが望ましいとされています。
・支払い期限
・表題
・振込先の口座情報
・・・確かに、いくら請求をされても振込先についての記載はなし、では支払いようがありませんね。
このようにまず法律上での規定があり、請求書には宛名を記載することが求められています。
請求書の宛名が必要な理由② 誤配達なしに相手に届けるため
必要な記載内容に注意をして作成した請求書。
せっかく間違いなく作成したにもかかわらず、それがきちんと請求先に届かなければ、請求書の目的は果たされません。
その際に重要なのが、請求書を送る際の宛名。
間違いなく請求書を相手の手元に届けるためには、請求書はもちろんそれを送る際の封筒の宛名にまで注意が必要です。
現物の発送と合わせて、取引をしている担当者に向けて確認メールを送っておくとより安心ですね。
宛名には正式名称を
請求書や封筒に記載する宛名については、略称は使わずに出来る限り正式名称を使う必要があります。
これには、名前はよく似ているが違う企業や団体へ発送をしてしまう間違いを防ぐ意味もありますし、取引先の名称を略さずにきちんと記載するビジネスのマナーとしての意味合いもあります。
企業名が英語の場合もあるかと思います。面倒に感じるかもしれませんが、カタカナ等で表記をするのではなくきちんと英語で表記したいものです。
会社名には「御中」
請求書の宛名に会社名を入れる場合には、敬称は「御中」を使用します。
(例) 株式会社〇〇建設 御中
こちらは個人宛ではなく、企業や団体に向けて文書を送付する際等には宛名として封筒にも記載しますので、目にする機会も多いのではないでしょうか。
担当者名には「様」
それに対して、企業や団体の中でも担当者の個人名に宛てて請求書を発行する場合には「御中」は使用せず、敬称は「様」を使用します。
(例) 株式会社〇×建設 総務課 山田 様
封筒などにも担当者の個人名まで明記して発送する方が、受け取った相手先でも確認の手間を省けて親切ですね。担当者に宛てた物であったとしても、相手先が日々多くの郵送物を受け取るような場合は、事前の連絡なしに送付してしまうと他の郵送物に紛れてしまう可能性もあります。すでにお伝えしたように、こちらも確認メールと合わせて送っておくとより安心です。
宛名に関する注意点
請求書を発行する際には、その宛名が重要であることがお分かりいただけたと思います。
では具体的には、どのような注意が必要なのでしょうか?
請求書宛名の注意点①相手先に確認するとベター 個人名?企業や団体名?
請求書をどこで管理、処理しているのかはそれぞれの企業や団体により違います。
担当した部署内で支払いの事務処理まで行って出金業務に引き継いでいる企業もあれば、届いた請求書を一つの部署で取りまとめて処理を行っている企業もあるでしょう。
そのため、取引をしている担当者の個人名に宛てて発送するのがよいのか、もしくは部署や企業、団体名で発送した方がよいのか、電話や確認メールで事前に相手先の都合を確認しておくとより親切です。
請求書宛名の注意点②「御中」と「様」の併用はできない
宛名については、敬称の使い分けが必要とお伝えしましたが、これらを合わせて使うのは間違いですので、注意が必要です。
(例) 株式会社〇〇 御中 総務課 山田 様
個人名を記載する場合には、個人名に敬称「様」をつけるのが正しいマナーですので、お気をつけください。
請求書宛名の注意点③英語の場合はどうする?
では、請求書の宛名を英語で書く必要がある場合は何に気をつけなければならないのでしょうか?
基本的に、英語で書く場合も請求書に記載する内容に違いはありません。
英語で請求書となるとより身構えてしまうかもしれませんが、ビジネスでの取引のため簡潔に、分かりやすく相手に伝える姿勢が重要です。出来る限りシンプルに作成してみるとよいでしょう。
請求書の宛名の書き方まとめ
お金が関わる請求書の宛名の重要性についてご紹介をしました。
宛名についてはビジネス上気をつけなければならない点がいくつかありますが、受け取った相手先の立場に立って考えることで、なぜその点に気をつけなければならないのかが理解できるのではないでしょうか。
宛名に関する注意点に気をつけて、お互いに気持ちの良いやり取りをしていきたいですね。
この記事のライター
寺澤尚樹
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