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出典の書き方と抑えるべきポイント!シーン別の出典書き方も解説

書籍でも、Webでも、パワポでも、引用、出典のない文章はほとんどありません。読んでいるときは、気になりませんが、さて出典の書き方となると、即答するのはなかなかできないものです。 ここでは、パワポ、ワードの資料から、論文まで出典の書き方を解説します。

出典の書き方と抑えるべきポイント!シーン別の出典書き方も解説

目次

  1. そもそも出典とは?
  2. 「出典」と「引用」の違いは?
  3. 出典が必要となるシチュエーション
  4. 論文やレポートに出典を書く意味は?
  5. 出典を正しい書き方で記載するポイント
  6. 出典の書き方
  7. 出典の書き方まとめ

そもそも出典とは?

まずは、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から、引用してみました。

参考文献(さんこうぶんけん、英: reference, works cited, bibliography など)は、記事や書籍・学術論文執筆など、著述を行う際に参考にした図書や文献、新聞記事、または、その書誌事項を記したもの。また出典(しゅってん、英: source, citation など)は、故事、引用語などの出所(でどころ)、ないしそれと考えられる本などのこと。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/参考文献

つまり、出典は、引用された文章、資料の出所を意味します。レポート、論文、新聞もそうですし、グラフや画像もそうです。

「出典」と「引用」の違いは?

なんとなく、引用と混同してしまいがちなキーワードですが、引用は他の書籍や記事に書かれている、文章、画像、データ等を、自分の文章に引くことを意味します。

引用することで、自分の文章の裏付けとしたり、詳しい説明を省略することができます。

上の例だと、

参考文献(さんこうぶんけん、: reference, works cited, bibliography など)は、記事書籍・学術論文執筆など、著述を行う際に参考にした図書や文献、新聞記事、または、その書誌事項を記したもの。また出典(しゅってん、: source, citation など)は、故事、引用語などの出所(でどころ)、ないしそれと考えられるなどのこと。

が、引用、

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/参考文献

が、出典です。

引用というと、論文やレポートのイメージが強いですが、パワポやワードで作る資料も対象です。グラフや画像にも出典が必要になります。

出典が必要となるシチュエーション

引用することで、自分の文章のよりどころとしたり、論理の客観性を担保することができますし、説明を省略することもできます。

しかし、引用にはルールがあります。そのルールを守らないと、盗用になるおそれがあるのです。つまり、著作権侵害です。

引用した文章が、引用したものだと明示しないと、それは自分の文章となります。しかし、あくまで引用した文章ですので、それだと盗用になってしまいます。

これは、レポートや論文だけでなく、パワポやワードで作った資料だったり、Web上の記事やSNSもそうです。

著作権とは、知的財産権ですので、他人に無断で利用されない権利です。

利用するには著作者の了解を得る必要がありますが、引用については、著作物を例外的に無断利用することが認められています。

引用のルール

・すでに公表されている著作物であること

・引用部分が明確になっていること

・引用部分が必要最小限であること

・出典が明示されていること

つまり、引用するには、必ず出典が必要となります。

論文やレポートに出典を書く意味は?

引用をしないで、自分の言葉だけで、論文やレポートを書けないわけではありませんが、論文やレポートにおいては、特に客観性が求められます。

独りよがりの主張ではなく、学説や、データに基づいた議論を進めなくてはなりません。引用することで、論理の根拠を示す必要があります。他人の考えを引用して、自分の考えの補完するのです。

引用はとても便利なツールではありますが、自分の考えと、他人の考えを明確に分けなくてはなりません。

これはパワポやワードで作る資料でも同様です。

出典を正しい書き方で記載するポイント

出典の正しい書き方については、細部まで見ると、たくさんの方法があります。

論文での書き方や、Webでの書き方は違います。国によって違いもありますし、英語のルール、論文であれば学会のルールがあったりします。ですが、出典の正しい書き方で記載するポイントは2つあります。

  • ・著作者
  • ・文献等へのアクセス

です。

著作者

著作者は、著作権の保護のため、必ず明記します。

翻訳については、訳者も必要です。

ただし、著作者がわからない、または明記されていない場合もあります。その場合は、省略しても差し支えありません。

文献等へのアクセス

これは、読者が引用元の情報へのアクセスを確保するためです。ただ出所を示せばいいというものではなく、読者が同じ情報を入手できることが必要です。

著作名、出版社、記事であれば、雑誌名、Web上の記事であれば、URLを明記します。

パワポやワードで作る資料や、SNSなどでは、ついつい忘れがちですが、この2点は抑えましょう。

出典の書き方

出典の書き方は、たくさんあると説明しましたが、ここでは、一般的なパターンとして、例をあげて、いくつか紹介します。

論文やレポートでの出典の書き方

論文やレポートでは、特に注意が必要です。盗用が疑われないように、出典についても書き方が少し細かくなります。

メディアによって内容がかわりますので、メディアごとに説明します。

書籍

著者名(編者名、訳者名)、書名(版、シリーズ、巻数)、出版社名、出版年、ページ、ISBNを表示します。書名は『 』で囲います。

英語などの洋書からの引用であれば、英語の表記のまま載せます。下の英語論文での出典の書き方も参考にしてください。

ISBN は「国際標準図書番号」といって、1冊の本に1つ与えられた番号です。

例)

唐松毅、R .ドーンブッシュ、S .フィッシャー『マクロ経済学 改訂第4版 日本版(上)』、マグロウヒル出版、1989、p.334、(ISBN 4-89501-315-4)

皆川弥『フィンランドの金融危機と国家マネジメント ー21世紀に向かって脱皮した銀鉱群ー』リーベル出版、2003、p.95(ISBN 4−89798−637−0)

久保正敏(1996)『マルチメディア時代の起点:イメージから見るメディア』日本放送出版協会.

BankEcon,European Market-Key Characteristics 2001.

Webページ

ウェブページで特徴的なのが、最終アクセス年月日です。ウェブページではコンテンツの更新が行われ、内容が変わることがありますので、明記する必要があります。

著者名(運営主体)、「ウェブページのタイトル」、<URL>、(最終アクセス年月日)

例)

科学技術振興機構「科学技術情報流通技術基準―参照文献の書き方―」

<http://www.jst.go.jp/SIST/handbook/sist02/sist02.htm>(最終アクセス 2004 年 4 月 12 日)

雑誌

著者名「論文・記事のタイトル」『雑誌名』、巻数、号数、発行年月、該当ページを表示します。

例)

高橋正治「源氏物語 D 系統本の系統」『秋田県立大学紀要』通号 43,1999.12,p.9-20.

新聞

「記事のタイトル」『新聞紙名』発行年月日、朝夕刊の別、版数、面数を表示します。記事の著者があれば、著者名も明記します。

例)

「インド、企業活動停止」『日本経済新聞』2004 年 3 月 26日, 朝刊,13 版,13面.

岩本文枝「バンクシー描く社会問題」『日本経済新聞』2018年3月28日、朝刊、13版、36面

画像

画像については、イラストや写真については、引用が難しくなります。出典を明記したとしても、引用のルールに当てはまらない場合は、著作権の侵害のおそれがあります。引用が許可されていないものについては、著作者の同意が必要になりますので、画像の引用は注意してください。

画像の出典は、予め貼り付けられている場合もありますが、それでもクレジットは入れておくべきです。写真であれば、撮影者、イラストであれば作者を明記します。スクリーンショットなどは、下のWebでの出典の書き方を参照して下さい。

例)

photo:CorVos

新聞での出典の書き方

基本的には取材してから記事を書くので、新聞での出典はあまり例がありませんが、外国通信社からの記事は、次のような書き方があります。

  • 記事の初めに、大がっこをつけて、発信地・クレジットを入れます。解説、企画、特集では、記事末尾に丸かっこで入れます。

例)

【パリ共同】

【ロンドン共同】

(ローマ共同=津村一史)

英語論文での出典の書き方

英語論文でも、出典の書く内容は同じです。書名、雑誌名をイタリックにします。英語の表記に注意してください。

例)

Wilga Rivers, “Teaching Foreign Language Skills”, (University of Chicago Press, 1981), p.82

T. A. Knightley, “Emma Woodhouse and Her Rival Characters”, English Literary Review, No.133 (1914),p.1-15.

グラフでの出典の書き方

グラフでの出典は、データの出所です。自身で調べたものであれば、日時と場所の情報を、データを引用したのであれば、引用元の情報を表示します。

グラフを画像として引用するだけでなく、データからグラフを作成する場合も、出典が必要になります。ただし、自分でグラフを作成するからといって、極端な印象を与えるような操作はやめましょう。あくまで、数字から読み取れることをグラフで示すことが目的です。

例)

2010年10月調べ

総務省統計局「国勢調査」

国立がん研究センター「都道府県及び生活習慣病検診等管理指導協議会(各がん部会)の活動状況調査」

Webでの出典の書き方

WebからWebに引用する場合は、出所を明確にするため、URLの表示が必要です。URLをそのまま載せてもいいですし、サイト名にリンクを貼ってもいいです。ほとんどのウェブサイトでは、後者になっています。パワポやワードで作る資料も、この形式が多いです。

例)

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/参考文献

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典の書き方まとめ

  • 出典は引用元を明示すること
  • 引用のルールを守らないと、盗用になる
  • 出典のポイントは、著作者と文献等へのアクセス
  • 英語の著作名はイタリック体で表示
  • 引用すれば、パワポやワードで作る資料も対象
  • 画像、グラフも出典を明示する

引用のルールを守らないと、著作権侵害になりかねません。

出典の正しい書き方で、スマートな引用にしましょう。

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