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最近話題の電子サインとは?知っておきたい電子サインのメリット・デメリット

「電子サイン」をご存じでしょうか? 電子契約に利用される技術ですが、紙の契約と同じように法的効力をもたせることができます。 この記事では電子サインの基礎知識として、紙の契約との違いやメリット・デメリットなどを紹介していきます。

最近話題の電子サインとは?知っておきたい電子サインのメリット・デメリット

目次

  1. そもそも電子サインとは?
  2. 電子サインの役割とは
  3. 電子サインのメリット
  4. 電子サインのデメリット
  5. 電子サインまとめ

そもそも電子サインとは?

電子契約の利用状況(2018~2020年比較)「JIPDEC資料より」
電子契約の利用状況(2018~2020年比較)「JIPDEC資料より」

「電子サイン」とはいままで紙の契約書にしていた署名を電子的な手法で代替することです。

主に電子契約書などで利用されることが多く、2020年現在で電子契約サービスを利用している企業は全体の43.3%にのぼると言われています(JIPDEC資料より)。

紙の契約書と電子契約書を比較すると以下のようになります。

紙の契約書

電子契約書

媒体

書面

電子データ

署名方法

署名および捺印

電子サイン

署名年月日の証明

日付の記入

タイムスタンプ

当事者間の確認方法

契約書原本のやり取り

電子データのやり取り

保管方法

ファイリングなどの物理的保管

社内外のサーバーに電子的保管

サイトを見に行く

電子サインの役割とは

電子サインに求められる役割にはどういったものがあり、紙の契約書にする署名と同等の法的効力はあるのでしょうか?

電子サインには紙の契約書に署名するのと同じように

  • 「本人が確認したと証明でき」
  • 「不正が行われないための改ざん防止策やセキュリティを確保する」

ことが求められます。

そのためには、「電子署名法」(電子署名及び認証業務に関する法律)に定められた適切な手続きを踏まえて

  • 「本人が確認したと証明でき」
  • 「不正が行われないための改ざん防止策やセキュリティを確保する」

という役割を果たしていると電子サインに法的効力があると判断されます。

「電子署名法」とは適切な手続きを行った電子サインに手書きの署名と同じ法的効力を適用するという法律です。

そのために暗号化やタイムスタンプといった技術を活用して「本人が確認したと証明」し、「セキュリティを確保」します。

電子サインのメリット

電子サインを活用した電子契約書を導入することで以下のようなメリットが得られます。

  1. 業務がスムーズにこなせる
  2. ペーパーレス化を実現できる
  3. 収入印紙の節約
  4. 契約内容の改ざんリスクが低い

電子サインのメリット①業務がスムーズにこなせる

紙の書面で契約書を交わすときに手続きに時間がかかり「めんどうだなぁ・・・」と感じたことはありませんか?

電子契約を行うことで業務をスムーズに行うことができます。

従来はデータで作成した契約書を印刷して、サイン・捺印をしてから取引先へ郵送することが多かったと思います。

取引先に契約書の内容を確認してもらい、不備や誤りがあると修正してもう一度はじめからやり直しです。

そうでなくても、取引先から返送された契約書をチェックして契約を完了させなければなりません。

が、契約完了後は契約書をファイリングして書庫などに保管し、必要になったら探し出して、使い終わったら元の場所に戻します。

・・・・・・これって大変ですよね・・・・・・?

ですが、電子的な契約を行うことで一気に業務をスムーズに進めることができます。

なぜなら、契約書のデータを作成したら、そのままパソコンやスマホから取引先へ送信、確認してもらい、すぐに契約を結ぶことができるからです。

従来の紙の契約だと正式に契約を完了させるまで2~3週間かかることもありましたが、業務も時間も効率化できます。

ほかにも、いままでは保管・管理が大変でしたが、契約案件名や取引先名から電子契約書を検索することで一瞬で目的の契約書を探せます。

保管スペースも不要です。

電子サインのメリット②ペーパーレス化を実現できる

契約を電子化することでペーパーレス化を実現できます。

業務の効率化だけでなく、コスト削減がペーパーレス化のメリット。

例えば、契約書を印刷するには紙やインクなどの備品のほかに印刷機を購入してメンテナンスも受けます。

契約金額によっては200円から最大60万円の収入印紙を払わなければならないときもあります。

ペーパーレス化によって、備品や印刷機、スペース、収入印紙などが不要になるため、コストを削減することが可能です。

電子サインのメリット③収入印紙の節約

国税庁ホームページより
国税庁ホームページより

1回契約を結ぶごとに数千円~数万円の収入印紙を負担している企業も多いのではないでしょうか?

しかし、電子的に契約を交わすことで収入印紙の負担をゼロにできます。

「印紙税法を見ても『電子契約は非課税』と規定されてないのに、電子化すると収入印紙を負担しなくてもいいの?」と思われるかもしれません。

くわしくは「国税庁ホームページ」をご確認していただくとして、電子化すると印紙税法における「課税文書」に該当しなくなります。

サイトを見に行く

電子サインのメリット④契約内容の改ざんリスクが低い

紙と電子データとしての契約書のセキュリティを比較します。

紙では保管・管理がいい加減だと、故意に契約内容を改ざんされたり盗難や紛失のリスクがあります。

もしも改ざんがされた場合、改ざんを証明するためにはかなりの時間や労力、費用がかかると覚悟してください。

一方で電子サインとタイムスタンプを活用した電子契約書はデータベースで管理され、アクセス記録が残るため、改ざんが難しいとされています。

電子サインのデメリット

電子サインによってさまざまなメリットを得ることができる一方で、デメリットも存在するので、導入は慎重に検討しなければなりません。

電子サインのデメリット①電子サインに対応していない書面もある

電子サインは売買契約や雇用契約、請負契約などほとんどすべての契約書に適用できます。

しかし、消費者保護のために紙でしか契約を行えないと定められている一部の不動産・投資信託契約もあるため注意が必要です。

電子サインが適用できない契約として

  • 定期借地契約
  • 定期建物賃貸借契約
  • 投資信託契約の約款
  • 訪問販売などにおける書面交付義務

といったものがあるので、事前に電子サインに法的効力をもたせることができるのか調べたり専門家に確認したほうがいいと思われます。

電子サインのデメリット②取引先に了解を得る必要性

新型コロナウイルスの流行以前の調査で電子契約サービスを利用している企業は43.3%になりましたが、リモートワークの推進によってさらに導入企業は増えていると考えられます。

それでも電子契約を交わす取引先の理解は欠かせません。

なぜなら、電子契約を交わすためには、自社だけでなく取引先も同じ電子契約サービスと契約・利用しなければならないから。

1社で複数の電子契約サービスの導入・利用コストを負担することになると、負担が大きくなってしまいます。

せっかく電子サインを導入しても取引先からの理解・了解を得られなければ導入する意味はありません。

電子サインのデメリット③導入・利用コスト

電子契約サービスを導入するためには、電子サインの取得やタイムスタンプの準備が必要です。

電子サインを利用するには、サインを行う人自身の身分を証明しなければなりませんし、手数料の負担も大きいです。

収入印紙や郵送代、備品などのコストを削減できるといっても、電子契約サービスの利用料も払わなければなりません。

つまり、最終的に電子契約を結ぶとコストが削減できるかどうかは検証・比較してみないとわかりません。

電子サインまとめ

電子サインの基礎知識として紙の契約との違いやメリット・デメリットを解説させてもらいました。

電子署名法に定められている電子サインやタイムスタンプなどの技術でセキュリティの確保を行います。

電子契約を結ぶことは業務をスムーズに進めることができたりコスト削減につなげたりと多くのメリットがあります。

しかし、慎重に導入を検討しなければならない部分もあるので注意してください。

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