注文請書ってどんな書類?収入印紙を貼る必要はあるの?
「注文請書」という書類をご存知でしょうか? 発行されることは少ないですが、一種の契約書なので法律によって収入印紙が必要になることがあります。 この記事では注文請書とそれに必要な収入印紙を節約する方法を解説していきます。
注文請書と収入印紙とは?
「注文請書」を発行しない企業が多いため、突然「注文請書を発行してくれ」と言われて慌てて検索した方も多いでしょう。
ですが、ネット通販で買い物をすると注文内容がメールで届くように、知らないうちに注文請書が身近な存在になっています。
そんな注文請書ですが、原則、収入印紙を貼るように法律で規定されているので、この記事では注文請書と収入印紙の基礎知識と収入印紙を節約するための方法を解説していきます。
注文請書とは
「注文請書」とは相手が発行した注文書・発注書に対して内容を確認し、それに応じたと伝えるための一種の契約書です。
注文書・発注書が先に発行されてから注文請書を発行することになります。
もしも発注者が注文・発注を依頼する前に注文請書を発行することになると、受注者の一方的な通告となるため、法的な効力はないと考えてください。
発注側が「この内容で取引・契約を行いたい」と示して、受注者が注文請書で応えることで注文請書の内容で契約が交わされたとみなされます。
書面で残すことでトラブルの回避ができ、発注者と受注者が同時に書類を発行し捺印したものを返送しても同様の効力があります。
収入印紙とは
注文請書は「請負契約に関する契約書」に該当し、契約内容を実質的に証明する書類と判断されるため、基本的に収入印紙の添付が必要です。
「収入印紙」とは印紙税に代表される租税・手数料その他の収納金の徴収のために政府が発行している証票です。
郵便局や法務局、コンビニなどで購入できますが、コンビニでは200円の収入印紙のみが販売されていると考えてください。
注文請書の記入項目
注文請書は法律でフォーマットが規定されていないため、比較的自由に作成することができますが、一種の契約書なので以下の内容はどうしても必要になってくると考えられます。
注文請書の記入項目①発注・受注者の情報
発注者および受注者の情報をそれぞれ記載しなければなりませんので解説していきます。
発注者の情報
注文請書を作成するときは基本的に手元に注文書・発注書があると思いますが、そちらに記載されている会社名や住所、連絡先をそのまま記載します。
このときどうしても必要な情報は発注者の会社名だけです。
なぜなら、注文請書を受け取る発注者は自分たちの会社名はおろか、住所や連絡先を知っていて当然だからであり、会社名を記載するのは、他の会社のものと区別させるためです。
受注者の情報
同じように受注者も自分たちの会社名や住所、連絡先を記載します。
このとき、発注者のときとは違い、受注者の情報は省略しないことをおすすめします。
なぜなら、発注者が注文書をもとに受注者の情報を確認できるようになるからで、他の書類を探したりインターネットで検索する手間を減らします。
注文請書の記入項目②納品方法・納期
納品方法・納期を注文請書に記載しなければ、発注者は、いつ、どのようにして納品されるのか把握できなくなるので、とても大切な記入項目と言えます。
発行者と受注者で認識の違いがあるとトラブルの原因になるので、必ず記載するように注意してください。
注文請書の記入項目③発行日
注文請書は契約書に該当するのでいつ発行したのかを記載します。
注意していただきたいのが、注文請書の発行日は注文書と同じ日付にするのが普通ということ。
発行日を統一することでお互いの解釈・認識のズレを減らし、トラブル回避につなげます。
発行日は単なる「日付」というよりも注文請書の重要項目と捉えたほうが良いでしょう。
注文請書の記入項目④取引内容
取引内容として、注文された品名や数量、金額を記載します。
このときミスがあると、発注者が望んでいた品が納品されなかったり、金銭トラブルになりかねませんので、必ず注文書・発注書と照らし合わせてから注文請書を発注者に送付します。
注文請書の記入項目⑤支払い方法・支払期限
注文された代金を、どのような方法で、いつまでに支払うのか記載します。
このとき日常的に取引が行われている場合、支払い方法や支払期限はお互いが認識しているため省略することもあります。
注文請書に収入印紙は不要?
先程もお伝えしたように、注文請書には収入印紙の貼り付けが必要ですが、特定の条件を満たすことで不要になります。
収入印紙が不要な場合①一定額以下の契約金額
2020年6月時点で注文・発注金額が税抜で1万円以下なら収入印紙が不要になります。
ただし、税抜表記がされていないときは税込と判断されるため、仮に「9,999円」とだけ記載されていたときは「9,999円プラス税」とみなされ、200円の収入印紙の貼り付けが必要です。
収入印紙が不要な場合②電子的な発行
国税庁によるとメールやPDF、FAX等の電子的な方法で発行された文書は課税文書に当たらないとされ、収入印紙が不要になります。
最近では電子契約書を交わすための専門サービスが増えてきており、最大で1回あたりの収入印紙60万円の収入印紙が節約できるようになるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
くわしくは「電子契約でペーパーレス化!契約書の電子化のメリット・デメリットをご紹介」に記載しているので、ぜひご確認ください。
収入印紙が不要な場合③別の契約書に貼り付けている
すでに別の契約書でその注文請書分の収入印紙が貼り付けている場合も収入印紙が不要になります。
注文請書に収入印紙を貼る際にかかる金額
注文請書の記載金額に応じて収入印紙を貼り付けなければなりません。
具体的には1万円以上で100万円以下のもの、もしくは金額の記載がないものに対しては200円が必要で、記載金額が大きくなるほど収入印紙の額も大きくなり、50億円を超えると60万円の収入印紙が必要です。
くわしくは下のボタンから国税庁HPをご確認ください。
収入印紙を負担するのは発注者か受注者のどちらか定められていません。
通常の契約書であれば、同じ契約書を2部作成するのが一般的なので自然と双方が負担することが多いです。
ただ、注文請書は1部だけの発行が多いので、どちらが、どの程度収入印紙を負担するのかあらかじめ決めておきましょう。
このとき、50%-50%でもいいですし、0%-100%でもOKです。
注文請書と収入印紙まとめ
あまり馴染みがない注文請書ですが、契約書に該当するため適切な情報を記載したり収入印紙を添付しなければ違法になることもあるので注意してください。
この記事のライター
U11
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