仕様書の意味と実際の書き方は?抑えておきたい仕様書の種類も解説!
様々な目的で使用される仕様書ですが、意味が複数あり種類も様々なため書き方もあやふやだという方もいるでしょう。今回は仕様書に関してあまり理解できていないという方のために、仕様書の意味や種類だけでなく実際の仕様書の書き方についても詳しく説明していきます。
仕様書の意味とは?
仕様書とは簡単にいうとあらゆる物事に関して詳しい説明が書かれた書類のことを指します。代表的な例でいうと、業務の具体的な進め方やシステムのスペック等を細かく書かれたものの他にも、様々な用途として使われています。
一概に仕様書と言っても、その種類は様々で、その種類によっても仕様書の中身や目的、書き方が大きく異なってきます。今回は、種類別の仕様書の意味とシステム開発で用いられる仕様書の基本的な書き方を詳しくご紹介していきます。
仕様書の種類とその意味
それでは早速、仕様書にはどのような種類があるのか見ていきましょう。当然、それぞれ違った意味を持ち合わせており、実際に書類に記載する内容や目的も大きく異なってくるので、それぞれ区別できるようしっかりと頭に入れておいてください。
仕様書の種類①機能仕様書
機能仕様書とは、その名の通りシステムなどの機能に関して記された書類のことを言います。具体的には、そのシステムには一体どのような機能が搭載されているのか、その機能を使うことでどのようなことが生じるのかなど機能に関してより具体的に記入されています。
仕様書の種類②詳細仕様書
先程の機能仕様書では、機能そのものに関して具体的には書かれているものの、どのようにして使うのかはあまり詳しく説明されていません。そこで、機能などの使い方をさらに深く掘り下げた文書がこの詳細仕様書です。実際に覚える際は、機能仕様書とセットで覚えておくと良いでしょう。
仕様書の種類③要求仕様書
本記事の最後でこの書類の具体的な書き方について説明しますが、要求仕様書とは、顧客のニーズを聞き、その内容を詳しく書き記した書類のことを言います。
顧客といっても、その対象が企業であることも多々ありますし、そのニーズを明確にかつ適切に記入しなければ顧客の要望通りのものを完成させることができず、互いにミスマッチが生じてしまうので十分注意してください。
仕様書の種類④確定仕様書
一方、確定仕様書とは、顧客と売り手が取引する際に最終段階で商品またはサービスの値段及びその内容を確定させる文書のことをいいます。
内容自体は契約書となんら変わりはありませんが、細かい項目まで記入する必要のある場合は、この確定仕様書を使用するようにしましょう。
仕様書の種類⑤購入仕様書
購入仕様書とは、発注する側が発注される側に対して、商品の品質やその他細かい条件までを規定する書類のことを言います。あくまで、商品を購入したいという顧客の要望でもあるので、発注された側はその購入仕様書通りの製品もしくはそれ以上のものを製作しなければなりません。
もちろん、発注する側も、自社がどのような製品を求めているのか、どのようにしてつくって欲しいのかを相手側が誤解しないようより具体的にかつ分かりやすく丁寧に記入する必要があります。
仕様書の書き方
では、仕様書の種類を抑えた上で早速仕様書の具体的な書き方について確認していきましょう。ここでは、先程説明したシステム開発の要求仕様書を例にし、その書き方について説明していきます。
もちろん、他の購入仕様書や機能仕様書であれば、目的だけでなく書く事項も大きく変わってくるので、おおよその書き方として抑えておいてください。
仕様書の書き方①システム開発の目的
まず第一に記載しなければならない項目は、システム開発をする目的です。顧客から要求されたから、という抽象的なものではなく、顧客がどのような経緯で要求してきたのかを明らかにし、自社がそのシステムを開発する目的をハッキリとさせなければなりません。
ここで明確に目的を持つことができていなければ、後々システムを開発する上で混乱してしまう点が多々出てきてしまうので、顧客からの要求をヒアリングする際はその要求の経緯や理由を詳しく聞いておく必要があります。
仕様書の書き方②開発スケジュール
次に、開発の具体的なスケジュールを記入します。開発スケジュールも同様、抽象的な書き方ではなく、日時と具体的な業務の内容を記入する必要があります。
また、これはどの項目でも言えることではありますが、「誰がどこでいつ何をどのように」という5W1Hを必ず意識しながら仕様書を書くと、かなり分かりやすく仕上がるので、実際に作成する際はこの5W1Hを意識して記載してみてください。
仕様書の書き方③予算
当然、システムを開発する際には多大なコストがかかってしまいます。事前に自社で使えるお金を予算として設けておかなければ、後々資金が全く足りなくなってしまったという事態に陥る可能性もあるので、予算に関しても仕様書にしっかりと記入しておかなければなりません。
もちろん、顧客の要求にも応えなくてはならないので、できる限りそれを実現するために資源を工夫するなどして予算を抑えてみると良いでしょう。
仕様書の書き方④システムそのものの機能
顧客の要求をヒアリングする際、当然システムに導入して欲しい機能というのも多々あがってくると思われます。機能はシステム開発において特に重要な項目でもあるので、顧客が一体どのような機能を望んでいるのかを明確化し、要求通りの機能をしっかりと導入しなければなりません。
機能仕様書とやや合致してしまいますが、どのような機能を搭載するのか、どんなことを実現できる機能が要求されているのかを明らかにし、期待に十分応えられるシステムに仕上げましょう。
仕様書の書き方⑤開発する際の規定
そして最後に、システム開発に関する規定です。規定と言っても、ポリシー違反に関する規定や法律に関わる規定、システムを作成する上での制約などがこれにあたるので、社員がこれに違反することのないようしっかりと明記しなければなりません。
また、顧客からの細かい条件というのも出てくると思うので、必要であればこの項目に記入しておくと良いかもしれません。
仕様書と設計書の違いは?
ここまで、仕様書に関する基礎的な知識を中心に説明してきましたが、おそらく設計書との何が違うのだろうと疑問に思った方もいるでしょう。
仕様書とは、いわば完成したもの(理想像)が明確化されており、それに至るまでの必要なものや流れなどを詳しく記されたもののことをいいます。一方、設計書とは仕様書のようには完成したものには焦点はあてず、完成までの流れに焦点をあて、より具体的な進め方や必要なものが記されているのです。
一見、同じような書類に見えますが、それぞれ焦点を当てている部分が異なるので、より具体的な進め方を示したい場合には設計書を使用すると良いでしょう。
仕様書の書き方まとめ
普段よく耳にするものの、仕様書の意味や書き方、設計書との違いなど詳しい点までは把握できていないという方も多いはず。今回は、基礎的な知識だけご紹介しましたが、仕様書の種類とそれぞれの意味や実際の書き方などはしっかりと把握できましたか?
冒頭でも述べたように、仕様書とは用途によって目的だけでなく書く内容も異なってくるので、仕様書を作成する際はまず何のために作成するのかをハッキリさせておくことを強くお勧めします。
また、今回は例としてシステム開発のための仕様書の書き方をご紹介しましが、これ以外の用途では書き方が大きく変わるので、その点に関して特に注意しておいてください。
この記事のライター
鈴木健太
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