誓約書とは?シーン別の書き方と効力を徹底解説
学校に入学する際や、離婚時にお金の支払いを義務付けの際に、誓約書を記載することがあると思います。 誓約書の書き方を理解しておくと、お金の支払いの問題などが発生した際も解決したり未然に防いでくれたりします。 そんな誓約書の書き方や効力について解説していきます。
誓約とは?
誓約とは、「せいやく」と読みます。意味としては、必ず約束を守るや固く約束すること。また、その約束や誓いのことを意味します。
どのような時に誓約書が必要?
誓約書は、当事者の一方が差し出す書類で、相手に約束事や義務を課せたい場合に提出する書類です。
契約書の一種であり、契約や話し合いの際に作成されることが多くあります。
学校に入校する際や離婚の際、お金の貸し借りや支払いの際にも作成される書類になります。
作成することで、問題を起こした張本人に今後同じような問題を起こさせないためへの抑止力になったり、逆にそういったトラブルを未然に防ぐための手法としても効果的です。家族や親族にも著名や捺印させることで、その効果をより高めることが可能なので、お金の支払いをしないや内定辞退などを防ぐ際に利用するのも良いとされています。
誓約書の効力とは?
誓約書の効力は、基本的には法的効力を持ちません。
なら、書く意味は?と思われるかもしれませんが、誓約書に書かれた内容は、公序良俗に反しない限り、当事者間の合意と社会的妥当性があった場合、効力を持ちます。
一般的に年月日、誓約させる内容、違反した場合罰則などが明記され、相手が著名・捺印をすることで成立します。
誓約書は法的効果は契約書ほとに強くはないものの、証拠として有力です。
ただ有力な証拠として採用されるには、内容が両者同意できるものでないと効力を発しません。
誓約書を交わす際は、両者が納得できる形で誓約を結ぶことが重要になってきます。
一般的な誓約書の書き方
誓約書の項目①日付の書き方
誓約書の記載項目の中に日付があります。
学校に入学する際に提出する誓約書などに記載する日付は、基本的には、提出日になります。
ただ、誓約書を書く際の日付が提出日になるのか、入学日を書くかは学校によって異なるのでその点は、学校に問い合わせて確認しましょう。
郵送する時は投函する日付になります。
和暦を書く際は、年号かを西暦を統一して記載するように注意しましょう。
年号か西暦かの指定がない場合は、とちらでも良いです。
年号で書く際、英語の頭文字をとった省略での記載をすることはやめましょう。
学校に提出する書類などの正式な書類を記載する際は、省略せず「令和」と書きましょう。
ちなみに、この日付はとても重要な役割を持っています。
日付の記載がないものは、その誓約書が無効になってしまったり、効力がないとみなされる可能性がありますので、日付の記載はしっかりと行いましょう。
日付の記載がなければ、その書類の有効な期限が明確とならないためです。
きちんと効力のある書類にするためには、日付の記載をはっきりと記載しておくことが重要となります。
誓約書の項目②住所の書き方
誓約書の住所欄の記載は基本的には、現住所を記載するのが一般的です。
現住所は、住民票に記載されている場所になります。
学校に入って、一人暮らしを始めて、住民票を移していない場合もあると思います。
基本的には、住民票に記載されている住所を記載するのが原則ですが、場合によっては、一人暮らしの住所を記載したほうがいい場合があります。
どちらを記載すればいいのかわからない時は、入社誓約書の場合は、内定先の採用担当に、学校に提出する際は学校の事務の人に確認しましょう。
郵便番号の記入欄がない場合なのですが、その場合、郵便番号を記入しなくても問題がありません。
しかし、記入する必要がある場合は、番地の記載は正式に行いましょう。
1-2-3のように番地でつなぐのではなく1丁目2番地3号のように正しく記載することが重要になってきます。
マンション名やアパート名がある場合は、その名称も省略するこなく記載しましょう。
誓約書を書く時の注意点
誓約書を書く時の注意点①押印をもらう
誓約書は相手方に約束事や義務を課したい場合に行うものですから、押印するのは誓約する本人だけで良く、誓約を受けるものの押印は必要ありません。
しかし、押印がないと効力が認められないので、押印は必ず誓約者側にもしてもらいましょう。
誓約書を書く時の注意点②保証人を立てさせる
誓約書は、誓約事項の履行を担保するためにも保証人を立てる場合があります。
会社側も人件費や労力をかけて採用活動を行っているので、採用された人にやめないでくださいねという精神的な拘束をさせるために活用することができます。
そのため、入社誓約書の保証人として家族の著名をさせている企業が多いわけです。
しかし、入社誓約書には、法的な拘束力はありません。
あくまでも意思確認や内定辞退を防ぐためものです。
内定をいただいて、入社誓約書を提出したら、いくら法的拘束力がないとしても、企業側や家族に迷惑がかかるのは目に見えてます。そのため、入社誓約書を提出する際は、誓約書の内容をよく確認し、家族と話し合った上で決定するようにしましょう。
誓約書の保証人の話ですが、家族以外でも経済能力のある2親等以上なら大丈夫です。
シーン別の誓約書の書き方と例文
シーン別の誓約書の書き方と例文を見ていきましょう。
機密保持誓約書の書き方
機密保持誓約書は秘密保持誓約書と言われることもあります。
新入社員が入社時に提出する書類の中にもあるかもしれません。機密保持誓約書は、自社の製品情報や顧客情報など社外に漏洩されないように、社外にもらさないと固く約束してもらう書類になります。
実際に会社に勤務すると会社の製品情報や営業上の秘密、顧客情報、社員の個人情報など数多くの情報に触れることになります。
これらの機密を遵守してもらうため、守るために機密保持誓約書を記載してもらいます。
機密保持誓約書の書き方例文
機密保持契約書
〇〇株式会社御中
私は、貴社に採用されるにあたり、以下の事項を遵守することを誓います。
第1条(機密保持の契約)
私は、貴社の就業規則を遵守し、誠実に職務を遂行することを誓約するとともに、貴社の所有または管理する技術上または営業上の情報(以下「機密情報」といいます。)について、貴社の事前の許可なく、いかなる方法をもってしても、開示、漏洩もしくは使用しないことを約束致します。
第2条(機密の報告及び帰属)
私は、機密情報の創出、得喪に関わった場合直ちに貴社に報告致します。
機密情報が貴社の業務上作成または入手したものであることを確認し、当該機密情報の帰属が貴社にあることを確認致します。また、当該機密情報について、私に帰属する一切の権利について貴社に譲渡し、その権利が私に帰属する旨の一切の主張を致しません。
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_年_月_日
住所
氏名 ㊞
入社誓約書の書き方
会社が新卒採用や中途採用を行う場合、誰を採用するのかを決定します。
その採用された方が、簡単に辞退して他の採用に行かないように、採用決定の段階で会社が採用内定者に提出を求めるのが、入社誓約書です。
内容としては、入社指定日に必ず入社する文言の記載や入社までの住所変更、家族の異動など会社が求める書類の提出などを求める文言が記載されています。
新卒採用の場合は、卒業が採用の前提条件として提示されていることが通常です。
入社誓約書の書き方例文
入社誓約書
株式会社〇〇
代表取締役〇〇 〇〇殿
私こと〇〇 〇〇は、貴社の社員として、○年○月○日より勤務するにあたり下記の事項を遵守することを誓約致します。
記
1.貴社の就業規則および個人情報、秘密情報規則などの諸規則を守り、上長の指示にしたがい、誠実に勤務致します。
2.貴社の業務上の秘密情報および個人情報については、在職中はもとより、退職後も決して他に漏洩するようなことは致しません。また、自己または第三者のために使用致しません。
3.故意または過失により貴社に損害を与えた場合は、その損害について賠償の責任を負います。
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_年_月_日
住所
氏名 ㊞
離婚時の誓約書の書き方
離婚時の夫婦で交わす誓約書のことになります。
離婚誓約書とは言わずに離婚協議書とされることが多いです。
この誓約書には、離婚した後のトラブルを回避し、離婚後の義務を担保するようにさせる効力があります。
夫婦お互いに一緒に暮らしている間にお互いの努力で、お金を築きあげた夫婦共有財産制を前提として離婚する場合は、お金の分与が行われます。
離婚の原因を作った配偶者から、もう一方の配偶者に対して、慰謝料が支払いが行われることになります。離婚時点でお金の支払いが行われていればよろしいのですが、行われておらず後にお金の支払いが行われる場合、支払いを行う方の配偶者から、支払いを行う旨の誓約書を提出することになります。
夫婦の間に子供がいる場合に、成人するまでの学校への通学費や養育費支払いの誓約書も離婚時の誓約書の中に含まれます。この誓約書が残っていることで、養育費支払いの問題を回避することが可能になります。
離婚時の誓約書の書き方例文
離婚協議書
第1条 (離婚の合意)
夫〇〇〇〇(以下、「甲」)と妻〇〇〇〇(以下、「乙」)は、協議離婚することに合意し、下記の通り離婚協議書を取り交わした。
第2条(親権者)
甲と乙は離婚するにあたって子〇〇〇〇(以下、「丙」)の親権者を乙と定める。
第3条(養育費)
甲は乙に対し丙の養育費として令和○○年○月から丙が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金○万円を、丙の養育費として乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。
第4条(慰謝料)
甲は慰謝料として〇〇万円を令和〇〇年○月○日までに乙に支払うものとする。
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上記のとおり合意したので、本書二通作成し、甲乙各自署名押印の上、各自一通ずつ保有する。
_年_月_日
(甲) 住所
氏名 ㊞
(乙) 住所
氏名 ㊞
誓約書の書き方まとめ
誓約書は学校に入学する際や会社に入社する際など、あらゆるところで書く機会があります。
時には、家族にも保証人として名前を記載してもらい押印をしてもらうこともあります。
書類を書き提出することがあると思いますが、その際、内容をしっかりと確認し、提出先の学校や保証人として記載してもらった家族等に迷惑をかけないように注意しましょう。
この記事のライター
横山 峻己
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