復命書とは?報告書との違いや書き方を徹底解説
復命書と報告書の違いは?いつまでに提出すればいいの?という疑問をお持ちではないですか。聞いたことがないという方が大勢いる復命書。そんな復命書について報告書との違いや書き方を例文と合わせてご紹介しています。3分で復命書のイメージが湧きますので、まずはご一読を!
復命書とは?
復命書って何?いつまでに提出すればいいの?と思われる方が多いです。復命書とは、ある命令に対しての結果を報告するための書類です。ある命令とは、研修への参加命令とか海外視察命令などです。出張命令も含まれます。報告書とほぼ同じ使われ方をします。報告書との違いは後述しています。
また復命書は「命令書」と対になっている書類です。たとえば研修参加命令書や出張命令書の指示を受けて、研修終了時や出張後に復命書を提出します。復命書を採用している企業は多くなく、主に公務員の世界で使われています。いつまでに提出するのかについては、研修や出張が終わった1週間前後といわれています。
復命書を書く目的
復命書を書く目的は不正チェックです。命令書で予定されていた内容と、実際の内容を確認するのが目的です。なので従業員の管理をしっかり行っている企業&組織の復命書は、事細かに記載しないと認められない場合があります。また官公庁の復命書は情報開示請求の対象書類なので正確に作成する必要があります。
復命書と報告書の違い
「報告書と何が違うわけ?」と思われる方もたくさんいます。なので復命書と報告書の違いを具体的に説明していきます。
復命書と似たような書類に報告書があります。厳密には報告書と復命書は別のもので、報告書には「命令書」が存在しません。報告書は「内容を報告します」という意味の書類です。復命書は「内容を報告するとともに命令の職務を遂行したことを報告します」という意味があります。
そのため復命書がない企業があります。また官公庁などの公務員にとっては非常に重要な書類となります。というのも情報開示請求の対象書類だからというのと、復命書を提出しないと、いつまでも「出張旅費」が支給されないといったケースがあるからです。
連名の書き方について
連名する場合の書き方もご紹介します。
連名とは?
連名とは、複数人の姓名を並べて記載することです。たとえば代表取締役をはじめ役職や部署、または個人名を連名します。
連名で書類作成するときのルール
書類を連名で作成する場合は「役職順で記載する」「年功序列で記載する」「書式のバランスを整える」という3つのポイントをおさえておきましょう。役職と年齢が同じときは、文責者を最後に記載するのが一般的です。
所属している企業や役職、部署が異なる場合は、統一感がないため連名欄の書式が崩れやすくなってしまいます。なので連名欄の書式が崩れるようなら、行頭と行末の書式を整えるように意識しましょう。
復命書を書くためのポイント
3つの観点「研修復命書」「出張復命書」「公務員の復命書」からそれぞれ詳しく説明していきます。それぞれポイントが違うので注意して書きましょう。
復命書を書くためのポイント①研修復命書の書き方
研修復命書を書く際のポイントは2つです。資料やテキストを活用することと簡潔にまとめることです。
資料やテキストを活用
研修時に配られた資料やテキストを上手に活用しましょう。研修復命書のメインは、「研修概要」や「研修内容」です。研修時に受け取った資料やテキストを見ながら書くとスラスラ書けます。
たとえば「研修概要」には、開催日時やその日のスケジュール、講師プロフィールなどが記載されているので、「講師は誰?何時にどんな講義があったっけ?」というふうにいちいち思い出さなくてOKです。
簡潔にまとめる
たとえば介護研修は講義を聞く以外に、実演があります。またグループ討論で意見を述べたりもします。そうすると研修内容が濃くなり記載内容が膨大になります。ですが、あくまで復命書なので、命令書の「研修趣旨」や「目的」を参考に項目を簡潔にまとめましょう。箇条書きにすると、スッキリして見やすくなるのでおすすめです。
復命書を書くためのポイント②出張報告書の書き方
出張復命書を書く際のポイントは4つです。出張は研修と違いスケジュール通り進まないことがあります。なのでこまめにメモをとっておくと、後で苦労せずにすみます。たとえば何時何分に○○到着とか大阪駅から長野駅まで○○時間というふうに。
出張先を省略しない
出張先を細かく正確に書きましょう。どの経路でどこへ行き、誰と会ったのか。何をしたのか。必ず出張命令書と一致させましょう。
とはいえ多少のズレが生じるのは仕方のないことです。その場合は、めんどくさがらずしっかり変更があった旨を記載しておきましょう。未然にトラブルを防ぐためです。たとえば経費を浮かせたのではないか、時間調整をしてさぼっていたのではないか、と疑われるかもしれないからです。
複数の取引先を訪問した&複数の工場を視察した場合はすべて記載しましょう。 些細なことも省略せず記載しましょう。
時系列に沿って
時系列に沿って書くことが、非常に重要になります。時系列を見て無駄な時間を過ごしていないかを上司が確認するからです。移動時間はどのくらい?いつまで会議?いつまで商談?業務終了時間は?期間はいつまで?など時間の経過を逐一記載しましょう。
ここに中途半端な空き時間があると、経費を使ってまで出張した意義を問われる場合があります。なのでこまめに記録するなどして後で苦しまないように心がけましょう。
数字を意識
復命書は、命令に対しての報告なので、前述した時系列もそうなのですが、正確さが求められます。正確さを表すことができる文章には、数字が多めに含まれています。数字は説得力があるからです。たとえば「物凄く高級で高額な商品」と聞いてもピンときません。ですが「3億円の商品」と聞くと説得力が生まれます。
新幹線の乗り換えや乗り継ぎの時間を分単位で記入、出張先で出会った人の名前と人数、経費として使った金額など数字で記載しましょう。特に経費は慎重に正確な数字で記載しましょう。
出張者が写った写真を添付
出張者が写った写真を撮って添付しましょう。出張者が写った写真を添付することで、その者が確実に出張へ行ったことが確認できるからです。誰と会い何を見聞きしたのか、どんな意見交換をしたのかをメモに取り、出張者が写った写真が添付してあればバッチリです。
復命書を書くためのポイント③公務員の復命書の書き方
公務員が復命書を書く際のポイントは2つです。公務員の復命書は上司だけでなく開示請求される可能性があるのでしっかりと正確に作成しましょう。
命令書と一致させる
復命書を書くときのポイントは、復命書の内容と命令書の内容を一致させることです。命令を受けて、その命令を遂行したことに関する報告書が復命書なので、命令書と復命書の内容が一致している必要があります。
情報公開の対象
官公庁の復命書は、情報開示請求の対象となる書類です。なので復命書を書くときは、「一般市民にも読まれるかもしれない」ということを意識して書きましょう。命令を受けて行った事柄が、税金を納めている市民の生活にどう役立っているのかも考慮しておきましょう。
官公庁の公務員の復命書
復命書が官公庁で採用されているというのは前述したとおりですが、民間以上に書類の提出や書き方について厳格なルールが存在します。命令書と復命書は一対で処理され、復命書が未提出というケースはありえません。
特に公務員は、書類のルールを厳密に守らざるをえない立場なので、復命書の提出はより厳しく管理されています。
復命書の書き方
復命書には所感や意見など主観的な感想も求められます。今回の経験で、今後の実務にどのように役立つかなどを、実務と結びつけて考えてみましょう。
復命書の項目①報告年月日
提出日や出張に行った期間、研修などを行った日時を記載しましょう。数か月に渡る場合や年や年度を跨ぐ場合は注意して記載しましょう。
復命書の項目②報告者の氏名と所属・職名
部署の名前、役職、名前を記入します。もし出張中に部署を異動になった場合は、異動前の所属を記載しましょう。もし異動後の部署を記載した場合、開示請求があったときに「なんでこの部署の人がこの研修に行ってるの?」と無駄に追及されるからです。
復命書の項目③内容の詳細
メインとなる研修や会議だけを記載してしまうと、それ以外のスケジュールを上司が把握できないので、一日目から細かく書きましょう。復命書は管理する意味合いが強いので、疑われないようにしっかり報告しましょう。
復命書の項目④所感&意見
写真や資料があれば必ず添付しておきます。文書だけより、絵やグラフがあったほうがわかりやすいからです。また出張で得た知識を今後の業務にどう活かせるかという点を記載しましょう。感想のみで終わらないように気付きや意見、改善案があれば記載しておきます。
【シーン別】復命書の例文
研修復命書と出張復命書の例文をご紹介します。
復命書の例文①研修
(研修復命書の例文)
復命書
提出日:令和〇〇年〇〇月〇〇日
概要:介護業務の取り組み
研修内容:
・施設の案内
・介護支援の将来性と重要性
・介護医療のデモンストレーション
所感:
日本の高齢化は世界的にも問題視されており、2050年に3人に1人が高齢者という社会が到来します。医療技術の発達でさらに平均寿命が延びるといわれており、いつまで高齢化社会が加速し続けていくのかわからない状況です。今後ますます高齢化社会へと近づいていく中で、介護サービスの質を今まで以上に見直す必要があると感じました。民間のみでなく政府主導の人材育成に力を入れるべきだと思います。
復命書の例文②出張
(出張復命書の例文)
日時:令和〇〇年〇〇月〇〇日~〇〇月〇〇日(二泊三日)
氏名(所属):山田 太郎(第二営業部)
出張先:〇〇県〇〇市 スマートドキュメント本社
目的:〇〇年度経営会議(前年度業績検討会、来期方針発表等)
結果報告:
(1)出席者(営業本部長以下 204名)
(2)スケジュール(※詳細は別紙参照)
・一日目:「前年度業績検討会」(添付の配布資料あり)
・二日目:「来期方針発表」
(3)その他連絡事項
経路および経費: 詳しく記載
復命書の書き方と例文まとめ
いかがでしたか。復命書について何となくイメージが湧いてきましたか。復命書とは研修や出張が終わったことを知らせる書類でしたね。「ん?ちょっと待ってくれ!結局、報告書とどう違うの?」に関しては命令書があるかないかという点と、主に官公庁で採用されているという点です。最初から立派な復命書は書けないので、過去に上司や先輩が書いたものを参考にして書いてみてはどうでしょうか。
この記事のライター
松田佳祐
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