申立書とは?書き方と例文をご紹介
市役所の窓口で、「申立書が必要です。」なんて言われて、びっくりした経験はありませんか。 読み方は、雛形はあるのか、裁判のことか、手書きできるのか、弁護士にお願いするのか、と、ちょっとしたパニックになりますよね。 ここでは、申立書について詳しく説明します
申立書とは?
読み方は、「もうしたてしょ」です。読んで字のごとく、申し立てる書類のことです。
裁判のことを連想したからといって、間違いではありません。裁判所に出す書類にも、申立書が必要な場合もあります。
裁判所に出す書類は、おおまかに2種類あって、1つが申立書で、もう1つが訴状です。
参考までに説明すると、調停が必要なときは、申立書、裁判が必要なときは、訴状が必要になります。
では、役所に出す申立書はどういうときに必要かというと、何らかの申請において、イレギュラーなケースがあり、申請書だけでは、役所に伝えられないことがあるときです。
その伝えられない事柄を、申立書に書いて、申請書の補足をするのです。
例えば、ある制度を利用するときに、役所に申請する必要があるとします。
通常は、申請書の記載を進めていくことで、制度の要件を満たしているかがわかるようになっています。
年齢だったり、世帯状況だったり、所得状況だったり、と必要な情報を記載していきます。すると、事実上、制度の要件に該当していても、申請書の内容では、要件を満たしていないと、役所では受理さえもしてくれない時もあります。
そういうときに、事実を記載して、制度の要件を満たしていることを申立するのが申立書です。
申立書が必要なケース
申立書は、それぞれのテンプレートや雛形が用意されている場合がほとんどですが、それぞれの手続きでそれぞれの申立書が必要になりますし、手続きの内容によって、書き方もかわります。提出先も市役所だけでなく、社会保険庁、法務局等と、さまざまな提出先があります。
ここでは、よくあるケースを取り上げて、具体的な例をみてみましょう。
申立書が必要なケース①児童手当
児童を養育している親等に、児童手当が支給されます。児童手当の申請の要件に、生計を一にし、監護していることというのがあります。
単身赴任等により、市役所で同居が確認できような場合、申立書により、要件を満たしていることを、補足する必要があります。
申立書が必要なケース②保育園入園申込
保育園の入園には、家庭で保育できない理由が必要になります。
例えば両親のいずれかが就労しておらず、他の理由にも該当しない場合は、保育園に入園した後、就職する予定であれば、その旨の申立書が必要になります。
市町村によっては、就職内定を条件とするところもあります。
申立書が必要なケース③登録免許税の軽減のための家屋証明書
住宅を購入した際に、所有権の登記に必要になる登録免許税ですが、これを軽減する措置があります。
その時に必要となる家屋証明書は、居住用の家屋であることを証明するため、住民票で居住していることを確認しますが、例えば中古物件等で、まだ全所有者が転居しいないため、入居できないという場合は、申立書により、その旨を伝えます。
申立書が必要なケース④扶養の手続き
社会保険庁や健康保険組合において、不要の手続きをする際、例えば、別居中のため、住民票で扶養の事実の確認ができない場合には、申立書を添付します。
単身赴任であったり、進学等で子供が親元を離れていたりするケースです。
申立書の書き方
ほとんどの場合、市役所等のホームページで、申立書の様式や雛形を見ることができますので、記載例のとおりに記載します。
しかし、様式や雛形が用意されてなくて、自分で手書きをする場合には、申立書に記載する必要のある項目は以下のとおりです。
申立書の項目①申立の内容
繰り返しになりますが、申立書は申請書の補足ですので、申請書で不足の箇所を明確にして、記載してください。手書きになると、書いているうちに、ついつい長くなりがちですが、事実のみを簡潔に書いてください。
注意するところは、申請書との整合性です。よく読み返して、つじつまがあうか確認してください。
内容によっては、内容を証明する添付書類が必要になることもありますので、あらかじめ提出先に確認しておくとよいでしょう。
申立書の項目②申立人の住所・氏名
基本的には申請する人が、申立人になりますが、内容によっては、別になることもありますので、誰が誰に申立するのかをよく考える必要があります。氏名に捺印が必要です。
申立書の項目③申立の日付
基本的には申請する日付と同じになりますが、これも内容によっては、別になることもありますので、内容をよく確認してください。
コピーして使える申立書の例文・テンプレート
実際に、申立書を手書きするとして、最も頭を悩ますのは、文言だったり、言い回しだったりするとお思います。
ここでは、コピーして使える申立書の例文・テンプレートをいくつか紹介します。
申立書の例文①児童手当
「私は、支給要件の児童と別居しておりますが、監護し、かつ生計を同じくしていることについて、事実で あることを申し立てます。」
申立書の例文②保育園入園
「私は、現在育児のため就労していませんが、長男が保育園に入園した後、就職活動し、就労するため、家庭で保育できない旨申し立てます。」
「私は、現在育児休暇中であり、4月から復職する旨相違ありません。」
申立書の例文③家屋証明書
「私が取得した家屋は、現在、全所有者が居住しており、○年○月○日までに転居した後、ただちに入居いたします。」
申立書の例文④扶養
「長男○○○◯は、大学進学のため、現在別居中ですが、月仕送り○○○◯円を生活費として送金しています。」
「出産のため、平成○年○月○日に会社を退職したため扶養を必要とするため」
「18歳以下の学生であり扶養を必要とするため」
「65歳以上で無収入(年金収入のみ)であり、自身で生計を維持できないため」
申立書の例文⑤その他
「私は、住民票上、父○○○◯と、同居となっていますが、現在就労のため、下記の住所に居住している旨相違ありません。」
申立書のテンプレート①
○○年○◯月○○日
○◯○○○◯
○○○◯ 様
申立書
住所 ○◯○○○◯
氏名 ○○○◯ 印
私は、○○○◯○○○◯○○○◯の旨、申し立ていたします。
申立書のテンプレート②
○○年○◯月○○日
○◯○○○◯
○○○◯ 様
申立書
住所 ○◯○○○◯
氏名 ○○○◯ 印
○○○◯の件につきまして、下記のとおり相違ありません。
記
⒈ ○○○◯○○○◯○○○◯
⒉ ○○○◯○○○◯○○○◯
⒊ ○○○◯○○○◯○○○◯
以上
申立書の書き方まとめ
- 読み方は、「もうしたてしょ」
- 申立書は、申請書を補足するための添付書類
- 裁判所に提出する申立書は調停のためのもの
申立書の項目
- 申立の内容
- 申立人の住所・氏名
- 申立の日付
- 読み方から、テンプレートまで、申立書について説明しました。
- 申立書は、申請書だけでは疑義が生じるような場合に必要となる補足のための添付書類です。事実関係を整理して、明確な申立書を作成して、スッキリと受理してもらい、スムースに申請しましょう。
この記事のライター
sugahara michiaki
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