テレワークの意味とは?テレワークのメリットやデメリットについてご紹介!
新型コロナウイルスの影響で非常事態宣言が出され、外出自粛をするなかでテレワークを実施する企業が増えていますが、どういったメリットデメリットがあるのでしょうか? テレワークにもいくつかの種類があり、それぞれ特有のメリットデメリットがあるので、注意が必要です。
目次
テレワークとは一体何?
新型コロナウイルスの影響で会社に行かずに働くテレワークが求められています。
「いまさらだけどテレワークとはなんぞや」という方におすすめの記事です。
テレワークとは、オフィスに出勤せずに、インターネットを使って自宅やカフェなどで仕事をすることです。
テレワークの起源は?
テレワークは「テレ」(遠く)と「ワーク」(働く)を組み合わせ「遠くで働く」という意味を持たせた造語です。
「テレ」は「テレビ」や「テレフォン」などにも使われています。
リモートワークとの違いは?
よく似ている言葉に「リモートワーク」というものがあります。
「リモートワーク」と「テレワーク」の違いとは何でしょうか?
ぶっちゃけ、意味の違いはほとんどありません。
「リモートワーク」も「リモート」(遠く)と「ワーク」(働く)の造語で、日本語に訳すとどちらも同じだからです。
英語圏の人から見たら「テレ」と「リモート」の使い方が違うのでしょうが、同じように訳すのであれば、大半の日本人にとって同じものと考えて良さそうです。
テレワークの種類5つ
テレワークは働き方によって大きく「雇用型」と「自営型」に分かれていますが、そのなかでさらに分けると、次の5つに分類されます。
- モバイルワーク
- 在宅
- SOHO
- 内職副業型
- 施設利用型
テレワークの種類①モバイルワーク
モバイルワークとは従業員の自宅や電車などで移動しているときにパソコンやスマートフォン、タブレットを使って働くタイプのテレワークです。
主に営業職で採用されています。
モバイルワークの課題・デメリット
採用するためには、社外からオフィスのパソコンにアクセスできるリモートアクセスシステムや業務報告を社外から送ることができる業務報告システム、業務ログ管理システムを導入していく必要がありますので、会社が負担する費用や労力が大きいと言えます。
テレワークの種類②在宅
自宅で働くタイプのテレワークです。
職場との連絡は主にメールやチャットツール、情報共有アプリなどを使います。
月の数日だけ在宅勤務にしたり、逆に月に数日だけの出社でOKにしたり、午前中だけ出勤にしたりと、柔軟に働き方を変えることができます。
在宅勤務の一番のメリットと言えば、通勤・帰宅時間が発生しないことです。
家を離れる時間が少ないので、育児や介護をしながらでも仕事を続けることができます。
ワーク・ライフ・バランスが最適化され、生産性が向上したり、優秀な人材を退職させずに済みます。
在宅の課題・デメリット
家事や育児、介護が気になったり、働くためのスペースが狭かったりして、思うように仕事が進まないかもしれません。 仕事をする時の電気代などは普段の生活費と分けることは難しく、従業員が負担する課題があります。
テレワークの種類③SOHO
SOHOとは、独立性の高い自営業型のテレワークを指します。
特定の事業に従事し、個人事業主的な経営意識があるため、専従性、独立自営の度合いが高いのが特徴です。
営業活動や宣伝活動にも積極的で必要があれば自宅やレンタルオフィス以外の取引先にも出向くことがあります。
SOHOの課題・デメリット
収入が安定しにくく、ビジネスの疑問や課題を自身で解決しなけらばならないというデメリットがあるので「自分で決めたい、責任を持ちたい」方におすすめ。
テレワークの種類④内職副業型
SOHOに比べて、専従性や専門性が低い業務を中心に副業として働くテレワークを内職副業型といいます。
内職副業型の課題・デメリット
クラウドソーシングなどのインターネットで仕事を探し収入も低いことが多いです。
テレワークの種類⑤施設利用型
カフェやレンタルオフィス、サテライトオフィスなどの施設を利用することが多いタイプのテレワークは通勤時間が発生しますが、基本的に本来のオフィスに出勤するのに比べて短くなります。
レンタルオフィスなら周りに同じように働く人がいるので、孤独を感じにくく、自宅に作業スペースを作ることができない人にとって最適と言えるでしょう。
職場のオフィスとして利用できるサテライトオフィスを設けることで、出張している従業員たちが臨時拠点として活用できるのは、企業にとってもメリットです。
その場合、家賃が発生することがありますが、郊外に設けるなどしてコストを抑えます。
ちなみに「サテライトオフィス」とは本社、本拠地から離れた場所にあるオフィスのことです。
施設利用型の課題・デメリット
働く環境によっては、不正アクセスのリスクがあったり、画面を盗み見られる可能性があるので、従業員教育やセキュリティ対策を十分にしなければならないというデメリットもあります。
テレワークのメリット
テレワークによって、さまざまなメリットがあります。
今までの働き方を改革するのでスムーズに移行させることは課題ですが、テレワーク制度を導入する価値は十分にあります。
テレワークのメリット①コストを削減できる
オフィスに従業員が出勤することを減らすことができます。
これに伴い、通勤手当や水道光熱費などの各種コストだけでなく、オフィス自体の規模を縮小させることで、家賃などの経費も抑えることも可能です。
テレワークのメリット②業務効率化
テレワークにより、従業員のムダな時間を削減することができます。
例えば、テレワークで働く営業職がいるとします。
このとき従業員は営業先に直行して、終わったら直帰します。
いままでは、終業時間まで時間が空いていたら、一度会社に戻り、終業時間になってから帰っていたのではないでしょうか?
テレワークを採用することで、社外で仕事ができるので、会社に戻るムダな時間を減らし、効率性が向上します。
テレワークのメリット③離職リスク防止
親の介護や出産、育児、自身の病気や障害によって、なくなく仕事を辞める人達が増え、社会問題になっています。
テレワークなら自宅でも仕事をすることができるので、そうした事情がある従業員たちもそのまま働き続けます。
離職率の低下が見込まれ、代わりの人員を採用するためのコストや教育にかかるコストを抑えることにもつながります。
テレワークのメリット④ストレス削減
通勤、帰宅ラッシュで毎日のように満員電車に乗ったり、渋滞に巻き込まれてストレスを感じていませんか?
それが原因で仕事やプライベートに影響が出てしまうことも。
リラックスできる自宅や近所のカフェなどで仕事をすることで、通勤に伴うストレスが減り、生産性を高めていきます。
テレワークのメリット⑤非常時における事業継続
新型コロナウイルスをうけての緊急事態宣言下の外出自粛や地震や台風などの災害など、仕事だけでなく、買い物にすら行けないような状況でも仕事をしなければ、資金繰りが悪化し会社が倒産してしまいます。
テレワークならそうした状況でも会社の活動を続けることができるので、外出自粛中でも推進されています。
テレワークのデメリット
これら以外にもメリットがありますが、働き方を変えることで、どうしても課題が出てきます。
実際にテレワークを導入すると細々とした課題がでてくると思いますが、主要なものだけでも紹介させてもらいます。
テレワークのデメリット①会議の実行が困難
従業員が出勤せずにいると、会議の実行が困難になるというデメリットがあります。
テレワークを導入しているのに、会議のたびにオフィスに出勤してもらうのは本末転倒。
社内情報の共有や企画の詰めをしたいのであれば、簡単にリアルタイムの会話を始めることができ、大人数でも問題がない、Zoomなどのツールを使うのがいいと思います。
「Zoomとはなに?」と考えている方は、「Zoomを使ってweb会議!導入方法や使い方を徹底解説」をご覧ください。
ただし、不正アクセスなどの問題が起きることがあるので、高いセキュリティ性を備えているものを選んでほしいです。
Zoom以外にもおなじみのSkypeでも同様のことができるので、そちらもおすすめです。
Skypeでweb会議を開くやり方については「Skypeでweb会議ができる!やり方を徹底解説」をご覧ください。
テレワークのデメリット②プロジェクトの管理の課題
テレワーク従業員や部署の垣根を超えたプロジェクトがあるとき、どうやってプロジェクトを管理するべきか、という課題があります。
こちらもZoomや情報共有アプリでプロジェクトメンバー間で進捗管理の共有やコミュニケーションを緊密にしていく必要があります。
情報共有アプリとは、従業員が持つそれぞれの情報や資料を共有することで生産性や効率性を高めるアプリです。
詳しくは「社内での情報共有は重要!メリットも併せて解説」をご覧ください。
テレワークのデメリット③社員の勤怠状況を管理することが難しい
テレワークは社外で働くことを推進しているので、勤怠管理が課題です。
いつから仕事を始めたのか
いつからいつまで休憩しているのか
いつ終業したのか
仕事をサボっていないか
会社側も管理が課題ですが、テレワークで働く従業員も自宅にいるので就業時間を自分で管理しなければなりません。
サボる時間が長くなってしまったり、逆に仕事に集中しすぎていつまでも仕事を続ける、なんてことも。
本来であればプライベートの空間で仕事をしなければならないので、それがストレスになってしまうことにもなりかねません。
テレワークのデメリット④同僚たちとのコミュニケーション不足
今まではオフィスに出勤していたので、同僚や上司、他部署の人たちとコミュニケーションをとりながら仕事をすることができました。
しかし、テレワークではコミュニケーション不足が課題になります。
従業員側が孤独を感じたりして、逆にストレスになってしまうこともあります。
テレワークのデメリット⑤テレワークにかかる費用の補償
会社は従業員が自宅で働くことでかかる費用を補償しなければなりません。
本来であれば会社が負担するべき水道光熱費を従業員が払っているからです。
パソコンを使えば、電気代がかかりますし、インターネット代もかかります。
仕事ができない自宅環境であれば、近所のカフェやレンタルオフィスなどの施設で仕事をするかもしれません。
こうした費用を会社がどのように保障するべきか考えていかなければなりません。
厚生労働省の「テレワーク導入ための労務管理等Q&A集」によると、水道光熱費は業務使用分との切り分けが難しいので、「テレワーク勤務手当」に含めて支払っている企業もあるとのことです。
テレワーク導入実例
テレワーク導入事例①セゾン自動車火災保険株式会社
セゾン自動車火災保険株式会社では、働き方改革の一貫として、2017年2月から企画系の部門の在宅勤務を試験的に実施しました。
結果、在宅勤務が生産性向上に効果があることが判明し、17年10月から企画系部門のほか、営業部門、システム部門、監査部門などに対象を広げ、9名がモデル実証事業に参加しました。
利用回数や書類の持ち帰りなど規則を定め、インターネット環境があれば、テレワークできるようにし、導入可能なことからチャレンジして検証していくことに。
情報保全を重視してるため、セキュリティ性を高めていきましたが、その中で課題を把握するための効果検証を行いました。
業務上の工夫が必要でしたが、自宅での作業は中断される要因が少なく、集中できるといった利点もあり、生産性が向上しました。
検証中にケガをした従業員もいましたが、テレワークの活用によって、業務遅滞を起こさなかったことから会社にとっても効果が実証されたと考えられました。
テレワーク導入事例②プーマジャパン株式会社
世界的に有名なスポーツブランドの日本法人のプーマジャパンはダイバーシティを推進知る原動力として働き方改革を目指しました。
日本の労働人口が減少していくなか、誰もが働きやすい職場環境を作るため、社員だけでなくその家族も大事にする環境を整えるためテレワークを導入しました。
テレワークの種類は在宅勤務とサテライトオフィス勤務の2種類。
職種や年齢、経歴など多様な要素を持つ14名を選びました。
仕事用にスマートフォンとノートパソコンを貸し出している社員を対象としたため、新たに支給した機器はなく、セキュリティ性を高める仕組みを構築しました。
勤怠管理をどうするかという課題には、在宅勤務中は必ず指定のシステムを立ち上げて、いつでも連絡が取れるようにしたことで解決しました。
効果については実証後のアンケートで確認し、コミュニケーションやセキュリティ、生産性などすべての項目でテレワーク実施者と管理者の双方で高い評価を得ることができました。
実証前に課題視されていたことがほぼ払拭され、好意的な声が寄せられました。
テレワークに役立つツール・アプリ紹介
何度か紹介したZoomや情報共有アプリだけでなく、グループウェアもテレワークに役立ちます。
無料で使うことができるグループウェアを紹介している記事は「無料のグループウェア10選!導入のメリット・デメリットも徹底解説」にありますので、ご覧ください。
テレワークに役立つグッズ
職種によって変わりますが、基本的にはパソコン(スマホでも可)とインターネット環境があればテレワークができるようになります。
しかし、効率を上げたり、気持ちよく仕事をするのに役立つグッズを紹介させてもらいます。
テレワークに役立つグッズ①スタンド型スマホ充電器
傾斜を調整できるので、着信や通知を充電したまま確認できるだけでなく、そのままweb会議を開くのに便利です。
長時間でも充電したままなら、バッテリー切れを気にせずに済みます。
テレワークに役立つグッズ②ノイズキャンセリングイヤホン
周りがうるさいときにおすすめなのが、ノイズキャンセリングイヤホン。
環境音を遮断してくれるので、集中力を途切れさせないで仕事をすることができます。
マイクが付いているものなら会話も相手に伝わるので、密度の濃い会議ができるはず。
テレワークに役立つグッズ③圧力分散クッション
テレワークをしていると一日中椅子に座りっぱなしなんてことも珍しくありません。
お尻や腰を痛める前に、圧力分散機能があるクッションを試してみませんか?
とくに自営業をしているなら身体を大切にしたいですね。
テレワークのメリットデメリットまとめ
新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業が増えているなか、メリットデメリットをメインに紹介させてもらいました。
主なメリットには、コスト削減や効率化、働き方改革などがあり、課題としては従業員同士のコミュニケーションをどうやってとるか、勤怠管理はどうするか、テレワークの負担をどう補償するかといったものがあります。
テレワークの種類によっても特有の課題があるので、注意が必要です。
この記事のライター
U11
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