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知っておきたい定款変更の具体的な方法を種類別にご紹介!

会社の設立時に作成した定款ですが、事業目的の変更など定款を変更する必要になったとき、どのような手続きをするのでしょうか。公証人役場に行くのか、法務局に行くのか、やはり行政書士や司法書士に依頼するのか。知っておきたい定款変更の具体的な方法をご紹介します。

知っておきたい定款変更の具体的な方法を種類別にご紹介!

目次

  1. 定款変更とは?
  2. 定款変更の種類3つ
  3. 定款変更の方法
  4. 登記申請が必要となる定款変更の事項とは
  5. 定款変更まとめ

定款変更とは?

会社の設立に必要となる定款ですが、定款変更となると、その最初に作成した定款を直に変更するということとは少し意味合いが異なります。会社設立時に作成する定款を原始定款といいますが、その原始定款を変更するわけではありません。定款変更とは定款を変更するということを決定した株主総会の決議のこといい、それを議事録にして保存することです。定款は会社の根本規範となりますので、その変更には会社の最高意思決定機関である株主総会の決議が必要となるわけです。

変更については、一部の文言の加除から、全文を変更することも可能です。

会社設立時に原始定款を作成した後、公証人役場で認証する必要がありますが、定款変更にはその認証は必要ありません。

定款変更によって、登記簿に記載された内容も変更しなければならい場合もあります。その時は、法務局で登記する必要があります。しかし、定款変更しても登記の必要ない場合もあります。また、定款変更はしていなくても、登記する必要がある場合もあります。一言で定款変更といっても、変更する内容によって手続きは異なるため注意しなければなりません。

定款変更の種類3つ

定款変更は、その変更する内容によって、3つに分類されます。

  • 法務局で登記が必要な変更
  • 法務局で登記が必要のない変更
  • 定款変更は必要なく登記が必要な変更

定款変更の種類①法務局で登記が必要な変更

法務局で登記が必要な変更は、以下のとおりです。

商号変更

事業目的の変更

会社の住所変更

株式についての変更

広告方法の変更

取締役会の設置・廃止

支店の移転や設置・廃止

監査役の設置・廃止

組織の変更

商号変更は、会社名を変更することです。一般社団法人から株式会社に法人の種別を変更した場合も、「一般社団法人〇〇〇〇」から「株式会社〇〇〇〇」への商号変更になります。

事業目的の変更は、新しい事業展開、買収により事業目的を追加するようなケースが考えられます。また、許認可申請のために、定款に必要な事業目的の記載がないと許認可が下りないことがあります。定款変更は総会での決議が必要なため、できるだけ定款変更は行いたくないものです。そこで、設立時におおまかな事業目的しか記載していいないというケースがあります。そうなると、許認可申請で引っかかってしまい、結局は定款変更することになります。

会社の住所変更は、同じ法務局の管轄内であれば申請は一つですが、管轄外への住所変更であれば、それぞれに申請が必要になります。

定款変更の種類②法務局で登記が必要ない変更

法務局で登記が必要ない変更は、決算期の変更です。法務局で手続きの必要はありませんが、税務署へ異動届出書の提出が必要です。決算期の変更は、法人税の申告納税期限が変更になりますので、注意しなければなりません。また、合わせて地方税の申告納税期限も変更になりますので、都道府県、市町村への届出も必要になります。

定款変更の種類③定款変更は必要なく登記が必要な変更

取締役、監査役の就任・重任・辞任・退職・改姓・住所変更と資本金の増資・減資については、定款変更にはなりませんが、登記が必要になります。

なお、法務局で登記が必要な変更、定款変更は必要なく登記が必要な変更についても、税の変更が生じる場合は、税務署、都道府県、市町村に届出は必要となる場合があります。

定款変更の方法

定款変更の方法については、定款変更の種類によって異なります。ここでは、定款変更の種類別に定款変更の方法について解説します。

定款変更の方法①法務局で登記が必要な変更

定款を変更するには株主総会で定款変更の承認を得る必要があります。定款変更は総会の決議をもって、定款変更となるからです。そして、申請、届出の手続きにはその総会の議事録を提出しなければなりません。

法務局で登記するには、登記申請を行います。変更の内容によって登記申請書を作成し、総会の議事録を添付します。登記申請には、3万円から9万円の登録免許税がかかります。

法務局ホームページ[株式会社変更登記申請書(商号の変更)]より

定款変更の方法②法務局で登記が必要ない変更

法務局で登記が必要な変更と同様に、株主総会の決議が必要です。法務局で登記が必要ない変更は、決算期の変更ですが、税務署もしくは都道府県、市町村への異動届出が必要になります。同様に議事録を添付します。

なお、定款変更により、異動届出が必要な変更は、決算期の変更の他にもありますので、それぞれの税によって確認する必要があります。

定款変更の方法③定款変更は必要なく登記が必要な変更

取締役、資本金についての変更は、定款変更になりませんが、登記簿に記載されている事項ですので、法務局で登記する必要があります。同様に総会の決議が必要です。登記申請には、同じく議事録を添付します。

役員の就任については、添付する就任承諾書に押印します。これはいわゆる実印で、添付する印鑑証明書の印と同じものになります。そして、同じく添付する議事録にも役員の押印が必要ですが、これも同じ印が必要になります。役員の就任の登記申請には議事録の印に注意しなければなりません。

登記申請が必要となる定款変更の事項とは

登記申請が必要となる定款変更の事項について説明する前に、定款ついておさらいしたいと思います。定款に記載する事項として、「絶対的記載事項」、「相対的記載事項」、「任意的記載事項」という3つがあります。

  • 絶対的記載事項は、定款に必ず記載しなければならない事項です。目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資された財産の種類またはその最低額、発起人の氏名または名称及び住所、発行可能株式総数があります。

相対的記載事項は、定款に記載されていなければ効力の生じない事項や、定款に記載されてはじめて有効になると解釈されている事項です。現物出資、財産引受け、発起人の報酬その他の特別利益、株式会社の負担する設立に関する費用、株式譲渡制限などです。

任意的記載事項は、絶対的記載事項と相対的記載事項のほかに、法律の規定に違反しないものを記載した事項です。設立時発行株式に関する事項、取締役会召集取締役、会計参与の報酬等、事業年度、株式の名義書換手続、取締役会の人数、提示株主総会の召集時期などがあります。

一方で、商業登記する上で必ず登記しなければならない事項があります。商号、本店及び支店の所在場所、目的、資本金の額、発行可能株式総数、発行済株式の総数並びにその種類及び数、取締役の氏名、代表取締役の氏名及び住所、公告方法についての定めがあります。また、定款などで定めている場合等に登記すべき事項もあります。存続期間または解散事由の定め、発行する株式の内容、単元株式数などです。

このように、定款の記載事項は会社法、登記の記載事項は商業登記法と、法律が異なるため、定款変更の内容によって定款変更の方法が異なるのです。

定款変更まとめ

定款変更について解説しました。定款の記載事項と、登記の記載事項が一致しないため、変更方法が複雑になってしまいます。ですが、解説したとおりのパターンで考えれば難しくはないと思います。

いずれにせよ、定款は会社の根本規範になる需要なものです。定款変更は株主総会という会社にとっての最高意思決定機関の決議が必要となる重大なものだということを忘れてはいけません。

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