顛末書の書き方は？始末書との違い/社外/例文/書式

顛末（てんまつ）という言葉をご存知ですか？顛末の「顛」という漢字は、てっぺんや物の先端といった「はじまり」という意味があります。「末」は末っ子とか幕末という使われ方をされていて、「おわり」という意味です。

もうなんとなく想像できますよね。顛末とは物事の「はじまり」から「おわり」を指し示す言葉です。そして顛末書とは仕事で起きた不祥事を説明するときに、会社に提出する書類のことです。 

顛末書と始末書は同じような性質がありますが、正式には異なる使い方をします。一言で表すと顛末書は説明文で、始末書は反省文です。

顛末書は、トラブルが発生した際に、事の発端から終息までを客観的に伝えるのが目的で、事件の一部始終を伝えるために作成する文書です。一方、始末書は、「本当に申し訳ございません。」と反省を伝える文書です。

顛末書を作成するのは主にトラブルや不祥事を起こした人です。ですが事件を客観的に伝えることができる人が作成することもあります。もし「顛末書を書いといて」と上司から言われたら困りますよね。押さえておきたいポイントを3つご紹介します。 

5W1Hを意識して作成しましょう。5W1Hは学校で教わりましたよね。5W1HとはWho、When、Where、What、Why、Howを指し示す言葉です。「だれが」「いつ」「どこで」「なにを」「なぜ」「どのように」と意識して文書を構成すると伝えたい情報の主旨を抜け目なく伝えることができます。

たとえば「捕まった」だけでは状況が理解できません。ですが「昨日、兄が飲酒運転で警察に捕まった」という5W1Hの文章だと状況が伝わります。なので5W1Hが含まれた文書を作成しましょう。

主観的な意見を書くのは控えましょう。主観的な意見とは「申し訳ありません」や「反省しています」のような言葉です。というのは顛末書に求められているのは客観的かつ公正な視点からの情報だからです。なので事件の詳細を淡々と述べましょう。「申し訳ありません」や「反省しています」というのは始末書に求められる言葉です。

誰が見てもわかりやすいように作成しましょう。たとえば、赤ワインを詳しく説明する際に「ミディアムボディ」や「フルボディ」といった言葉が出てきますが、これらの言葉を使用するときは、それぞれの言葉の意味を説明しておかないと非常に理解しにくい文書になります。

顛末書も同じで、現場の人間だけにしか理解できない言葉で作成したら、わかりにくくなります。意識してわかりやすい文書になるように作成しましょう。

「具体的にはどう作ればいいの？」というわけで顛末書に必要な項目をご紹介します。

書類の作成日または提出日を記載しましょう。また作成者の担当部署名と氏名が必要です。

主に社長宛てに書くことが多いです。場合によっては支店長や所長宛てなどの場合もあります。職場によって様々なので上司に確認しましょう。

「顛末書」という記載を中央に記載しましょう。 

一目で顛末書の内容が分かるように記載します。

 「記」を中央に記載しましょう。  

トラブルの概要詳細や今後の対策など、顛末書のメインとなる項目です。事実の把握「いつ、だれが、何を、どこで、なぜ、どうした」といった５Ｗ１Ｈ（When, Who, What, Where, why, How）にそった文章を意識して作成しましょう。 

最後は「以上」と記載します。手紙では「敬具」で終わりますが顛末書は「以上」で終わります。

顛末書の例文をご紹介します。社外向けと社内向けで少し内容が異なります。

以下は社外と共有する顛末書の例文です。

一方、社内のフォーマットは以下のようになります。社外用の顛末書と違うところは社内の関係者しか見ないので社名は不要です。社外用は事細かに説明した文章になりがちですが、社内用は社外用に比べて省略して書くことができます。

顛末書の書式は会社ごとに決まっていることが多いです。手書きかPCかも会社ごとで決まっていたりします。ですが一般的に重要でない文書ほど手書きではないでしょうか。その証拠に日報などの簡単な書類は手書きです。重大な不祥事であるならPCで、そうでないなら手書きで作成するのが良さそうです。

また社外に提出するときは添付資料と共に封筒に入れて提出します。一般的には縦長の定形和封筒で白地、二重袋の様式を選ぶことが多いです。宛名を封筒の表面に、裏面に作成者名を記入しましょう。 

この記事の冒頭で顛末書と始末書は違う、という話をしました。ですが実際は顛末書と始末書を同じ書類として扱っている会社が多いのが現実です。多くの会社が顛末書兼始末書として扱っています。なのでこの記事を参考に職場のルールに合わせた書類作成を行ってみてください。