企業と株主にはどのような関係が?株主の権利や企業との関係性を徹底解説
株主にはどんな意味があるのか。またどういった権利やメリットがあるのか。この記事では「企業と株主にはどのような関係が?株主の権利や企業との関係性を徹底解説」について解説しています。3分で読み終えるので、ぜひ目を通してみてください。
株主とは?
株主とは会社に資金を提供して、その見返りに株式を手に入れた出資者のことです。
東京証券取引所などの取引所で売買されており、企業の業績で変動するのが株式。
資金調達しやすいという企業側のメリットと、見返りが期待できるという株主のメリットが一致している制度です。
株主は保有している株式に応じて権利を持っていて、たとえばSmartDocument株式会社の発行株数の5%を購入すると、5%の権利が手に入ります。
もし全ての株式を購入したら、その企業はあなたのものです。
会社に出資して、株式とともに権利を受け取り報酬を受け取る。もちろん会社が倒産すれば、今までの出資は水の泡ですが…。
出資には一定のリスクがありますが、会社の株主になれば会社の方針に意見できるだけでなく、配当金&株主優待やさまざまな権利が得られます。
企業と株主の関係性
企業と株主の関係性は「企業が誰のものなのか?」という問いがわかれば、おのずと見えてきます。
企業は誰のものなのか?
結論から言うと、上場企業に限りますが企業は株主のものです。
ひと昔前だと会社は社長や従業員のもの、という認識が一般的でした。
ライブドアがニッポン放送の筆頭株主になって揉めたニュースを見て「会社は社長と従業員のものじゃないの?同意なしに会社って買えちゃうわけ?」と思った人も少なくないはず。
法的にも会社は株主のものです。株式会社の始まりを見ても株主のものです。
世界初の株式会社をご存知でしょうか。
映画「パイレーツオブカリビアン」に登場した東インド会社が、最初の株式会社だと言われています。
ヨーロッパの大航海時代、コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは有名な話ですよね。
その当時、多くの船乗りが新大陸を目指して出向しました。
コロンブスもそのうちの一人ですが、今とは違い航海には莫大な資金がかかります。
そこで王室に直談判し「私たちに資金援助をお願いします。見返りに新大陸で手に入れたものを差し上げますので。」と伝え資金調達していたというわけです。
現代の株式会社に置き換えてみると、コロンブスが社長で王室が株主という構図です。
株式を発行する意味とは
株式を発行する意味は、手軽に資金調達できるというところに意味があります。
資金繰りが苦しくて大至急お金がいる。
新規プロジェクトに専念したいのに出資者を探さなければいけない。
そんなとき株式を大量に発行すれば、容易に資金調達できます。
ですが発行しすぎると思ったように経営できないというデメリットがあるので、株式を発行する際は注意しましょう。
株主の分類
ひとえに株主といえど、株主の種類は多岐に渡ります。
1株所有している株主がいれば、51%所有している株主もいます。
・大株主→株式の大量保有者。持株比率が高い株主のこと。
・主要株主→議決権のある株式の10%以上を保有する株主
・筆頭株主→大株主の中で、持株比率が一番高い株主。創業者や親会社などに多い。
・安定株主→業績に関係なく株式を長期間に渡り所有している株主。経営者に多い。
・浮動株主→短期間で株式を売る株主のこと。
・支配株主→発行済株式数の多くを保有している株主。
・個人株主→一般の投資家を指す。
・法人株主→親会社などの法人株主のこと。
・機関投資家→投資で利益を得る企業のこと。信託銀行や生命保険会社など。
・外国人株主→居住地が外国にある株主のこと。
株主に与えられる権利
株主に与えられる権利を紹介します。
株主に与えられる権利①剰余金の配当請求権
株主には、剰余金の配当を請求する権利があります。
剰余金とは、一言で言うと会社が出した利益のこと。
株主は会社が儲けた場合、一定の見返りをもらう権利があり、たとえば、会社の業績がいい年であれば「株主に利益を還元してください」と言えます。
株主に利益を還元するお金は配当金と呼ばれ、この配当金の配当額は株式の保有数によります。
株主に与えられる権利②議決権
株主には議決権が与えられえます。
株主総会に出席し会社の方針を決めるときに行使できます。
取締役の選任など重要な意思決定を行う最も重要な機関が株主総会です。
株主は株主総会に出席することで投票したり意見を述べたりして、会社の舵取りを担います。
株主に与えられる権利③残余財産分配請求権
たとえば会社が解散するとき。
解散処理が完了した後に、財産が残っていれば、保有株式に応じて残った財産を受け取ることができます。
財産が残らなければ残余財産分配請求権はありませんが…。
倒産時株主の責任は出資した金額のみで、それ以上の責任は負いません。
これを株主の有限責任といいます。
たとえば、僕がSmartDocument株式会社に200万円を出資したとします。
銀行から500万借りた状態で倒産した場合、僕が出資した200万円は会社の資産なので、借金返済に当てられてしまいます。
となると僕には1円も返ってきません。
ところが会社の借金はまだ300万円あります。
300万の返済義務は誰にあるのか?
もし僕が会社の所有者であったら、300万は僕が支払わなければいけないのか?
答えはノーです。
僕が会社の所有者であっても、残り300万円を返済する義務はありません。
僕の責任は出資した200万円まで。
責任に限りが有るということから、有限責任と呼ばれています。
株主が得られるメリット
株主になると、権利だけでなくメリットもあります。
株主が得られるメリット①株主優待
株主になると株主優待を受け取ることができます。
株主優待とは、株式保有のお礼として配布する物品のことで、株式会社ごとの任意の制度のことです。
配布される優待品には、カタログギフト、割引券、招待券など企業によってあらゆるものが準備されています。
略して株優(かぶゆう)と呼ばれることのある株主優待になるには、一定数以上の株式を所持しており、かつ権利確定日に保有しているという条件が必須です。
株主が得られるメリット②売却益
株主は株式の売買で、売却益を得ることができます。
株式を売却するときに、株式の市場価値が上がっていれば得をします。
デイトレーダーという言葉を耳にしたことがある、という人も多いかと思います。
株価は日々変動します。
価格が安いときに買って、価格が高いときに売れば差額分が儲けとなり売却益を得ることができます。
株主の権利と企業との関係まとめ
株式を多く所持していれば、配当金が貰えるだけでなく株主総会での議決権を得られます。
資金調達がしたいからといって容易に会社を上場してしまうと、株主に経営の手綱を握られてしまう危険があります。
株式発行や上場する際はメリットとデメリットを考慮したほうがよさそうです。
この記事のライター
松田佳祐
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。