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請負契約ってどんな契約?抑えておきたい印紙に関するポイント

請負契約はどんな契約かご存知ですか? 求められた水準の成果を納入しなければ報酬がもらえないかもしれないので、契約書をチェックします。 また、請負契約金額に応じて印紙税が必要になりますが、電子契約にすることで印紙が不要になるので導入してみてください。

請負契約ってどんな契約?抑えておきたい印紙に関するポイント

目次

  1. 請負契約って?
  2. 請負契約と委任契約の違い
  3. 請負契約書で必要な記載項目
  4. 抑えておきたい請負契約書の印紙に関するポイント
  5. 請負契約印紙まとめ

請負契約って?

請負契約とは仕事の発注者と受注者の間で交わされる「業務委託契約」の一種で「請負契約」と「委任契約」をまとめて業務委託契約と呼びます。

業務委託契約のうちの請負契約では求められた水準で仕事を完了させる義務があり、発注者はその成果に対して報酬を支払います。

請負契約として交わされるものにシステム開発や建築物の建設、講演などが当てはまりますが、特定の仕事を請負うだけなので雇用契約とは区別されます。

請負契約と委任契約の違い

業務委託契約としてまとめらられている請負契約と委任契約ではどのような違いがあるのでしょうか?

くわしくみていきますが、簡単に言うと請負契約のほうが責任の重い仕事を任される傾向にあります。

請負契約と委任契約の違い①委任契約

委任契約では仕事を行うプロセスに責任があり、それに対して報酬が支払われます。

発注者が想定している水準よりも低いものだったとしても、契約内容に反していなければ対価を支払わなければなりません。

受注者は委任された仕事の処理を一般的に要求される程度の注意をしてさえいれば報酬が支払われ、完成・完了させる義務はありません。

委任契約を結ぶ例として弁護士による訴訟委任契約がありますが、訴訟で勝てなかったとしても弁護してもらった以上は報酬は支払わなければなりません。

請負契約と委任契約の違い②請負契約

一方の請負契約では受注した仕事を発注者の求める水準で完成させなければ報酬が支払われません。

完成させたとしても納品物に対して契約内容に合致しないものだったと判明したときには、契約不適合責任によって修正したり報酬を減らされたりします。

例えばシステム開発の場合、業務を行うだけでなく、発注者が求める仕様に合わせなければ使い物にならないことも多いためです。

請負契約書で必要な記載項目

請負契約と委任契約の違いがわかったとしても、契約書にはどういったことを記載するべきか、もしくは相手が作成した契約書のどういった項目を重点的にチェックすべきか知っておかなければ、トラブルになることがあります。

一般的な契約書に必要とされる記載項目を挙げさせてもらいました。

  • 支払い方法
  • 納入方法
  • 業務開始時期及び完成時期
  • 業務内容
  • 負担分担
  • 報酬額
  • 研修方法
  • 知的財産権の扱い
  • トラブル発生時の対応・責任
  • 契約の解除

これらのいずれも重要な項目ですが、請負契約書でとくに重視される項目に「支払い方法」「納入方法」「業務内容」「負担分担」「知的財産権の扱い」「トラブル発生時の責任」「契約解除」があります。

請負契約書で必要な記載項目①支払い方法

契約した業務に対しての支払はどのようにすれば発生するのか、いつ、どんな方法で、一括もしくは分割で支払われるのか明記しなければなりません。

受注者としては報酬を受けるための条件が記載されているので必ず確認してください。

請負契約書で必要な記載項目②納入方法

まず、納入期限を設けることが双方にとって重要です。

個別契約で定めることもありますし、注文書などで定めても問題ありません。

納入方法についてはなんらかの方法で具体的に明記しなければトラブルの原因となるので、CDで納入する、サーバーにアップロードする、発注者が管理する端末にインストールするなど明記しなければなりません。

請負契約書で必要な記載項目③業務内容

契約書に行うべき業務の範囲を明記し、曖昧さを排除しておかなければ後々トラブルにつながることがあります。

請負契約書で必要な記載項目④負担分担

業務を行う上で必要になる仕入れや交通費などの各種費用はどちらがどの程度負担するのかあらかじめ決めておきます。

請負契約書で必要な記載項目⑤知的財産権の扱い

システム開発やデザインをはじめとした著作権などの知的財産権はどちらが所有するのか決めておかなければ契約終了後にもトラブルの原因になりかねません。

請負契約書で必要な記載項目⑥トラブル発生時の責任

業務中にトラブルが発生した場合の責任はどちらが追うのか、その責任はいつまで継続されるのか、賠償責任は発生するのか明示します。

請負契約書で必要な記載項目⑦契約解除

請負契約において発注者と受注者ともに契約を解除するための権利を有していますが、発注者の権利のほうが強いと言えます。

契約解除①発注者の契約解除の権利

まず、発注者が求めた内容・水準に対して受注者が納入する成果が十分でないと思われる場合、受注者が仕事を完了させる前ならいつでも契約の解除ができます。

ただしその場合、受注者が負担した費用や得るはずだった利益などの損害賠償を行う必要があります。

契約解除②受注者の契約解除の権利

一方の受注者は条件がかなり厳しくなっており、発注者が破産手続きを開始した時点で契約の解除ができるようになります。

ですが契約の解除を行うことで破産財団が金銭化したものの分配(配当)を受ける権利を得ることができます。

契約解除③約定解除を契約書に明記する

これらは法律によって定められていますが、当事者間で任意の契約解除の条件について契約書に明記することができ、それを「約定解除」といいます。

これによって受注側も契約の解除をしやすくなります。

抑えておきたい請負契約書の印紙に関するポイント

しかし、請負契約書は契約金額に応じて印紙代を負担しなければならないことがあります。

金銭的な負担を軽減するためにはどのようにしたら良いのでしょうか?

抑えておきたい請負契約書の印紙に関するポイント①印紙税の発生

委任契約の場合、印紙代が不要ですが、請負契約の場合は「請負に関する契約書」に該当するので印紙代を負担しなければならないことがあります。

契約金額と印紙代の関係は以下のとおりです。

記載された契約金額

税額

1万円未満のもの

非課税

1万円以上、100万円以下のもの

200円

100万円を超え、200万円以下のもの

400円

200万円を超え、300万円以下のもの

1,000円

300万円を超え、500万円以下のもの

2,000円

500万円を超え、1,000万円以下のもの

1万円

1,000万円を超え、5,000万円以下のもの

2万円

5,000万円を超え、1億円以下のもの

6万円

1億円を超え、5億円以下のもの

10万円

5億円を超え、10億円以下のもの

20万円

10億円を超え、50億円以下のもの

40万円

50億円を超えるもの

60万円

契約金額に記載のないもの

200円

ちょっとした契約ならまだしも、契約金額が大きい土木業などではそれだけ印紙代の負担が大きくなります。

ただし、建設工事の請負契約書は条件により印紙税の軽減措置がありますので国税庁HPをご確認ください。

印紙税の軽減措置について国税庁HPを見に行く

抑えておきたい請負契約書の印紙に関するポイント②電子契約なら印紙は不要

印紙代の負担を軽減するには電子契約がおすすめです。

電子化によって「請負に関する契約書」の該当から外れ、契約金額に関わらず印紙代が不要になります。

また、紙の契約では郵送や保管・管理の業務負担が大きかったのが軽減されるので効率化に繋がります。

電子契約については「電子契約でペーパーレス化!契約書の電子化のメリット・デメリットをご紹介」という記事をチェックしてみてください。

サイトを見に行く

請負契約印紙まとめ

請負契約について解説していきました。

トラブルを避けるために契約内容の細部まで注意しなければなりませんので、注意してください。

また、請負契約は契約金額に応じて印紙を負担しなければならないときがありますが、電子契約にすることで印紙が不要になるので導入してみてください。

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