今さら聞けない企業価値の意味とは?実際に試したい4つの企業価値を高めるプログラムもご紹介!
企業価値を高めることが求められています。 元々はM&Aや投資の世界で使われてきましたが、評価される企業にとっても選択肢を増やすことができるので、いかに高めるかが検討されています。 この記事では企業価値の基礎知識について紹介していきます。
目次
企業価値とは?
「企業価値」とは企業全体の価値を示しています。
元々はM&Aや投資の世界でその企業が投資するだけの価値があるのか見極め、利益を増やすために使われていました。
しかし、近年では企業内部からも企業価値を把握する大切さが認識されはじめ、社内でどう向上させていていくべきか検討され始めています。
しかし、企業価値を計算するための方法にはいくつかありますが、それぞれ一長一短あり、企業価値を正確に計算することは困難とされています。
企業価値と株主価値の決定的な違いとは?
企業価値を評価するのによく使われるものに「株主価値」というものがあります。
「株主価値」とは株式の価値(株価×株数)を示し、自己資本比率が100%なら理論上、企業価値=株主価値と考えることができ、実際にそうしたケースも多くみられます。
一方の企業価値は負債を含めた企業全体の価値を指しています。
返済すべき負債を「価値」に含めないほうが妥当なように思えますが、負債を返す事ができるほど価値があるから、と考えられています。
株主価値に負債額を上乗せすることで企業価値が計算できます。
企業価値を高めるメリット
企業価値を向上させるメリットとして「キャッシュフローが改善される」「有利な交渉ができる」ことが挙げられます。
企業価値を高めるメリット①キャッシュフローが改善される
企業価値を高めるために行う業績アップや効率化によって、株主や金融機関といった外部からの評価が向上します。
そのため、業務拡大や設備投資に対しての融資を受けやすくなり、キャッシュフローが改善されます。
企業価値を高めるメリット②有利な交渉ができる
企業価値を高めることで株主総会を有利に進めたり、株価の値上がりなどが期待されるのでM&Aを行うときに強気の交渉ができたり敵対的買収から自衛することができます。
つまり、企業価値を高めるメリットをまとめると、企業としての選択肢を増やすことができるので、安定した経営に専念できます。
経営陣と従業員たちの企業価値の考え方の違いとは
経営陣からすると、自分たちの企業価値は「安定した経営ができていること」「業績を伸ばし続けていること」「利益を追求していること」などがあると思います。
しかし、企業で働く大半の従業員にとっては違うように感じていることもあります。
たとえ利益を出し続けていたとしても、「内部留保ばかりで従業員に還元されない」「働き方改革に対応できていない」「人手不足を放置されたまま長期間経っている」のようであれば、企業価値は低いと感じているかもしれません。
従業員の生活を守ることも経営者の立派な仕事ですので、自分たち優先の経営は避けたほうが良いと言われています。
企業価値の3つの計算アプローチ法
企業価値を計算するための手法はいくつか開発されていますが、それぞれ一長一短あり、企業価値を評価する対象や場面に応じて計算方法を使い分けたり、それぞれの手法を組み合わせて総合的に判断しなければなりません。
企業価値の3つの計算アプローチ法①インカムアプローチ
インカムアプローチではその企業が将来得るであろう収益やキャッシュフローに注目して企業価値を計算する手法です。
平均収益/資本還元率で計算する「収益還元法」や将来的に生み出すと期待されているフリーキャッシュフローを割引率で割引くことで、現在の企業価値を計算するDCF法があります。
将来性について考慮できるので、さまざまな場面で活用できるのが大きなメリットですが、主観性が大きく影響するため、市場動向に動きがあったり、事業計画が変更になると大きく企業価値が変動してしまいます。
企業価値の3つの計算アプローチ法②コストアプローチ
コストアプローチとは企業の「純資産」に注目した企業価値の計算手法です。
貸借対照表の純資産を株主価値として計算する「簿価純資産価額法」や資産と負債を時価評価した上で計算した時価純資産額を株主価値とする「時価純資産価額法」などがあります。
貸借対照表があれば簡単に客観的な企業価値を計算することができますが、将来的な収益が考慮されていないので、計算される企業価値が低くなりがちという問題があります。
コストアプローチは事業を終わらせる段階での企業価値を計算したり、歴史の長い中小企業の評価をするときに向いている計算手法と言われています。
企業価値の3つの計算アプローチ法③マーケットアプローチ
マーケットアプローチは市場やに注目した企業価値の計算手法です。
1~6ヵ月程度の平均株価を利用した「市場株価法」や類似した上場企業の利益や純資産などから計算した評価倍率をもとに評価した「マルチプル法」があります。
客観的であまり利益を上げていないベンチャー企業に対しても評価できますが、類似した企業が見つからない場合、企業価値を適切に計算することができません。
企業価値を高めるポイント4つ
企業価値を高めることでキャッシュフローが向上したり、M&Aで高く評価されたりできますが、そのためにはどのようなことをすべきでしょうか?
それぞれについて具体的にみていきましょう。
企業価値を高めるポイント①収益力の向上
企業価値を高めるには、最も簡単で効果的な方法といえば「収益性の向上」を試みることです。
経営戦略の立案・実行、営業力の強化などによって売上高や利益を増やし、生産管理や業務の見直しによって、アウトソーシングや非効率的な作業の効率化でコストカットを目指します。
最も効果的なので企業価値を高めたいなら、まずは収益性の向上を図るべきと言われています。
企業価値を高めるポイント②人材を活用
事業内容が見直され、収益性の改善が向上したとしても、それに関わる従業員がいてこその企業価値です。
従業員それぞれが目的意識を持ちながら各自の仕事を行うことで目的を達成しやすくなります。
そのためにもそれぞれの従業員の能力を発揮できる職場配置をしたり、環境づくりや社内ルールの整備といった企業側からのバックアップが求められます。
人材を有効活用する方法は「タレントマネジメントとは?目的や背景、おすすめサービスをまとめて解説」で紹介していますので、ご参考ください。
企業価値を高めるポイント③財務の改善
詳しいことは税理士の先生など専門家に相談していただくことが望ましいのですが、財務状況・状態を改善することでも企業価値を高めることができます。
自社の財務状況・状態を把握し、同業他社と比較して理想的な財務状態を考えます。
たとえ負債の比率が大きくても財務レバリッジ効果や節有用から節税効果が生じることもがあり、企業価値は高まります。
この辺りは専門家の手を借りる必要があるので注意してください。
企業価値を高めるポイント④企業に適した投資運用
要するに投資の収益性を改善する方法で、回転率が低い在庫や遊休施設などのムダな資産を売却・処分して減らして行く一方で、キャピタルゲインが期待できる資産に投資を行います。
資金が獲得できる資産だけを運用していくことで投資効率を高めて企業価値を向上させます。
企業価値まとめ
この記事では企業価値とはなにかから、メリットや高めるための方法などの基礎知識を解説してきました。
高めるための手段として業績改善に繋がりますのでぜひ取り組んでいただきたいと思います。
この記事のライター
U11
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