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経営者とは?経営者のあるべき姿と使命を解説

会社における経営者とはどんな人物であるべきでしょうか? 従業員がいない個人事業主から数万人の従業員を抱える経営者までいますが、共通することは会社の最終的な責任をとるべき人物であるべきです。 この記事では経営者のあるべき姿と使命などの解説を行います。

経営者とは?経営者のあるべき姿と使命を解説

目次

  1. 経営者とは?
  2. 経営者と創業者の違いとは
  3. 経営者の使命・責任
  4. 経営者に必要な能力
  5. 企業における経営者の役割・仕事
  6. 経営者のあるべき姿とは?
  7. 経営者まとめ

経営者とは?

「経営者とはなんでしょうか?」と聞かれて漠然と

  • 「会社で一番偉い人」
  • 「1番責任が重い人」
  • 「なかなか会えない人」

としか答えることができない人も多いのではないでしょうか?

もちろんそれらも間違っていませんが、経営者といっても、数万人の従業員を抱える企業のトップもいれば、従業員がおらず、1人だけで活動している個人事業主もいます。

他にも株主以外が社長を務めるサラリーマン社長やさまざまな企業の再建を担うプロの経営者も存在します。

つまり、一言で「経営者」といってもいろいろなタイプの経営者がおり、ありふれた存在といってもいいでしょう。

ですが、「経営者」に共通していることは「経営判断の最終責任者」ということ。

たとえ従業員がいない個人事業主でも、数万人のトップの経営者であっても、事業を行う上で必要な、大規模なリストラや他分野に進出したり、今までの市場でシェア拡大を狙うなどの判断の最終的な責任をとります。

つまり、経営者とはその会社に対して1番他人事ではいられない存在ということもできます。

業績が良いなら喜んでいればいいですが、もしかしたら経営者の能力不足で業績悪化や赤字経営、倒産・・・自身の家族だけでなく、従業員の家族も路頭に迷う・・・なんてことになってしまうかもしれません。

経営者にはその自覚と覚悟、責任を果たす行動が求められます。

なお、この記事では主に従業員がいる会社の経営者を想定して書いていますので、注意してください。

Photo byJulian Bashore

経営者と創業者の違いとは

「経営者」と似た立場の人に「創業者」と言われる人たちがいますが、その違いとはなんでしょうか?

経営者と創業者の違いとは①創業者

創業者とは会社や店舗を始めた人のことを指します。

もしもAさんがBさんを雇って事業を始めたらAさんが創業者です。

AさんとBさんが一緒に取締役代表を務めるならAさんとBさんの二人が創業者です。

ゼロから事業を始めるのでエネルギーが必要で、周りを巻き込みながら活動していかなければなりません。

経営者と創業者の違いとは②経営者

一方の経営者は成長した企業を安定的に維持させたり、発展させたりする立場の人です。

2代目経営者は創業者に対して劣等感を感じることが多いようですが、経営者に求められる企業という組織を維持・発展させていく能力もとても重要なものです。

日々の事業経営をしていると必ず問題が発生しますが、それを解決したり、やり過ごしたり対策を考えて実行する能力が求められます。

創業者と経営者どちらが優れているとは言えないほど、どちらも重要な役割を果たしています。

経営者の使命・責任

話は戻りますが、経営者は責任ある立場と言えます。

では経営者が企業や従業員、株主、取引先などのステークホルダーに対して果たしていくべき使命・責任とはなんでしょうか?

経営者の使命・責任①利益を出す

事業を行う上でなによりも大切なことは利益を出すこと。

利益を上げることができなくなるとどうなるかと言うと

  • 従業員に給料を払えない→リストラ→従業員たちが路頭に迷う
  • 仕入れや商品の仕入れができない→代金を払えなくなるもしくは仕入先の売上が減る
  • 株価が下がってしまう→株主に損失が生まれる

利益をあげなければステークホルダー全員が困る事態に陥りますので、継続的に利益を出していかなければなりません。

経営者の使命・責任②変化に対応する

利益を出すことの大切さはわかってもらえたと思いますが、なぜ変化に対応することも大切なのでしょうか?

最近のIT化・機械化やグローバル化によって変化が年々早まっていますので、事業をしている分野がいつまでも同じ状況とは限りません。

変化に対応して、時には主力事業を捨ててでも会社を存続させる責任が経営者にはあります。

時代の変化に対応できた企業の一例として富士フイルムがあります。

その社名のとおり、元々はカメラのフィルム事業を主力に活動していた富士フイルムはカメラフィルムが売れると、それだけ現像液や印画紙などの用品も必要とされるため、何重にも利益を上げることができました。

しかし、「デジタル化」という変化が訪れ、1年毎にカメラフィルムの売上が200億円ずつ減少する事態になってしまいました。

当時の経営者はカメラフィルム事業を残そうとしましたが、このままでは生き残ることは難しいと判断し、主力事業をカメラフィルムの技術・ノウハウを応用できる化粧品や医療関係などのヘルスケア事業に移すことに成功しました。

今では医薬・化粧品や医療関連、高機能材料の研究販売、子会社の富士ゼロックスから大きな利益をあげることができるようになりました。

また、2020年から感染拡大が続いている新型コロナウイルスによる変化に対応もできなければ、さまざまな企業が倒産していきます。

こうした変化に対応できるようになるには、日頃から表面化していない段階から経営課題とその解決策を考えたり、利益を出して変化をやり過ごせるだけの体力をつけたり、他事業に進出してリスク分散したりといったことが必要です。

リスク分散するには巨額の費用が必要になるので、まかなえるようになるには利益を上げていなければなりません。

経営者の使命・責任③従業員に仕事のやりがい・働きがいを提供する

アナタの会社の従業員は楽しそうに働いていますか?

そうでなければ注意しなければなりません。

「ただ生活のために働いている」のであれば気持ちよく働くことはできません。

そうした職場では離職が続いたり精神的にまいってしまい、自殺する人も出てきてしまいます。

従業員を守るためにも仕事に対して、やりがい・働きがいを提供するのが経営者の使命・責任と言えます。

経営者に必要な能力

そうした使命・責任を果たすために経営者はどんな能力が求められるのでしょうか?

経営者になるには特別な資格はありません。

もちろん事業に必要な資格は必要ですが、経営者になるからといって資格をとらなければならないというわけではないです。

なので、あくまでも一例ですが、50年以上赤字を出したことがない京セラの会長、稲盛さんが考える経営者に必要な能力3つを紹介させてもらいます。

経営者に必要な能力①判断基準をブレさせない

経営者が経営判断をするときの基準はさまざまです。

  • 直感
  • 損得
  • 経験
  • 数字

各々これらの判断基準を元にして判断を下していますが、同じ人でもTPOで判断基準を変えてしまうことがありますが、稲森さんはそれをブレさせないようです。

稲森さんの基準は「人としてなにが正しいのか」を元にして判断しています。

つまり、自分だけでなく、従業員や取引先、世間に対しての思いやりの心で判断しています。

その判断が「人として正しいのか判断する」ために集中して物事を考えるといいます。

どんなに小さなことでも意識して集中することで迅速で的確な判断ができるようになります。

はじめは夢のようなことであっても集中して考えることで実現するための道が見えてきます。

経営者に必要な能力②数字を読む力

売上や原価をはじめとした決算の数字を理解するための力が求められています。

数字を読んで、なにが課題か、対策をどうするか考えなければ利益を出したり、変化に対応することが難しくなります。

経営者に必要な能力③従業員をまとめて同じ方向に向かわせる力

従業員の考え方や進みたい方向性がバラバラだと企業として同じ方向に進むことはできませんので、力を発揮することはムリです。

従業員の力をまとめることでそれまでの何倍もの力を出すことができるにもかかわらずです。

従業員を同じ方向に進んでもらうようになるには事業の目的・意義を解ってもらう必要があります。

企業理念といってもいいですが、要はなんのために事業をしているのか、その目的はなにかを従業員に浸透・理解してもらいます。

人は損得勘定だけでは動きませんが共感してもらうことは難しいです。

社会性のあるものを掲げて従業員の共感・理解を得て、同じ方向に進んでやる気をもたせることを求められます。

企業における経営者の役割・仕事

今まで解説してきた経営者の使命や能力といった内容を踏まえて経営者に求められる役割・仕事とはなにかお伝えしていきますが、簡単にいうと「従業員たちをやる気にさせる」ことです。

稲森さんは人のタイプを次の3つに分けています。

  • 自然性:自分でやる気を出して自発的に仕事に取り組む人
  • 可燃性:自然星の人に影響されてやる気を出す人
  • 不燃性:なにをしてもやる気を出さない人

可燃性の人や不燃性の人がやる気を出すようになるにはどうしたら良いのか考えて実行するのも経営者の大切な役割・仕事です。

企業における経営者の役割・仕事①事業の目的・意義を明確にして伝える

なぜその事業をしているのかという目的と意義を従業員と共有します。

漫然と働いていて、その分のお給料をもらうだけならやる気は出ません。

従業員たちにやる気が出ないと、利益を出したり変化に対応することは難しいです。

何のために事業をしているか具体的な内容を共有して理解・共感してもらうようになるには従業員一丸となって同じ方向に進む必要があります。

企業における経営者の役割・仕事②従業員を仲間として認識する

部下や従業員たちを単なる利益を得るための手段として考えているのであれば、誰もついていきたいと思いません。

1つの方向に向かっていくことができるようにするためには全体的に従業員たちをパートナー・仲間として認識し、そうした関係を築くことでさらに発展してくことができます。

企業における経営者の役割・仕事③仕事の意義を理解してもらう

「キツイ・汚い・キケン」な仕事である「3K」な仕事をしている人たちの多くはやる気が無いと言われていますが社会にとってはなくてはならない仕事です。

3Kで働く人達をやる気に溢れさせるようになるには社会的に不可欠な仕事という認識をしてもらうことが大切です。

社会にどれだけ必要とされている仕事かを伝え、やりがいを感じてもらうことで自発的に仕事に取り組むようになると言われています。

企業における経営者の役割・仕事④尊敬されるようになる

従業員についてきてもらうようになるには、さまざまな方法がありますが、その一例として尊敬されるようになることが挙げられます。

従業員たちに仕事ばかりさせ、自分は知り合いの経営者と接待ばかり・・・では誰もついてきてくれません。

社内で誰よりも仕事に取り組み、従業員たちを思いやり、必要なら責任を取る経営者なら自然と従業員たちがついてきてくれるようになります。

企業における経営者の役割・仕事⑤ビジョンを高く掲げる

要は高い目標を掲げてそれに向かって行動することです。

  • 「業界で1番の企業に成長する!」
  • 「海外に進出する!」
  • 「〇〇を超える企業になる!」

そうした高いビジョンを共有することで達成に向けて一丸となって行動できます。

またそのビジョンが実現できたときの喜びは何事にも代えられない、かけがえのないものになるはずです。

経営者のあるべき姿とは?

以上のことから経営者としてステークホルダー全員の生活を守ることが経営者としてのあるべき姿と考えることができます。

そのためには継続的に利益を出し、黒字経営をしなければなりません。

ただし、コンプライアンスは遵守しなければなりません。

たとえ法令に違反していないとしてもモラルやマナーに反した経営をしていると健全な経営をできているとはいいがたいです。

そうして健全な経営者になれるように努力し続けなければなりません。

経営者まとめ

この記事では経営者についてまとめてきました。

一言で「経営者」といっても従業員がいない個人事業主から数万人の従業員を抱える経営者までいますが、共通しているのは経営の最終責任のとる人のことを指します。

これを踏まえて従業員がいる経営者の仕事や責任・役割、必要とされる能力などの解説を行いました。

従業員をはじめとしたステークホルダーの生活を守れるように会社を経営しなければなりません。

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