働き方改革で副業が解禁!企業へはどのような影響が?
2018年6月から正式に成立された働き方改革ですが、これにより2019年より副業の解禁がスタートしました。今回は、そんな働き方改革による副業解禁もたらす企業への影響や起こりうる問題とその解決策について詳しく説明していきます。
目次
働き方改革で副業はすでに解禁されている
突然ですが、皆さんは2018に成立された働き方改革により、今まで禁止されていた副業を国家公務員は2018年から、大企業や地方公務員では2019年に、中小企業では2020年から解禁されたということをご存知でしょうか?おそらく、一部の企業では解禁されていることは知っていたが、中小企業や公務員でも副業禁止を解禁していたということは知らなかったという方もいるでしょう。
働き方改革は、残業時間を含めた労働時間の上限や兼業解禁の推進を行い、労働力を上げ、生産量の向上を目的にした制度ですが、もちろん兼業を推進され、兼業を解禁しようとしてもいくつか問題点があるので、その問題に対して解決策をとらなければなりません。
働き方改革による副業解禁の企業側メリット
働き方改革による副業解禁の企業側メリット①労働力不足の解消
企業によっては、今現在人手不足に悩まされているという企業もあるはず。一見、副業の解禁と人手不足の解消はあまり関係性がないようにも思えますが、副業を解禁することで、外部から副業を希望している人材を雇うことができるので、その分一手不足も解消することができます。
さらに、社内ではなく全く別の外部から人材を雇うことになるので、社内にはないような真新しいノウハウやスキルなどを自社に取り入れることも可能となります。
働き方改革による副業解禁の企業側メリット②企業のアピールポイントになる
最近では、学生が副業を始めるというケースも増えてきており、企業を探求する際、条件として副業ができる企業をあげている方もそう珍しくはありません。近年、副業を解禁している企業も増えてきてはいるものの、その数は十分とは言えないものとなっているので、企業としてのブランディング、つまりアピールポイントとしてアピールすることができます。
働き方改革による副業解禁の企業側メリット③独自の成長が期待できる
副業の解禁を行うことによって、副業を行う社員は本業からだけでなく、副業から新たなスキル獲得もしくは既存のスキルを磨くことができます。その結果、社員があげる成果も伸び、企業全体の生産力が上がることも期待できます。
副業を解禁せず、禁止状態にあれば、社員は本業でしかスキルを獲得することもできませんし、いくら残業を含める労働時間を伸ばしたとしても、本業で得られるスキルというのは限られてしまいます。社員の成長をさらに向上させ、業績をより一層伸ばすためには、兼業の解禁というのも必要となってくるのです。
働き方改革による副業解禁の企業側デメリット
働き方改革による副業解禁のデメリット①機密情報の漏れ
社員が副業を始めることで、企業と関わりのない外部の方とのつながりができてしまうので、企業の機密情報が外部に漏れてしまう可能性もあります。外部に副業を通して機密情報が漏れてしまうということは、企業が他社に対して完全無償で提供してしまうことになるので、企業にとっては特にダメージが大きく出てしまうデメリットとも言えますね。
そのようなリスクを避けるためには、事前に社員と秘密保持契約を結んでおくと良いでしょう。
働き方改革による副業解禁のデメリット②離職のリスク
副業の禁止を取りやめることによって、社員が離職してしまうリスクも出てきてしまいます。副業は、社員の成長や企業のアピール、労働力の確保で必要不可欠とも言えるような要素ですが、副業である程度稼げるようになった社員や副業への可能性に注視してしまった社員が本業を離れ、副業に専念してしまうというリスクも否めないのです。
この問題に関しては、後ほど解決策を加え、さらに詳しく説明していきますが、社員が離職してしまうと企業にとって膨大な損失となってしまうので、早急の対応が必要となります。
働き方改革による副業解禁のデメリット③生産性の低下
副業の内容やその量にもよりますが、WebライターやFXをはじめとするトレーダーなど内容的にもその量的にもハードな副業の場合、本業と副業で1日に休める時間を確保できないというケースも考えられます。
このように、本業と副業で睡眠時間及び自由に過ごせる時間というのが削られていってしまうので、十分な疲労の回復ができず、疲労により本業に支障をきたす可能性も十分あります。こうなると、社員だけでなく、企業全体の生産力というのも落ちてしまうので、場合によっては両者にとって損失という結果にもなり得るのです。
働き方改革による副業解禁で起こりうる問題と解決策
働き方改革による副業解禁で起こりうる問題と解決策①社員の著しい仕事に対するモチベーションの低下
先程も述べましたが、社員が兼業することで十分な自由時間を確保することができず、本業に対するモチベーションが低下してしまうリスクも生じる可能性があります。
モチベーションを上げるためには、インセンティブ制度といった実力成果制の制度を導入し、社員のモチベーションを高める必要があります。もちろん、この他にも対策はありますが、まずは社員のやる気向上に焦点を当てて対策を練ってみると良いでしょう。
働き方改革による副業解禁で起こりうる問題と解決策②社員の副業への転職
先ほど、副業を解禁する企業に対するデメリットで社員の離職を取り上げましたが、当然、社員が離職してしまえば、企業の生産力は低くなってしまうので、この問題に対して企業は何らかの対策をとらなくてはなりません。
具体的な対策としては、何より本業でのやりがいを自ら形成してもらう必要があるので、可能であれば本人に適した部署への異動などを行う必要があります。また、企業の考え方や仕事スタイルだけでなく、人間関係の調査というのも実際してみると良いかもしれません。
働き方改革による副業解禁で起こりうる問題と解決策③長時間労働によるメンタル不調
副業を解禁することによって、本業と副業を兼業する方も増えてきますが、それによって体調不調を崩す方も出てきてしまいます。こちらも、働き方改革の目的と矛盾した問題点で、この矛盾に気づかず解禁し、社員が体調を崩せば本業にも支障をきたしてしまう可能性があります。
このような働き方改革の矛盾によって生じるリスクを避けるためには、矛盾への気づきや社員の労働時間の把握、健康管理の徹底が必要となってきます。社員に万が一のことがあれば、責任を負うのは企業であり、これらの対策がしっかりと行われていたかどうかを強く問われてしまいます。ですので、副業を解禁する前に必ず健康管理体制を徹底しておきましょう。
働き方改革による副業解禁まとめ
2018年に成立された働き方改革によって、残業時間を含めた労働時間の見直しの推進だけでなく、副業の解禁を行う公務員や一般企業も増えてきました。もちろん、残業を含めた労働時間の見直しも各企業で推進されるべきですが、副業の解禁も企業の業績を上げるためには必要な要素となっています。
ただ、副業の解禁を行うことによって、企業に対して機密情報の漏れといった問題が生じてしまう可能性があるので、事前にその問題に対して的確な対策をして、副業の解禁によって生じるリスクを最低限に抑えておくと良いでしょう。
この記事のライター
鈴木健太
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