源泉徴収票はこう書く!書き方のポイントも徹底解説
源泉徴収票をもらったことがあっても、書き方を知らない人は多いでしょう。 個人事業主でも会社でもアルバイトやパート、正社員を雇っている場合、源泉徴収票を渡さなくてはなりません。 多くの項目がありますが、書き方や例を確認して源泉徴収票を完成させましょう。
源泉徴収票とは
源泉徴収票は、1年間に会社からもらった給与と自分が支払った所得額の金額を確認できる書類になります。
源泉徴収票は、3種類あります。
退職所得の源泉徴収票は、退職者が退職金をもらった時に受け取るものです。
公的年金の源泉徴収票は、年金受給者が受け取る源泉徴収票になります。
アルバイトやパートがもらう源泉徴収票は、給与所得の源泉徴収票になるので、その記載例について紹介していきます。
平成から令和になって、上記が平成から令和になりましたが記載方法は変わりません。
源泉徴収票の記入の前に用意するものは?
令和の給与所得の源泉徴収票を記載する前に、以下の4つを用意・確認しなくてはなりません。
- 控除対象配偶者の有無
- 扶養親族の有無
- 副業などの給与
- 給与所得者の扶養控除等申告書
「3.副業などの給与」は、例として本業以外にアルバイトやパート、個人事業主としてクラウドソーシングサイトで収入を得ているものになります。
会社に源泉徴収をしてもらうときは、会社にその金額を伝え、甲欄に記載してもらいます。自分で確定申告をする場合は、乙欄に副業の給与を記載します。
甲欄、乙欄では乙欄の方が税額が高くなるので注意しましょう。
源泉徴収票の書き方のポイント
源泉徴収票の書き方のポイント①摘要欄の書き方に注意!
控除対象扶養親族(16歳未満を含む)が記載欄に書ききれない場合、摘要欄に記載しきれなかった扶養親族の氏名を記載する必要があります。
摘要欄に記載する控除対象扶養親族のマイナンバーは、備考欄に記載するように注意しましょう。
被扶養配偶者の欄に記載しない配偶者の氏名も記載します。
退職者になり、中途採用された方は、その前職の名称や所在地・離職日や給与額等も記入する必要があります。
そのほかにも、住宅ローン控除が3回以上ある場合にも、居住開始年月日などを記載する必要があるので注意しましょう。
源泉徴収票の書き方のポイント②社印を押す必要はあるの?
令和の給与所得の源泉徴収票に社印を押す必要があるのか?
その結論としては、社印を押していなくても問題ありません。
ただ住宅ローンなどで源泉徴収票を提示する必要があるときは、社印を押す必要があるかもしれませんので、その時は社印を押しましょう。
源泉徴収票の書き方のポイント③前職の源泉徴収票が手に入らない場合
中途採用した社員が前職の源泉徴収票を持っていなかった場合、自社として源泉徴収をする時に困ると思います。
その場合は、摘要欄に「年末未済」と記載し、社員自身に自社の源泉徴収票を渡し、前職の源泉徴収票とともに税務署で確定申告を行ってもらいましょう。
源泉徴収票の項目と記入方法
令和の給与所得の源泉徴収票の項目と記入方法を見ていきましょう。
源泉徴収票の項目①支払いを受ける者
・住居又は居所
現住所を記載しましょう。
・(受給者番号)
空白でも大丈夫です。ただ、大企業など従業員が多数いる場合は、管理の負担が軽くなるので利用しましょう。
・(個人番号)
マイナンバーカードに記載されている12桁の数字になります。
・(役職名)
役職名か職務名を記載します。
・氏名(フリガナ)
源泉徴収票を受け取る人の名前とフリガナを書きましょう。
源泉徴収票の項目②種別や各金額
・種別
基本的に「給料・賞与」です。ただ、歳費など給与の形態によって変わるので注意しましょう。
・支払金額
年収金額になります。
・給与所得控除後の金額
給与所得控除後の金額(所得)=年収ー給与所得控除額になります。
・所得控除の額の合計額
各保険料の控除や扶養控除などの合計になります。
・源泉徴収税額
給料から引かれている所得税のことをいいます。
源泉徴収票の項目③控除対象扶養数や控除額
・(源泉)控除対象配偶者の有無等
控除対象・源泉控除対象配偶者がいる場合は、有に○を記載しましょう。
控除対象配偶者が老人控除対象・源泉控除対象配偶者の場合には、老人に○をします。
従有欄は、二つの会社から給料をもらっている時に、主として給与をもらっている会社ではない方から、配偶者控除をした時に記載する欄になります。
・配偶者(特別)控除の額
配偶者控除や配偶者特別控除の金額が記載されます。
・控除対象扶養親族の数(配偶者を除く。)
特定の欄には特定扶養親族の数を、老人の欄には老人扶養親族の数を記載します。
その他の欄には、特定・老人扶養親族以外の控除対象扶養親族の数を記載しましょう。
・16歳未満の扶養親族の数
16歳未満の扶養親族の数を記載します。
・障害者の数(本人を除く。)
特別欄には同一生計配偶者か扶養親族の特別障害者の人数を、その他欄にはそれ以外の人数を記載しましょう。
・非居住者である親族の数
非居住者である控除対象者、扶養親族の数を記載します。
源泉徴収票の項目④各保険料・住宅借入控除額
各保険料や控除額が記載されます。
住宅借入金等特別控除の額は、年末調整に関係してくる住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除額を記載します。
源泉徴収票の項目⑤(摘要)
前職の情報、扶養親族欄に記載できなかった氏名。住宅ローン控除の適用がある場合などにこちらに記載します。
源泉徴収票の項目⑥生命保険料の金額の内訳
各保険会社に支払った保険料の金額が記載されます。
源泉徴収票の項目⑦住宅借入金等特別控除の額の内訳
・住宅借入金等特別控除適用数・可能額
住宅借入特別控除の適用数と年末調整時の住宅借入金等特別控除額から所得税で差し引けなかった金額になります。
・居住開始年月日
住宅ローン控除を受ける住宅に居住した日付を記載します。住民票の異動日を記載することもあります。
・住宅借入金特別控除区分住宅借入金特別控除区分
該当するものを記載します。
「住」「認」「増」「震」「特」
これらの項目についての詳細は、国税庁発行の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」を確認しましょう。
・住宅借入金等年末残高:
住宅借入金等年末残高を記載します。
各項目の(2回目)は、住宅ローン控除が二つある場合に記載します。
源泉徴収票の項目⑧(源泉・特別控除対象配偶者)
対象配偶者の氏名(フリガナ)、個人番号を記載しましょう。
区分は非居住者である配偶者がいる場合、○します。
・配偶者の合計所得
配偶者の合計所得金額を記載します。
・国民年金保険料の金額
年金の支給を受けるために定期的に払う保険料になります。
・旧長期損害保険料の金額
過去に損害保険料控除の対象になった損害保険のことでその保険料の金額を記載します。
源泉徴収票の項目⑨控除対象扶養親族
控除対象扶養親族(16歳未満も含む)の氏名やフリガナを記載しましょう。
区分欄にあっては、非居住者である扶養親族の場合、○をつけます
源泉徴収票の項目⑩受け取る人の生年月日や中途就職・退職したかなど
・源泉徴収票を受け取る本人の該当するがあれば、○をつけます。
未成年や乙欄など。
・中途就・退職
受け取る本人が中途就職・退職者になった人ならば、その年月日が記載されます。
・受給者生年月日
受け取る本人の生年月日が記載されます。
源泉徴収票の項目⑪支払者
源泉徴収票を受け取る人に、給与を与えている法人や個人事業主の名前や住所、電話番号が記載されます。
源泉徴収票の項目⑫整理欄
署番号と整理番号が記載されます。
署番号とは法定調書や合計表に記載される番号です。
整理番号は税務署が管理するために、法人や個人に割り振られている番号のことです。空白でも大丈夫です。
源泉徴収票の書き方まとめ
個人事業主としてパートやアルバイトを雇った時にも、退職者に退職金を払う時にも必要になる源泉徴収票ですが、各項目で難しいと感じることもあるでしょう。
ただ、一つ一つ間違いのないように例などを参考に完成させていきましょう。
この記事のライター
横山 峻己
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