今さら聞けない季節の挨拶とは?ルールと使い方を徹底解説
時候の挨拶・季節の挨拶を使用したビジネスレター、手紙を作成したい。季節毎に適した挨拶があるため分かりにくいかと思われます。季節の挨拶を使ったルール、手紙、ビジネスレターの書き方、ビジネスに利用できる慣用句、月別に利用できる例文を徹底解説致します。
季節の挨拶とは?
春夏秋冬の季節を表す言葉を手紙の冒頭に季節(時候)の挨拶を用いる礼儀文です。季節感を表す文章は日本で大事にされており相手の健康状態を気遣う、季節の移変わりの挨拶を意味します。通常のメールよりも取引先等により良い印象を与えることができ自分の評価にも繋がります。良い人間関係の構築に是非使ってみましょう。
季節の挨拶におけるルール
季節の挨拶の書出しの定型ルールを説明していきます。ルールと言っても複雑ではなく送り先の相手、季節により変更していくだけです。
頭語・結語
頭語と結語はセットで使用すると覚えてください。
一般的な文章の書き初めに【頭語:拝啓】、【結語:敬具】を使用します。
お客様、目上の方に関しては【頭語:謹啓】、【結語:謹言】を使用します。
注意:拝啓の次に必ず1文字空けてから時候・季節の挨拶を始めてください。メールで送る際は忘れやすいポイントになります。頭語に【前略】を用いる場合は時候の挨拶を略しているため使用しません。
時候の挨拶・季節の挨拶
春夏秋冬に適した挨拶を用います。その後に「安否を尋ねる挨拶」を用いることで文章の表現をまとめます。また、季節関係なく時候の挨拶にて【時下】を用いる場合は○○の候は不要となります。
時候挨拶例文:拝啓 初春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
時下例文:拝啓 時下ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
手紙でよく使用される季節の挨拶
時候の挨拶を多く手紙に使用する時期は梅雨、7月上旬、7月下旬、8月上旬、12月。
例:正月(新春の候)、梅雨(入梅の候)、7月上旬(中夏の候)、7月下旬(炎暑の候)、8月上旬(三伏の候)
手紙のNGワード
・「別れる、去る、流れる」:月日の流れるのは早い。時間を表すことで使用しますが相手側のタブーに触れてしまう可能性があるため避けます。
・「燃える、散る、倒れる」:夏の暑さに倒れぬようお過ごしください。相手の気をつかっている文章ではあるが企業に関してはタブーになります。燃える、散るに関しても企業では縁起のよいものではありません。
・「くれぐれ、重ね重ね、再び」:くれぐれもお気をつけください。不幸の再来等を連想させてしまう言葉になります。
季節の挨拶を使う手紙の書き方
拝啓 春爛漫の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、・・・・本文。
つきましては、・・・・本文。
末筆ながら貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてお知らせいたします。
敬具
【拝啓】に続き【時候の挨拶】と【礼儀文】を入れます。必ず【拝啓】の次に1文字空けます。取引先の本文、結びの言葉のあとに【敬具】を入れて完了になります。
ビジネスに使える慣用句
メール等の文字で残る内容に関しては読み手が消さない限り残り続けます。さまざまな場面でビジネス慣用句を役立て普段の会話、メール内容共に便利に使いましょう。
・自分→私
・上司or先輩→支店長の佐藤、佐藤支店長、佐藤
・もうすぐ→間もなく
・後で→後ほど
・すぐに→ただいま、さっそく
・○○がわからない→わかりかねます
・○○できない→いたしかねます
・時間をいただく→お手隙でしたら
・謝罪→申し訳ございません・申し訳ありません
・報告、○○見てもらう→お目通しいただけますか
・期待に沿えない→あいにく
・承知する→かしこまりました
・繰り返し→復唱致します
・少しお待ちください→少々お待ちいただけますか
・私で聞きます→私がお伺いいたします
月別に使える季節の挨拶の例文
1月に使う季節の挨拶
1月4日頃迄
・新春の候(新年の迎え)
1月5日〜1月中旬
・寒風の候(冷たい冬の風が吹く頃)
1月下旬〜2月3日程迄
・酷寒の候(厳しい寒さが続く時期)
2月に使う季節の挨拶
1月下旬〜2月上旬
・晩冬の候(冬の終わりが近づく頃)
2月中旬
・立春の候(春の始まりの節目)
2月下旬〜3月上旬
・向春の候(春の足音が近づいてくる)
3月に使う季節の挨拶
2月下旬〜3月上旬
・早春の候(春の訪れ)
3月中旬
・啓蟄の候(日一日と春らしい季節が近づく頃)
3月下旬
・春分の候(今年もいよいよ春を迎える)
4月に使う季節の挨拶
3月下旬〜4月4日頃
・春分の候(今年もいよいよ春を迎える)
4月5日〜4月中旬
・麗春の候(麗春花が咲く頃)
・春爛漫の候(春の花が咲きみだれる頃)
4月下旬
・晩春の候(春も終わりに近く頃)
5月に使う季節の挨拶
5月上旬
・惜春の候(春の終わりを名残惜しむ)
5月中旬
・新緑の候(木々が芽吹き色鮮やかになる頃)
5月下旬
・薄暑の候(暑い季節が近付く頃)
6月に使う季節の挨拶
6月上旬
・初夏の候(夏の始まりの季節)
6月中旬
・入梅の候(梅雨の季節)
6月下旬〜7月上旬
・梅雨晴の候(梅雨が終わりの季節)
・夏至の候(日出から日没までが長くなる季節)
7月に使う季節の挨拶
6月下旬〜7月上旬
・中夏の候(夏の折り返しの季節)
7月中旬
・猛暑の候(厳しい暑さが続く頃)
7月下旬〜8月上旬
・炎暑の候(焼けつく暑さが続く頃)
8月に使う季節の挨拶
7月下旬〜8月上旬
・炎症の候(焼けつく暑さが続く頃)
・三伏の候(夏の最も暑い時期)
8月中旬
・晩夏の候(夏の終わりが近く季節)
8月下旬〜9月上旬
・初秋の候(秋の訪れの季節)
9月に使う季節の挨拶
8月下旬〜9月上旬
・初秋の候(秋の訪れの季節)
・新秋の候(秋の季節が近づいた頃)
9月中旬
・爽秋の候(爽やかな秋の訪れ)
9月下旬〜10月上旬
・秋晴の候(秋晴れのよい季節)
10月に使う季節の挨拶
9月下旬〜10月上旬
・秋晴の候(秋晴れのよい季節)
10月中旬
・紅葉の候(紅葉の美しい季節)
10月下旬
・錦秋の候(錦のように紅葉が美しい季節)
11月に使う季節の挨拶
11月上旬
・深秋の候(深い秋の季節)
11月中旬
・菊花の候(菊の花が咲く季節)
11月下旬
・霜寒の候(寒さが増して霜がちらつく季節)
12月に使う季節の挨拶
12月上旬
・師走の候(今年も最後の月を迎えた頃)
・初冬の候(冬の訪れの季節)
12月中旬
・大雪の候(雪が降り始める頃)
・師走の候(今年も最後の月を迎えた頃)
12月下旬
・冬至の候(日暮れが早い頃)
・歳末の候(冬の年末・歳末を表す季語)
手紙に書く季節の挨拶のまとめ
メール、手紙に時候の挨拶・季節の挨拶を含めることにより相手を思いやる気持ちが伝わり自分への評価に繋がります。「文字」だけで月毎の季節の華やかさが分かる素晴らしい挨拶のため是非使用しましょう。
この記事のライター
木出 寛代
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。